相続は故人の想いを託すもの。日頃からのコミュニケーションが大事


今月末に相続のセミナーを受けるので、事前準備として民法と相続税法の基礎を学び直しています。

私は10年程前に相続の経験をしており、そのときの経験から相続に関してはあまり良いイメージを抱いていませんでした。

ただ税理士になって学び直していくうちに、相続において大切なことをまた考える機会が最近訪れました。

今日は自分が経験したことを基に、具体的な手続きと相続において本当に重視しなくてはいけないことは何なのか、考えていきます。

(※相続税の具体的な計算については書いておりません。)

相続問題は突然に

私は小さい頃に母を病気で亡くしています。

母は1人っ子でした。

母の死後も兄弟4人で祖母・祖父の家へ頻繁に遊びに行っていました。

その後祖母も60代で若くして他界した後、祖父は再婚しました。

数年後祖父が病気になったと聞いてお見舞いに行った時には既に病状は悪化しており、数か月後には祖父も他界しました。

通夜・お葬式が終わった後しばらくしてきた「遺言書の検認のお知らせ」で初めて相続について自分が当事者であることを知ります。

代襲相続を知らなかった

はじめは自分が相続の当事者であることすら分かっていなかったので「遺言書の検認」と書かれても意味が分かりませんでした。

調べてみて、初めて自分が「代襲相続」によって法定相続人であることを知りました。

代襲相続とは、本来相続人となる予定であった「子」又は「兄弟姉妹」が相続放棄以外の原因(死亡・相続欠格・廃除など)で相続権を失っていた場合に「直系卑属である子」が相続する制度です。

私の場合は、母が一人っ子であり死亡していたためこの代襲相続に該当しました。更には祖母も死亡していたため後妻と私含め孫4人の合計5人が法定相続人になったのです。(下の分数は法定相続割合です)

遺言書は自筆ではなく公正証書にして残すのが確実

話は戻り、遺言書の検認のお知らせがきて家庭裁判所へ検認に行きました。

そこで、祖父が残した遺言書は自筆で書いたものであることを知りました。

実は遺言書には、3種類あります。

  1. 自筆証書遺言・・・本人が自筆で書いた遺言書。
  2. 公正証書遺言・・・公証人役場で2人以上の承認の立ち合いのもとで作成する遺言書。
  3. 秘密証書遺言・・・署名、捺印のうえで封印した遺言書を公証人役場に持っていき、2人以上の証人の立ち合いのものとで認定してもらう方法。

このうち一般的には2.の方法が確実と言われています。

作成段階からプロの公証人にチェックしてもらえるので記載に不備のない遺言書を作成できるからです。検認手続も必要ありません。

実際、祖父が残した遺言書は本当に本人が作成したのだろうか・・というくらい不備の多いものでした。

不動産の住所が間違っていたり、実在しない口座が書いてあったり・・

やはり遺言書は公正証書として残しておくことが後々家族が困らないためにも有効です。

遺留分とは、相続人の最低限の取り分

実際遺言書には私たちの財産相続について明確に触れられていませんでした。

内容も不明な点が多く、

後妻の方とは連絡を取ろうにも「弁護士を通して」としか言われず話し合いがなかなか進みません。

そこで行政書士さんに相談したところ「遺留分だけでも請求してみてはどうか?」

という話になりました。

「遺留分」とは一定の相続人(配偶者・子供・父母)が最低限相続できる財産のことです。

遺留分として請求できるのは配偶者や子供(代襲相続含む)の場合には法定相続分の2分の1、親だけの場合には法定相続分の3分の1となります。

そこで私たちは法定相続分の2分の1である16分の1ずつが請求できることが分かりました。

遺留分を請求するためには、「遺留分減殺請求」を遺言書により財産を相続する人に遺留分が侵害されたことを知った日から1年以内に行わなければなりません。

既に半年くらい経過して、請求するのもためらわれましたが、最終的には行政書士さんにチェックしてもらい「遺留分減殺請求」を内容証明郵便にて相手方の弁護士さんへ送りました。

調停で毎回話し合いが行われる 不成立の場合審判に

その後もなかなか話し合いは進まず、調停という形になりました。

調停とは、相続の話し合いがなかなか進まない場合に、家庭裁判所の調停員が双方から事情を聴いて(場合によっては資料提出あり)合意に導いていく手続きです。

毎月1回程度、平日に家庭裁判所へ相続人が集まらなければなりません。

部屋は、もちろん申立をしている側とされている側とは分けられます。

しかし最後は皆一堂に会して合意をとることになります。

私たちの場合には調停で終わりましたが、調停が不成立に終わった場合には審判となります。

審判の場合には、調停のように相互に話を聞くという形態ではなく最初から相続人が一堂に会し裁判官が進行をとる形態となります。

審判でも解決しない場合には抗告という不服申立の手続きを取ることになります。

故人の想いを引き継ぐためにも日頃からのコミュニケーションが大事

自分が10年前に経験した相続によって感じたことは、

「日頃からのコミュニケーションを大事にする」

という当たり前のことでした。

急な出来事ではあったものの、もう少しコミュニケーションをとっていれば、と悔やまれました。

日本人の良き点として、人と人との関係について

「言わなくても分かるだろう」

「話し合いでうまくやってくれるだろう」

と考えてしまう部分があります。

しかし相続に関してはお金がかかわるセンシティブな問題なので、被相続人がなるべく曖昧な表現は避けて自分の意志を伝えなければ後々問題になる事は必至です。

そして相続する側も話しづらいことではありますが普段から被相続人とのコミュニケーションをとることが大事です。

また、相続人の関係者(親、配偶者など)からの横槍にも注意しなければなりません。

私たちの場合には、父親やそれぞれの配偶者などからも様々な助言がありましたが本来第3者からの助言は程々にすべきだと考えます。

あくまで相続は相続人同士が被相続人との間の問題として主体的に解決すべき問題です。

最近読んだ下記の本には次のように書いてありました。

相続は争いになった時点で全員が敗者です。

本当にそのとおりだと思いました。

まとめ

自分が体験したことを基に、実際の手続きと相続において一番大切なのはコミュニケーションということを書きました。

我々専門家にとっては相続税をなるべく減らすことも大事ですが、それ以前の問題としてコミュニケーションをきちんと取ってもらうということは非常に大事です。

書店に行くと、「エンディングノートの書き方」などといった本があって最近は意識されている方も多いのかなと思いました。

相続の問題だけでなく、自分の死後に自分の意志をどう引き継いでもらうかは早いうちに考えていくべきことだと思います。

編集後記

週末は貴和製作所のキットを使ってアクセサリー作り。

イヤリングを作りました。

細かいことが得意ではないのにやってしまって途中からイライラするというどうしようもなさですが(^^;・・


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