「神」エクセルは身近なところにもあった。データの蓄積・検索ができないのは致命的
11/92016
カテゴリー:Excel
役所などで使われている応募用紙などの書類が「データとして使えない」→「紙として使える」→「神エクセル」と揶揄されているようです。
下記が問題の神エクセルです。
見てびっくりしました。
文字一つにつき一つのセル。
横浜市と入力しようと思ったら、「横」「浜」「市」と一つずつ入力していかなければいけません。
きっとこれを作られた方は几帳面な方なんだろうな・・でも間違ってるな・・と思いました。
神エクセルの問題点
神エクセルの問題点は、データの蓄積と検索ができないことです。
例えば、応募した人の名簿を作ろうと思ったとき、名前が別々のセルに入力されてしまっているので簡単にはできません。コピーアンドペーストでやろうとしても一文字ずつしかできません。
また、「戸村涼子は申し込んだかどうか」を確認するのにCtrl+Fで「戸村涼子」と検索しても「戸」「村」「涼」「子」と入力されてしまっているので検索ができません。
つまり、データとしてはこのエクセルは全く役に立たないということです。
単に手書きで作るよりも見た目(ビュー)が整ったに過ぎません。
これだったらエクセルでやらなくても、手書きで書いたものをコピーすることで十分かもしれません。
身近なところに神エクセルありました
実は、最近税〇士会の書類でも同じようなものを発見してしまいました。下記です。
こちらは今年の確定申告の無料相談の希望受付フォームです。
自分の氏名や登録番号などの情報と、無料相談の希望従事日に〇を入力してFAX又はメールで提出することになっています。
よく見かけるエクセルシートかもしれません。
しかし私はこれを提出した後の事務局の人たちの手間を考えると心配になってしまいました。
その理由は、以下の通りです。
・提出方法が「メール又はFAX」であること
FAXで受け付けた場合、紙なのでデータとして使用できません(エクセルも使用できませんが)。更に、受付方法が2つあることで重複するなど、混乱が生じる場合があります。
また、メール又はFAXで受付をする場合、どうしても「受付漏れ」が発生する可能性もあります。(FAX番号が間違っていた、メールアドレスが間違っていた、など)
・エクセルがデータとして使用できない神エクセルであること
例えば、上記のエクセルは「登録区分」や「希望従事日」に〇をつけるのですが、当然エクセルのオートシェイプで〇をつけてもデータとしては意味が全くありません。(従事日数も自分で手計算して入力するようです・・)
きっと紙でやり取りしていた名残がいまだに続いているのでしょう。
事務局の方はこの神エクセルとファックスで送られてきた紙を基に手作業で希望従事日のすり合わせを行うのだと思います。気が遠くなる作業です・・。
Google Formを使えば半日で終わるのに
この作業を本当の神?であるGoogle のForm機能にやらせたらどうだろう、と考えてみました。
例えば次のようなフォームを作ってみました。(内容は適当です)
これを税理士の方のメールアドレスにリンク先をつけて送ります。
フォームが送られてきた側は、フォームに記入して送信するだけなのでFAX番号やメールアドレスの間違いによる誤送信をする可能性はありません。
フォームで送れば、入力する箇所も明確なのでストレスも感じません。
そして、入力されたデータはスプレッドシートにどんどん蓄積され、検索も可能になります。
例えば、「11/1に対応できて代理送信が可能な人は誰か?」という検索もオートフィルタで簡単にできます。
このようにデータとして使えるのであれば、応募者が100人、200人いても1人が半日程度で第1段階としての調整は終わるのではないでしょうか。
手作業でやる時間と、2、3倍どころの差ではないと思います。
まとめ
神エクセルにあまりにも衝撃を受けていたところ、身近なところでも発見してしまったので記事にしてみました。
エクセルはデータの蓄積と検索ができなければ意味がありません。
エクセルの良いところでもあり、悪いところでもあるのが「紙にように」「誰でも」扱うことができてしまうという点です。
その結果、紙で処理していたのと変わらないような処理を続け全く効率化が進まないことになるのです。
このような神エクセルは氷山の一角で、まだまだ存在しているのではないでしょうか。
時間と人とお金の無駄遣いである神エクセル、すぐになくすべきだと思います。
編集後記
アメリカの大統領選、大逆転劇にびっくりしました。
アメリカという大きな国があのような特徴のある(良くも悪くもという意味で)方を代表に選んだということに複雑な気持ちになりました。
混沌とした時代の幕開けなのでしょうか・・