センスはすべてのビジネスパーソンに関わる問題

クリエイティブディレクターの水野学さんの本を最近読んでいます。

実を言うと「センス」という言葉に昔から劣等感を抱いていました。

自分のセンスには自信を持てたことがなく・・。

センスというと、インテリアデザインやファッションなどきらびやかなイメージがあり自分とは程遠いものだと思っていました。

しかし水野さんの本を読んで、センスは仕事を持つすべてのビジネスパーソンに必須のものだと知りました。

センスに必要なのは生まれつきの才能ではなく知識

著者の水野さんは、「センスのよさ」を次のように述べています。

「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。

例えばなんてことない普通の服を着ているだけなのにおしゃれだな、と思う人っていますよね。

それは自分の個性に合わせて服装のよし悪しを判断し、最適化できる能力があるからです。

そのような能力は先天的なものかと思いがちですが、著者は努力によって身につけることができると言っています。

必要となるのがその分野にかかわる「知識」です。

考えてみたら当たり前のことなのですが、知識も持たずに私たちは「それは◯◯だから」と切り捨てがちです。

ファッションで考えてみれば、「定番」というものが必ず存在するので、まずはそういった知識を身につけるのがスタート、身につけられたら徐々に個性を出していく、といった順序があるはずです。

すべての仕事において「知らない」は不利

先程は見た目のファッションのセンスのことを書きましたが、生き方、働き方にもその人のセンスがあらわれます。

センスのよし悪しを決めるのはやはり「知識」。「知っているかどうか」です。

例えば、頑なに自分の仕事のやり方を変えない人と、常に仕事のやり方を模索して知識を蓄えている人とでは、センスの違いは明らかですね。

人それぞれ仕事のこだわりは違うと思いますが、例えば仕事のセンスに関わるものとして挙げられるのがIT投資。

私事ですが、以前からPCはWindowsオンリーで、「Macはデザイナーさんとかおしゃれな人が使うもの」と思い込んでいました。

IPadなどのタブレットも「中途半端」「用途がない」とも。

(この「思い込み」もセンスから遠ざける、と著者の水野さんは書かれています・・)

しかし事前にApple製品の知識を蓄え、実際使ってみて考えが変わりました。

もっと早く使っていればよかったなと。

「知らないから」で済ませていたことがこれほど損失になっていたとは・・という思いです。

「知らない」や「思い込み」は、仕事のセンスを下げる最大の要因だと今は思っています。

「差別化」とはほんの少しの差と精度の違い

なるほどな、と思ったのが差別化の本来の意味です。

ありそうでなかったものをつくり出す時、しばしば「差別化」という言葉が使われます。これは本来、「ほんの少しの差」を指すのではないかと僕は解釈しています。ただし、単に「ほんの少し違う」だけでは駄目で、その先に求められるのが「精度」だと感じます。

差別化は今までとは全く違う奇抜な発想ではなく、「ほんの少しの差」ではあるが、どれだけ極めるか、といった「精度」が必要であるという考えは納得です。

例えばiPhoneは「ありそうでなかったもの」ではありますが、あの美しい背面の実現には今までの常識では考えられない加工が施されているようです。

消費者が「ワクワクする」製品を作るためにそこまでのこだわりがなかったら、「ありそうでなかったもの」というだけであれだけの爆発的なヒットにはならなかったかもしれません。

まとめ

「センス」という言葉に劣等感を抱いていたので思わず手に取ってしまった本ですが、日々の仕事のヒントになりました。

センスをあげるための「知識」「精度」。

そしてそのおおもととなる「知的好奇心」。

問題を解決する能力よりも、問題を探し出す能力が必要となる時代には、必要なことだと思います。

編集後記

昨日は、対面相談を横浜で行った後、夫の実家で義母、夫、息子、息子の幼馴染とでクリスマスケーキとフライドチキンをいただきました。

サンタさんはもういないので小細工はもう必要ないです。(少し、寂しい)

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