電子マネーと仮想通貨(ビットコイン)の違い
5/312017
カテゴリー:お金の考え方
最近、電子マネーと仮想通貨(ビットコイン)を両方始めました。
今まで主に現金決済+たまにクレジットカードくらいでしたが、両者を使うことによりお金の本質について考えるようになりました。
電子マネーと仮想通貨は共に実通貨が物理的に動かない共通点があるため混同されやすいのですが、本質的な違いがあります。
今日は両者の大きな違いをまとめたいと思います。
電子マネーと仮想通貨(ビットコイン)の本質的な違い
両者の違いを表にしてみました。
まず両者の本質的な違いはお金そのもの(価値尺度、交換媒介、価値貯蔵)の性質があるかどうかです。
ビットコインは他の通貨(円やドル)に比べると劣りますが、お金としての機能は有しています。
ビットコイン取引所のbitFlyerには、下記のように記載されています。
ビットコインは、通貨です。円やドルと違って仮想ではありますが、通貨です。電子マネーとは、貨幣を使わないで決済できるようにするしくみのことです。仮想通貨=電子マネー、ではありません。
一番この特徴として表れているのが仮想通貨には単位がある点です。
USDやEUROなどと同じように、ビットコインの場合にはBTCと表します。
ビットコインは個人間で簡単に流通させることができます。
他の通貨と同じく、ビットコインを使うためには円からBTCに換算する必要があり、そのレートは日々変動します。
一方、Suicaやnanacoなどの電子マネーは、円をチャージ(入金)することによって決済手段として使えるようになり点はビットコインと似ていますが、
交換媒介としての機能は弱く、基本的に個人間で流通するものではありません。
また、1000円チャージすれば1000円使えることになるので、価値変動もありません。
結局のところ電子マネーは物理的なお金を使わないで決済できるしくみにとどまる点がお金としての性質を持つ仮想通貨と異なる点です。
(ただしビットコインの日本の法的な位置づけは「財産的価値」にとどまり、「通貨」としては位置づけられていません。)
仮想通貨(ビットコイン)には発行者がいない
電子マネーと仮想通貨のもう一つ大きな違いとして、発行者がいるかいないかという点が挙げられます。
電子マネーには、発行者(SuicaだったらJR東日本、nanacoだったらセブン&アイ・ホールディングス)がいます。
一方、仮想通貨には発行者がいません(一部発行者がいる仮想通貨もあります)。
仮想通貨であるビットコインは、コンピュータープログラムに従って約10分おきに新しいコインが自動生成されます。
取引はすべて公開されており、改ざんや不正がないかは「マイナー」と呼ばれる世界中の技術者がチェックし、その報酬としてビットコインが与えられます。
「発行者がいない」特徴はそのまま管理方法にも表れています。
電子マネーは発行者の中央サーバーで管理する中央集権型管理、仮想通貨(ビットコイン)はP2Pシステムを利用した分散型管理です。
※P2P(ピア・トゥ・ピア)は、一時期話題となったファイル交換システム「Winny」に使われた技術です。最近では、Skypeなどの通信技術にも使われています。
中央集権型管理は、中央サーバーがすべて管理をしているので、外部から攻撃されるとダウンしてしまいますが、
分散型管理は複数のコンピュータにデータが分散されているので、一部のコンピュータが攻撃されても稼働をし続けることができる特徴があります。
ビットコインを発明したナカモトサトシさんという方は、中央集権型に管理された通貨によって引き起こされる様々な問題(インフレリスクなど)を批判していたようです。
中央に管理者を置かない、マイナーたちの心理を上手く利用したビットコインのシステムは、発明者の願望がよく表れている気がします。
ただ、発行者がいないということは供給量をコントロールできないので、価格が不安定になるということでもあります。
現時点でビットコインが主に投資手段として買われているのもそのためでしょう。
今後支払手段としてビットコインが使われていくためには何らかの工夫が必要かもしれません。
個人間の直接送金が手軽にできる仮想通貨
以前、ビットコインを家族に送付してみた実体験を記事にしました。
時間・コスト面でとても手軽に感じました。
電子マネーにも個人間の送金サービスはありますが、専用アプリをインストールする必要があったり、自由に残高を利用できないなどの制限があります。
また、国内での利用を想定しています。
(Paymo、LINE Pay、Kyashなど)
一方ビットコインはビットコインアドレスがあれば日本にとどまらず外国にいる人にもわずかな時間・コストで送金ができます。
電子マネーが狭い範囲での制限付きでの通貨の流通にとどまる一方で、ビットコインは通貨が国境を簡単に超えてしまう点で大きな違いがあります。
まとめ
混同されやすい電子マネーと仮想通貨(特にビットコイン)との違いをまとめてみました。
電子マネーは単に円での決済を便利にしたもの(限られた範囲内)、仮想通貨は発行者が存在しない貨幣そのもの(国境を超える)、という点が本質的な違いです。
とはいっても私自身もまだすべてを理解できているわけではありません。
今までのお金に対する考え方を抜本的に変えてしまう仮想通貨、今後も注視していきます。
編集後記
私が去年通っていたプログラミング教室が、中高生向けのサービスを始めたようです。
しかもいつの間にか横浜校もオープンに!
息子も興味津々のようなので見学に行こうと思います(受験大丈夫かな・・)。