税金と同様重い国民健康保険料、その計算方法は


確定申告時期にフリーランスの方からこんなことを聞きました。

「税金より、国民健康保険料が高すぎなんです。なんでこんなに高いのでしょうか?」

聞かれたときにぱっと計算方法がでてこなかったので、

ここで国民健康保険料の計算方法を確認しておきたいと思います。

国民健康保険料の決まり方

まず、国民健康保険料の計算方法各市区町村によって異なります。

ここでは基本的な計算方法について説明したいと思います。

国民健康保険料は、

  • 所得割→加入者全員の所得金額を基に計算
  • 均等割→加入者の年齢、人数を基に計算

の合計となります。

具体的な計算(横浜市の場合)

横浜市を例に、具体的な計算をしてみたいと思います。

以下の家族を想定します。

夫:40歳 事業収入 6,000,000 所得金額(経費を差し引いた後) 2,500,000

妻:35歳 給与収入 1,500,000 所得金額(給与所得控除後の金額) 850,000

子:13歳 収入 0

ちなみに、「所得金額」というのは申告書で言うと次の箇所になります。

事業の場合だったら経費を差し引いた後、給与の場合だったら給与所得控除後の金額となります。

Inkedファイル 2017-03-23 12 15 58_LI

1.所得割の計算

それでは、上記の所得を基に所得割を計算してみましょう。

所得割は所得金額から33万円を差し引いた基準額に料率をかけて計算します。

(横浜市の場合、16歳未満の世帯員がいる場合には更に所得金額から33万円差し引きます。)

①基準額の計算:

夫:250万円 – 33万円=217万円

妻:85万円 – 33万円=52万円

子:0万円

基準額合計:269万円 – 33万円(16歳未満の世帯員の減免)=236万円

②上記で求めた基準額に、医療分、支援金分、介護分の料率をそれぞれ乗じます。

区分 計算式 例の場合
医療分 基準額×6.43% 2,360,000円×6.43%=151,740円(10円未満切捨)
支援分 基準額×2.02% 2,360,000万円×2.02%=47,670円(〃)
介護分 40~64歳の方の基準額
基準額×2.03%
1,840,000円×2.03%=37,350円(〃)
合計 236,760円

2.均等割の計算

均等割は、1世帯の加入者数と40歳以上の加入者数によって次のように計算されます。

区分 均等割額 例の場合
医療分 31,740円 3名×31,740円=95,220円
支援分 10,170円 3名×10,170円=30,510円
介護分(40歳以上) 12,170円 1名×12,170円=12,170円
合計 137,900円

3.所得割+均等割で年額を計算

上記で算出した2つを合計して、年額を出します。

23万6760円+13万7900円=37万4660円

が、保険料の年額となります。(月に3万4千円程度)

国民健康保険料が高い原因

以上で国民健康保険料の計算方法をひととおり見てきました。

会社員が加入する社会保険料に比べて高い原因をいくつか考えてみました。

1.全額自己負担

社会保険料は、事業主と従業員が折半して保険料を納めます。

しかし国民健康保険料は全額加入者の負担となるのでその分額は膨らみます。

2.料率が高い

社会保険料の場合、特に大手はその企業のみが入れる健康保険組合があるため料率が安く設定されている場合が多いです。

それに対し、国民健康保険料は地域によって料率が一括で定められているため相対的に料率が高めとなります。

3.加入人数が増えると保険料がその分高くなってしまう

社会保険料の場合には、多くの場合従業員本人の月額給与(標準報酬月額)によって保険料が決定します。

しかし、国民健康保険料の場合は上記でみたとおり収入があるないにかかわらず加入人数によって均等割分の保険料が変動します。そのため、国民健康保険料は子などの世帯人数が増えるほど保険料が増加してしまいます。

国民健康保険料を減らす方法はあるのか?

上記のとおり国民健康保険料の計算は、

  • 加入者の所得金額
  • 加入者の人数

によって決まります。

なのでこのどちらかを減らせば保険料は減ります。

そこで加入者の所得金額を減らす方法を考えてみると、

青色申告特別控除(10万円又は65万円)を受けていないのだったら受ける、漏れなく経費を計上するくらいしかなかなか思いつきません。

事業の場合、妻を専従者にして給与を経費計上してという方法もありますが専従者の要件に当てはまる必要があり、また妻にかかる所得税とのかみ合いも考えなければいけません。

一方加入者の人数については、減らせるものではないので(別居などは現実的ではない)、動かせません。

後は法人化して社会保険に加入してしまう、という方法もあります。

その場合も地方税の均等割などあらたな税金の負担や、事務負担の増加など考慮する必要があります。

 

まとめ

フリーランスの方に負担の重い、国民健康保険料の計算方法をまとめてみました。

なかなか国民健康保険料を減らすのは難しいですが、基本的な計算方法を知っておくことによって翌年になって慌てることを防げます。

市町村によっては保険料のシミュレーションサービスがありますので是非シミュレーションしてみてください。

編集後記

ビットコインが気になり本を数冊購入。

ビットコインだけでなく仮想通貨はもう現実世界に出回っているのだとあらたな発見がいっぱいでした。


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