昨日、クラウド会計ソフトfreeeを導入・運用していきたいという方の3度目のコンサルティングでした。

その方は元々ITに強い方で、操作にはすぐ慣れたようでした。

ほとんどの数字は完成し、後は数字をどう生かしていくか、そこまで来ることができました。

今回コンサルティングを行っていて、クラウド会計ソフトが売りにしている

「自動仕訳により帳簿作成ができる」

ことについて、再度考えさせられました。

正直、会計の知識が全くない人にとって専門家の助言なしに自動仕訳による(正しい)帳簿作成をすることは現状難しいです。

正しく作成・運用していくためには

  • クラウド会計ソフトは設計型であることを理解する
  • クラウド会計ソフトの裏側で行われている数字の流れをイメージで理解する

ことが必要だと思いました。

クラウド会計ソフトは「設計」が大事

従来の会計ソフトと違って、クラウド会計ソフトは自らルールを設計していくことが大事となります。

従来の会計ソフトは、既にシステムの作りこみがかなり行われていて、利用者はそれに従って仕訳を積み上げ、決算書を完成させるイメージです。

それに対してクラウド会計ソフト(特にfreee)は何もアプリの入っていないスマートフォンのように、設計を自分でして、仕訳データは外部から取って来てそこに最小限の手を加え決算書を完成させるイメージです。

従ってクラウド会計ソフトは設計思考であることが求められ、いかに自分たちの使いやすいように最初に作りこむか、ということが大事になります。

一度設定したものは、その後自動で処理してくれます。

なんとなくプログラミング的な思考ですね。

既に完成されたシステムにデータを打ち込む従来の会計ソフトに慣れている会計事務所の人がクラウド会計ソフトを使いにくいのは、この

「設計を自分でしていく」

という考え方が今までなかったからだと思います。

クラウド会計の裏側で行われている数字の流れをイメージとして捉える

クラウド会計ソフトは簿記の学習につきものの「仕訳」の言葉はほとんど出てきません。「借方」「貸方」という言葉もそうです。

簿記の知識を持っていなくても処理することは可能ですが、

裏側で行われている処理は2次元(簿記で言う借方と貸方)であるということと、

その処理で数字がどのように動くかをイメージすることは必要です。

例えば、昨日コンサルティングを行ったお客様は、

「売上がたつときは、科目は売掛金になるのですか?売上になるのですか?」

と疑問を持っていました。

仕訳、借方・貸方の概念を知らない人は売上をたてることは1次元の処理に捉えてしまうようです。

そこで、売上をたてると自動的に

売掛金 ××× / 売上 ×××

という二次元の「仕訳」が裏側で行われる、ということを説明しました。

また、処理した数字がBSとPLにどのように影響するかも説明しました。

忙しい経営者が簿記の仕訳を一から学ぶことは難しいですし、いらない知識もあります。

取引があったときに、

「裏側で行われている二次元処理(仕訳)」

「取引によって数字がどう動くか」

をイメージできれば良いと思っています。

まとめ

クラウド会計ソフトの導入・運用コンサルティングをしていて、

設計の大切さ、お客様がつまづきやすい裏で処理されている仕訳をイメージで理解してもらうことの大切さに気付きました。

クラウド会計ソフトは自分で設計し、数字を管理していく仕様になっています。

裏で行われている処理をイメージで理解し、数字を経営に生かしていってもらうことが最終ゴールです。

編集後記

今日は午前中、地元の公立中学校で租税教室の講師をしました。

1億円のレプリカを見せる場面があるのですが、本日の中学校は一番食いつきがよかったです。。本当は税金の本質をもっと伝えたいのですが(^^;

午後は、東京で投資セミナー。

複数の税理士の方のアライアンスセミナーで、講義の進め方なども参考になりました。

« »