AI時代に他言語を学ぶ意味

AI時代に他言語を学ぶ意味
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現在1ヶ月の間、イギリスのロンドンに留学に来ています。仕事も現地でしており、半日語学(英語)学校、半日仕事というスケジュールです。

語学学校の授業は思いのほか楽しく、学びにつながっています。

その中でも、「AI時代に言語を学ぶ意味」について今回あらたな発見があったので書きます。

*ロンドンにも桜が咲き始めました

AIによる語学学習への恩恵は本当に大きい

いまや、ChatGPTなどの生成AIを使った英語学習がネット上にあふれています。

私自身も、ChatGPTと毎日音声モードで英語で話しています。

こんなことは、数年前までは考えられなかったことです。特にスピーキングに関しては外国人と話すしかなかった状態が、いつでもどこでも、無料で(かかったとしても月数千円で)いくらでも練習することができるようになったのです。

*音声会話ができるようになった当初から使い続けています


書く、読むに関して言えばほぼ言語の壁は崩れています。私が外資系企業に勤めていた10年くらい前までは、精度の粗い翻訳ツールしかなくて、上司の方に毎回Emailをチェックしてもらっていたくらいです。

でもそんな過去は過ぎ去り、生成AIが完璧で洗練された文章を出してくれますし、なんなら添削までしてくれます。あれほど苦しんだ昔が嘘のようです。今後同時通訳の機能も進み、ビジネスミーティングなどでは問題なく使えるレベルになるのも時間の問題でしょう。

AIが代替するのはコミュニケーション機能だけ

AIによって言語の壁が崩れるのは本当に良いことだと思っています。

例えば、海外に行きたいのに「英語が不安」という理由でちゅうちょしている人に対して、誰もが同時通訳の生成AIツール(スマホじゃなくてグラスになるかもしれません)を身につけて気軽に出かけられたらいいですよね。

*言語の壁を気にせず旅できたら

留学などはもっとハードルが高かったのですが(ホームステイ先の人とうまく話せなかったらどうしようという不安は相当だったはずです)、それもAIによって解消できるはずです。


じゃあ、「AIによって言語学習は不要」かというと、全然そうは思っていません。AIが代替するのはコミュニケーション機能だけと思っているからです。

ではAIが代替できない言語学習の意味とは?という問いをもったのも、今回留学を決心した理由でもあります。

AI時代に他言語を学ぶ意味

AI時代に母国語以外の他言語を学ぶ意味。それは、ずばり

「自分に染みついた思考の檻に気づくこと」

だと思っています。

鶏卵問題になってしまいますが、言語は間違いなく思考を決めるからです。


今回ロンドンに来てだいぶそれが検証された気がします。

「AI時代になぜ英語を学ぶのか」

という本が最近とても面白かったのですが、現地での体験含め、日本語と英語は、本当に正反対な言語ということがわかりました。著者によれば、日本語と英語の翻訳がうまくいかない(対応する言葉がない)ことが本当に多いのだとか。


一番面白かったのが、日本語には「主語がない」文章がとても多いとのことです。

例えば広島の平和記念公園にはるスローガンで、

「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」

というものがあります。これには主語がありません。したがって、責任の所在も曖昧です。

でも、英語は主語がないと基本的に成り立たない言語です。上記を英語にすると、

Let all the souls here rest in peace; For we shall not repeat the evil.

ということで「We」(私たち)という主語がつきます。人類全てが責任を負っていることが明らかです。

では日本語も「私たちは過ちを繰り返しませぬから」にすればいいかというと、そうでもないようです。


なぜかというと、「私たちは」と主語をつけてしまうと、どこか他人事のようになってしまうからです。主語がないほうが、聞いた人が「当事者感」を持てる。

これを読んでちょっとぞっとしたんです。ああそうか、日本で良くも悪くも「共感性」「一体性」が重視されるのは、言語そのものの構造にも理由があったんだ、と。そこかーって感じです。

逆に、主語をつける英語は他人事っぽさ(客観的な視点)があるから、遠くから自分を眺めるようなこともできるのかもしれない、とか。

*2024年に行った原爆ドーム




これは私が現地で感じたほんの少しの違いで、他にもああ、英語と日本語はこんなに違うのか、だから思考の方法も違うのか、ということがたくさんありました。

日本では、
英語を学ぶ=「使える」英語を身につける

といった図式が強いですが、実はこういう思考の違いを認識できることが生成AI時代における一番の言語学習の意味なのでは、と思っています。あながち、日本の文法や語彙を重視する学習方法は悪くないんじゃないかとも。(実際、留学先ではスピーキングは他の国の人よりも弱いけどリーディングや文法、語彙は私含め日本人が一番できる傾向にありました)

それが学べただけでも留学の価値はありました。

編集後記

ロンドン生活も大詰めです。

当初は学校で先生の言ってることが理解できないこともありましたが、今はほぼ理解できるようになりました。これも慣れなのかと…!!

伝統料理であるフィッシュ&チップスも食べられたので満足です。

最近のあたらしいこと

Wigmore Hall(ピアノコンサート)

Oxford

Christ Church

Ashmolean Museum

Sky Garden

Fish&Chips

念願のロンドンの伝統料理、フィッシュアンドチップスをスカイガーデンで食べることができました!

サクッとして美味しかったです。