昨日、租税教室の研修を受けた時の事です。

子供たちは自分の役に立つことに興味を示す、というお話の中で講師の方が

「例えば、自分は学生時代英語の授業を受けていて『これ将来役に立つのかな』と疑問に思ってからやる気がなくなってしまいました」

とおっしゃっていました。

恐らく、税理士となった現時点でも英語を必要としていないのでしょう。

ただ、税理士は本当に英語を必要としない仕事なのかな?と考えたときにふと考え込みました。

税理士は英語を必要としない仕事が圧倒的に多い

税理士は他人の税金計算をして申告書を作成する仕事がメインです。

その根拠となるのは日本の税金に関する法律であり、顧客も日本人が大多数です。

税金に関する法律は非常に複雑で、その複雑な日本語の条文の解釈を行うのが税理士の重要な仕事と言えるでしょう。

そうなると、日本の中で、日本人のお客様だけを相手にしている以上は確かに英語は必要ないかもしれません。

たまに外国人のお客様がいたとしても、通訳を雇って同席してもらうだけで足りるかもしれません。

でも・・ニッチだけど需要はあるのではないか

このように税理士は基本的に英語が必要でない仕事であることは間違いないと思います。

ただ、市場は非常に狭いけれど、英語力を含め様々な国の人たちと連携して業務を行うことができる税理士の需要は現時点でもあるし、今後増加するのではないかと思っています。

一つは、規模の大きな国際展開を進める日本企業や外資系企業、外国の富裕層のお客様。

こちらはそれなりに大きな税理士法人や特別部隊を持った組織が対応するでしょう。

もう一つ、注目したいのが日本でスモールビジネスを始める(始めようとしている)、又は日本に何らかの投資(不動産など)をしている外資系企業、外国人の方です。

大規模な税理士法人に頼むには金銭的に難しい、そこまで複雑なことはお願いする予定はないという層です。

国も東京オリンピックに向けて様々な活動をしているけど・・

国も日本で起業する外国企業を応援する制度を近年設け始めています。

東京都の政策企画局が運営する「東京開業ワンストップセンター」「ビジネスコンシェルズ東京」は、外資系企業やベンチャー企業の開業手続きを一元化するサポート機関です。

これらの対応を行うのは国際ビジネス経験や専門知識を持ったスタッフのようです。

しかし、サービス対象がベンチャー企業など日本企業も含まれているし、認知度も低く実際の効果はどの程度なのかな?という感じはします。

日本総研が2015年にまとめたインバウンド戦略に関するレポートには、日本は諸外国に比べて外国人起業家を総合的にサポートする体制の整備が不十分であると報告されています。

起業促進に向けたインバウンド戦略 ― 海外における外国人起業人材の受け入れ促進策と日本への示唆 ―

日本で起業する際に必要な制度を英語で説明できる専門家の需要は今後増加するのではないでしょうか。

その他英語が必要になる業務

上記は主に外国から日本への進出(インバウンド)のお話でしたが、逆に日本から外国への進出(アウトバウンド)をする際にももちろん英語は必要になります。

今は大手企業だけでなく中小企業も海外展開を進めるところが多く、進出国の担当者とのやり取りをするのに必須ではないでしょうか。

また、前に記事に書いた国をまたぐ相続が発生した場合にも、諸外国とのやり取りをスムーズに進めるためにも英語は欠かせません。

専門知識+ネットワークが必要な国際相続

 

世界から見た日本を知ることも大切

ちょっと税理士の仕事からずれますが、世界から見た日本を知ることも自分の視点を磨く上で大切ではないかと思っています。

昨日は租税教室のセミナーで各国の税制を紹介され「日本では普通だと思っていることが外国では普通ではないんだな・・」と思う点がいくつもありました。

税制だけでなく、あらゆる分野(IT、教養、文化、エンターテインメント等)で日本はどのようにみられているのかを日本のメディアだけでなく海外のメディアを見てチェックすることも面白いです。

たまたまですが(税金とは全然関係ないですが)、今日本で流行っている「君の名は」の映画についてBBCニュースでつい最近書かれていました。(2016/9/27付)

Why the story of body-swapping teenagers has gripped Japan – BBC News

なぜ10代の高校生たちの体が入れ替わった物語が日本で流行っているのか?という記事でした。

著者である新海さんのこの映画を作ることになったいきさつや、2011年の東日本大震災にも触れており、日本のメディアとちょっと違った視点で書かれていて興味深いです。

自分の興味を持った分野だけでも、海外のメディアが日本をどう伝えているのかをチェックすると色々見えてきて面白いと思います。

まとめ

税理士は英語を必要としない仕事なのかな?とふと疑問に思いこの記事を書いてみました。

結論は、

「現時点で税理士の仕事は大半が英語を必要としない仕事。ただ、今後英語力を含め様々な国の人たちと連携して業務を行うことができる税理士の需要は増加する可能性はあるのではないか。」

です。

更に、個人的には自分の視点を磨くためにも世界から見た日本をチェックすることは大切だと思っています。

編集後記

いつも息子のお弁当を夜に作っているのですが、作りながらちょこちょこおかずを食べてしまいます・・

お陰で、お弁当の残りが私の「4食目」として機能しています・・。ジム行っても痩せないわけですね(^^;


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