H31年1月以降可能なID・パス方式のe-Taxは暫定措置。早めにマイナンバーカードを取得してe-Taxしてしまうのがお勧め。
- 2018.06.05
- 税金

平成30年6月現在、所得税の電子申告(e-Taxと呼ばれるシステム。インターネットを使って申告書を提出できる制度)を行うには、
- マイナンバーカード
- ICカードリーダライタ
の2つが必要です。
ICカードリーダライタは家電量販店で数千円で売っているので問題ないかと思いますが、ネックなのがマイナンバーカードの取得です。現状取得するまでに手間と時間がかかります。
そこで電子申告を促す観点から、平成31年1月以降、マイナンバーカードがなくても税務署でIDとパスワードを取得すればe-Taxの利用が可能となりました。
マイナンバーカードを取得するには1ヶ月以上かかる
横浜市の場合ですが、2018年6月現在マイナンバーカードの取得の流れは以下のとおりです。
郵送またはパソコン・スマホ、証明写真機からマイナンバーカードの交付申請を行う
↓
申請後、概ね1ヶ月(場合により2ヶ月程度)ほどで区役所からカードの交付場所が記載されたはがきが送られてくる
↓
はがきに必要事項を記載し、区役所へ受け取りに行く(事前に電話予約が必要な区もあり)
(横浜市HPより抜粋)
申請後1〜2ヶ月もかかり、区役所へ受け取りに行かなければならない、という点が普段勤めている方にとってはネックですね。
ID・パスワードを取得するにも税務署での手続きが必要
今回の措置である「ID・パスワードだけで電子申告」は、税務署に行く必要なし!・・かというとそうではありません。
ID・パスワードを取得する場合も結局税務署(管轄以外の税務署でも可能)への来署が必要となります。
厳格な本人確認(対面による身分証明書等の提示)を行なった上で、
パソコン入力等の手続きを行う必要があります。(無料で10分もかからないそうですが)
※2019年1月5日更新
2019年1月1日以降、ID・パスワード方式の申請は「確定申告書作成コーナー」からもできるようになりました。
ただし、申請には「マインバーカード」が必要となります。(鶏が先か卵が先か、という感じですが)
従って、確定申告書作成コーナーから申請する人は「マイナンバーカードを持っているけれど、敢えてID・パスワード方式で申告したい」という人に限られます。
マイナンバーカードを持っていない人でID・パスワード方式を選択したい人は結局税務署へ行くしか方法がないようです。
ID・パスワード方式は「確定申告書等作成コーナー」を使う場合の利用に限られる
更に、ID・パスワード方式で電子申告する場合には国税庁が運営している「確定申告書等作成コーナー」を使う場合の利用に限られます。
したがって、次の場合にはID・パスワード方式で電子申告は行えません。
- クラウド会計ソフトfreeeからe-Taxする場合
- クラウド会計ソフトfreee、マネーフォワードクラウドからe-Tax用のデータ(xtxファイル)をダウンロードし、e-Taxソフトに組み込んで電子申告する場合
ID・パスワード方式では「メッセージボックス」の閲覧ができない
ID・パスワード方式の場合、
「申告のお知らせ」など税務署からのメッセージを見ることができません。
閲覧にはマイナンバーカードが必要です。
通常は所得税の時期や予定納税の額等の情報なので、きちんと自分で管理できていれば
問題ありませんが、デメリットの1つです。
利用は暫定的
先ほどもちらっと書きましたがこのID・パスワード方式による電子申告は「やむを得ずマイナンバーカードを取得できない方」用で、暫定措置です。
導入後、概ね3年をめどに見直しが行われるとのことです。
平成31年1月以降の電子申告の方式をまとめると
平成31年1月以降の電子申告の方式をまとめると以下のとおりになります。
(※現状「マイナンバーカード方式」でもID、パスワードの取得が必要なのですが、H31年1月以降は必要なくなります。)
ID・パスワード方式はあくまで暫定措置(マイナンバーカード方式に完全移行するまで)
今まで見てきたとおり、ID・パスワード方式による電子申告はあくまで暫定措置であり、マイナンバーカード方式に完全に移行できるまでの方法となります。
正直「どんな人が利用するのだろう?結局税務署にも行かなければならないし・・」と思うのですが、
ICカードリーダライタの設定など情報機器の扱いが難しい方向けなのかなと思います。
特にそのような事情がない方の場合には、早めにマイナンバーカードとICカードリーダライタを取得して電子申告してしまうことをお勧めします。
まとめ
今年の確定申告時期からこの話は聞いておりましたが、?と思うところがありまとめてみました。
正直、ID・パスワード方式でも結局税務署に出向かなければいけないのでそれほど意味のある暫定措置とは思えないです。
ITを普通に使いこなしている方であれば、マイナンバーカード・ICカードリーダライタを取得してさっと電子申告してしまった方が良いでしょう。
編集後記
昨日は、HPを見て問い合わせをしてきてくれた方との打ち合わせ。
外資系企業の記帳代行のご相談でした。
外国製のクラウド会計ソフトの話など、興味深くお話をお聞きすることができました。
Today’s New
クラウド会計ソフトXero
メニュー
メディア
More from my site
-
前の記事
RPA(UiPath)を使ってExcelからMFクラウドの請求書を自動作成・送付。ちょっとした機能を自分でカスタマイズできる 2018.06.04
-
次の記事
「失敗も、悩みも楽しんでしまえばいい」がじわりと効いてくる 2018.06.06