ところこどころで絵画がカラーで紹介されていて、江國さんのセンスある文章とともに読者を飽きさせない内容となっています。
画家といえば、ピカソやゴッホくらいしか知らなかったのですが、この本を読んでから色んな画家の絵を美術館で見るようになりました。

私が好きな絵は、ゴッホの「夜のカフェテラス」という絵です。

中世の石畳の歩道を通行人が歩く音、カフェテラスに集う人々のささやかな話声が聞こえてきそうな絵です。
何よりも、黄色と青のコントラストが本当に素晴らしいです。

江國さんも、
「私自信はゴッホの青が好きだ。青というより紺なのだが、あれほど深くつめたく澄んだ青は他にない。落ち着くし、高揚する。」
と表現しています。

青々とした寒々しい夜空の下の中、カフェテリアだけが煌々と灯りがともされ、そこに人々が集い、話をしている様子が印象的です。

この本には外国の画家のみならず、東郷青児や児島虎次郎など日本の画家の作品も紹介されています。

ページ数はカラーページを含めても少なく、また、江國さんによる紹介も肩肘はらないセンスあるものとなっているので、絵画に興味があまりない方も十分楽しめる内容となっています。

編集後記

仕事で東京の方へ出たので帰りに前から気になっていた中目黒の「COW BOOKS」という書店へ行ってきました。

中目黒より徒歩10分くらい、目黒川沿いにあります。

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「暮らしの手帖」の元編集長である松浦弥太郎さんの本屋さんということで有名です。

私は松浦弥太郎さんのエッセイが好きなので一度行ってみたいなと思っていました。

店内はお香の匂いが漂っており、バッグなどの雑貨も売られていてとてもお洒落な雰囲気でした。

本を2冊買ったのですが包み紙には谷川俊太郎の詩が。松浦さんの思い入れが伝わります。

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本の種類は小説から料理本、紀行本、絵本など様々ですが思いのほか「読ませる」活字本の量が多いのが特徴でした。

洋書や訳書も多く、松浦さんのアトリエ、といった感じでした。

すべて古本ですが、きちんと一冊一冊にビニールがつけられています。

今回買った見たのが「仕事の童話集」「遺産相続ゲーム」というどちらも外国の訳本。

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「仕事の童話集」は1980年代にポーランドの作家が書いた仕事をめぐる14の物語の訳本。仕事の童話って何?と興味をそそられ買ってしまいました。

「遺産相続ゲーム」は1960年代にドイツにて行われた遺産争いをめぐる戯曲。こちらはたまたま本屋へ行く前の打ち合わせで相続の話が出てきたのでなんとなく購入。適当ですね^^;;