「法人にしたほうが良いですか?」

最近よく受ける質問です。

実は、答えるのが非常に難しい質問です。

身も蓋もない対応かもしれませんが、「本人が法人にしたいと思うのであれば、すれば良い」と思っています。

その人の言う「良い」が何か分からないと答えられない

税理士の私に聞いているということは、上記の質問はほぼ

「法人にしたほうが節税できますか?」

という質問と同義なのでしょう。

とはいえ、「法人にしたほうが良いですか?」と聞かれた場合、その人の思う「良い」が何なのかが分からないと答えるのが難しいです。

信用をつけたい、社長に憧れている、優秀な人材を確保したい・・など法人成りする理由は節税以外にもたくさんあるはずです。

もちろん、単純に節税したい、という理由もありでしょう。

個人的には法人にするかは、税金だけでなくその人の価値観、生き方トータルのメリットで考えることだと思っています。

節税できるとも限らない

ただ、法人にしたからといって必ず節税できるとも限りません。

節税とは、その名の通り納めるべき税金があるときに税金をなるべく抑えようという考え。

ということは、継続的に収益が出ていることが前提です。

その上で、正しい知識を持って節税対策をとっていかなければなりません。

世の中には無駄遣いと紙一重の節税(と言われているもの)が出回っているので気をつけなければなりません。

個人で所得が継続的に出ていて、法人成りしてもある程度の収入の見込みが立つのであれば問題ありませんが、

そうでない場合には単純に「法人設立は節税になるからしたほうが良い」と考えるのは危険だと思っています。

法人にするとそれなりの手間も発生する

法人にするとそれなりに手間も発生します。

登記も必要ですし、法人税の申告は所得税よりも複雑です。

個人には発生しない税金(赤字でも発生する法人市民税の均等割など)もかかります。

会社法に従って適正な法務も行っていかなければなりません。

これらの手間や余分な経費がかかることも頭に入れておくべきです。

節税はお金のコントロールの一部分に過ぎない

私は、節税はお金のコントロールの一部分に過ぎないと思っています。

一番大事なのは、売上をあげ、必要な経費を払い、お金の循環をよくして、必要なお金を残していくこと。

これがまず目的であってそのための手段として最低限の節税対策があります。

個人よりも法人の方が確かに節税できる手段は多いのですが、余計な手間が発生するのであればそれほど大きくしないで自分の見える範囲でお金を回していく、という考えもあります。

 

基本的にお金を適正に回せていければ、自然と節税につながっていくと私は考えています。

もちろん専門家の力を借りて都度適正な節税をしてお金を残していくことも必要な考えです。

大事なことは「節税」という狭い視点だけで大切な判断をしないことです。

編集後記

最近執筆活動を早朝に行っています。

執筆などクリエイティブな活動は夕方の疲れた頭ではできないことが判明し・・(気づくの遅い)

本日は、これから前職の先輩に相談しに秋葉原へ。

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榑松貴税理士事務所訪問 国際税務に強く士業向けサービスも行っています

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