私は税理士になる前、様々な規模での会社の間接業務(経理・総務)をしてきました。

特に従業員数十人の規模だと、その会社の間接業務全般をすべて行う必要があります。

間接業務というと、

直接売上を生み出さない

などとネガティブなイメージに捉えられがちですが、

組織を支える大事な仕事です。

そして小さな規模の会社であるほど、様々な経験ができ、力がつきます。

これから会計業界に入りたい、興味がある人はコンサルティングファーム、会計事務所等の専門性の高い組織も良いと思いますが、一度は小さな会社の総務経理も視野に入れることをお勧めします。

※大きな会社も憧れますが・・※

会社の事務周りをすべて経験できる

小さな会社は、大企業のように

○○部○○担当

といった担当はありません。

上司は、社長1人。そんな会社で働いた経験が何度かあります。

経験してみてわかったのは、端的にいうと

「何が起きるか分からない」

ということ。

業務範囲は広範囲にわたり、例えばとある小さな半導体外資系企業では次のことを行いました。

  • 通帳記帳、伝票入力
  • 給与計算、年末調整
  • エンジニアの経費精算チェック
  • 決算・税務申告準備
  • 計算書類作成、公告
  • 役所手続(法務局、税務署、市役所・・)
  • 銀行手続
  • テレカンファレンス
  • 関税調査対応
  • 月次英文会計報告書を本社へ提出
  • 買収・合併に関わる事務全般
  • 事務所引っ越し手続き、片付け
  • 半導体部品(見えないくらい小さなもの)の棚卸作業
  • ロジスティックシステム管理
  • 飲み会の設定・準備
  • 来客対応、お茶出し
  • 営業対応
  • 電話番

他にも色々あったかと思いますが、人的リソースがないためとにかくなんでもやる、

といったところでした。

この他の会社でも、社長と一緒に資金繰りに奔走するなんてことも経験しました。

このような経験は、大きな企業では難しいでしょう。

確かに広く浅くではなく1つの専門性に特化して、

というスタイルもありですが、一度はマルチな経験ができる職場を

経験しておいたほうが、その後の専門性の特化に役立つはずです。

専門性を磨くには、他の分野も知っておく必要があります。

効率化する力、段取り力がつく

リソースが足りない職場の場合、効率化する力、段取り力は必須です。

大企業であれば人がいなくなったら採用・・ということもできますが

小さな企業の場合人が辞めても、補充しないこともあります。

そんなときに、効率化する力、段取り力は飛躍的にアップします。

実際、私も小さな会社でたった一人の上司が突然休職してしまったときに、

Excel(会計データを加工する作業や、給与計算作業)、Access(ロジスティックシステムの改修作業)の力がつきました。

心臓の弱い人にはきついかもしれませんが、

20代、30代のうちにこういった過酷な?環境を経験しておくと

ちょっとしたことくらいでめげない自信がつきます。

会社への貢献が分かりやすい

小さな会社を経験してよかったなあ、と一番思うのが

「会社(お客様)への貢献が分かりやすい」

ということです。

総務経理のような間接業務は、会社内部の人が主な「お客様」となりますが、

小さな会社ほど従業員の方に感謝していただき、貢献を感じられました。

(人数も少ないので覚えてもらいやすい)

リソースが足りないため、無駄な作業をしている余裕はありませんし、

やるのは自分か、社長しかいない状況であれば効率化もしやすいです。

一方大きな企業はリソースが足りている(足りすぎ?)が故に

危機感がなく、無駄な作業を延々としている状況もあり虚しく感じることも多々ありました。

これは、「お客様に直接貢献したい」という独立時の私の想いとも一致しています。

自分の仕事が何に貢献しているかが分かるのは、小さな組織の方だと感じています。

 

まとめ

小さな会社の総務経理をお勧めする理由を書きました。

今考えれば、結構ダイナミックな毎日だったなあと・・

なかなか仕事内容が見えづらい職種かと思いますが、

組織を支える重要な仕事ですので、今そのような経験をしている人

は自信を持ってほしいなと思います。

 

編集後記

昨日は、新規問い合わせ対応、執筆など行いました。

 

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