[お勧め本]「「しゃべらない営業」の技術 」渡瀬 謙著ー税理士に求められる営業力とは?
9/212016
カテゴリー:本
税理士に求められる営業力とは何でしょうか?
私は「営業」と聞くと「話が上手で、社交力のある人」が適性があるのだと思い込んでいました。
なので小さいころから引っ込み思案で人の前で話すことが苦手な自分にとって開業する上で一番心配な点が「営業」でした。
しかし最近は「話しが上手で、社交力のある人」が営業力に長けているわけではない、と思い始めました。
結論としては、「話が下手で、社交力がない人」でも営業力はつけられると確信しました。
今日はその理由を書いてみたいと思います。
お客様は営業トークを聞きたくない
営業力を考える上で、自分が営業を受ける立場になって考えてみると分かりやすいと思います。
例えば、洋服を買いに行った場合。
私は人から勧められたものではなく、自分でじっくり選びたいタイプです。
なので店内に入った途端に話しかけまくられるのはとても苦手です・・。
物がいっぱい売れていた時代なら分かるにしても、人から勧められるがままに購入する人はそんなにいないのではないでしょうか。
それではどういった場合に人は購入を決めているのか。
それは店員さんが
「自分が知りたい事を、的確に答えてくれた」
ときではないでしょうか。
このとき、変に「営業トーク」が混じると急に購入する気は失せますよね。
営業に必要なのは「質問力」
大抵の場合自分が何か購入を決める場合、「自分がしゃべっている」場合が多かった気がします。
人は質問をされることによって、自分の意思が明確になる場合があります。
そういった人の上手く言葉にできない要望を聞き出す「質問力」こそが営業では大事なのではないかと思います。
前述の洋服やの店員さんで最近それが非常に上手な方がいらっしゃいました。
決して押し売りはせず、淡々と自分の要望を聞いて的確に応えてくれる。とても安心できる営業でした。
逆に一番良くないのはお客様の要望も聞かずに形式的な営業トークを一気に押し出す営業でしょうか。
例えば、勤務時代によくかかってきていた営業コール(開業後もたまにかかってきます)。
こちらの要望などお構いなしに形式的な営業トークが始まり遮るのも一苦労です。
こういった営業が通用したのは一昔前の「黙っていてもモノが売れた時代」ではないでしょうか。
基本的に人間は「人の話を黙って聞く」ことが苦手だと思います。興味のない話だったらなおさらです。
新人さんなどは会社で叩き込まれて気の毒だとは思いますが、こういった一方的な営業がいまだにまかり通っているのが不思議です。
自分のできることを淡々と伝えていく→信頼につながる→営業力につながる
開業する前、した後に周りからアドバイスされたことは、例えばこんなことです。
- 異業種交流会はとりあえず出られるものは全部出て、名刺交換した方が良い
- 会社の社長を顧客として取っていくのであれば、体裁(一等地での事務所、それなりの社用車)を整えた方が良い
- とりあえず紹介会社にいっぱい紹介してもらって顧問件数〇〇件を目指すべき
どれも、実は実行もしていないし実現もできていません・・。
もちろんこのような方法が合っている税理士さんもいるかとは思いますが、口下手な私が異業種交流会などにたくさん出て色々な人と話をして仕事をとって・・ということはできそうにありません。
しかし、こういった営業ができなくても私のような人間でもできる営業方法があります。
それは、
- 既存のお客様との信頼関係を日頃から大事にする
- 日々インプットを続ける
- 自分ができることをブログ・HPで淡々と伝えていく
の3点です。
間接的な方法なので、時間はかかりますがこれが自分にとって一番良い営業ツールではないかと思ってます。
営業とはつまるところ「信頼」の獲得です。
信頼を獲得するためには本来時間がかかるはずです。
場当たり的な営業トークではなく、既存のお客様を大事にし、日々インプットを続け、ブログ・HP等を通じて自分がお客様に提供できる価値を淡々と伝えていく。こういった地道な方法が長期的に見て有効ではないでしょうか。
口下手な人ほど営業に向いている!
実は今日の記事は下記の本を読んで確信したことを書いています。
この本の著者も口下手で、「自分は営業に向いていない」と感じていたそうです。
しかし「余計なことを言わない」「質問されたことにきちんと答える」ことは実は話下手な人の方が向いている場合があります。
話上手な人、社交的な人だと、ついつい余計なことをしゃべってしまう。
面白いのは、「沈黙を恐れない」という考え方でした。
確かに、商談で沈黙が流れると不安な気持ちになります。
しかし営業されている方としては話を聞いたり、質問に答えたりするだけで相当疲弊しているはずです。
そんなときに考える時間をそっと与える「沈黙時間」が有効なのだとか。
結構上級テクニックではあると思いますが、分かる部分があります。
まとめ
時代は変わり、営業に求められるものも変わりました。
私はそのキーワードは「信頼」だと思っています。
これから税理士として独立しようと考えている方は、口下手であることを気にする必要はありません。
むしろ自信をもって「自分の営業スタイル」を確立された方が成功すると私は思います。
(自分もまだ模索中です(^^;)
編集後記
ブログのアイキャッチ画像はできるだけ自分が撮った写真を、と思っているのにいつも忘れてしまいます・・。
写真を撮る習慣がないのがいけないのかもしれません。
レストランでも食べ終わった後に「あっ・・・」となります(^^;