税理士の36時間研修義務についてーお客様にとって重要なことは「研修時間」ではなく「何をしてくれるか」
7/72017
カテゴリー:税理士・税理士試験
税理士には年間36時間の研修を受けなければならない義務があります。
これまでは「努力義務」でしたが、平成28年度から正式に義務化されました。
平成30年度より、日本税理士連合会の税理士検索ページで税理士の研修受講時間が公開される予定です。
それもあってか、同業者間でこのことはよく話題にあがります。
この36時間研修義務、個人的に良いと思う点、疑問に思う点をまとめてみます。
税理士の質の一定の確保になる
税理士が受けなければならない年間36時間の研修は、税理士会主催の研修の他、大学や税務署などの団体が行う研修、自分が講師を行う研修も含まれます。
最近システムが変わってとても管理しやすくなりました。
先日受けた税理士の有志が開催してくれた研修も申請しました。
私の場合2017年度の達成率はまだ8.3%(-_-)・・
年度末までの残り日数と未達時間が表示されます。
所属する税理士会からは毎月研修のお知らせが来るので、私はなるべく出るようにしています。
去年のデータを確認したら達成していました。
36時間といっても月に直せば3時間。インターネットで研修できるものもあるのでそれほど大変ではないように思えるのですが、
義務化の背景にはそれでも達成しない人があまりに多かったことがあるのでしょう。
この研修義務化は今まで勉強を習慣的にしてこなかった税理士にとって(あまりいてほしくないのですが)強制力が働き、税理士の質の確保で一定の効果があると思います。
税理士間で話題になっても・・お客様から見たら?
なぜこういった税理士の質の確保が必要かというと、最終的にはそれはお客様へのサービス向上のためではないでしょうか。
しかし話題になっているのはもっぱら税理士間であるのが気になります。
税理士検索ページで受講時間が公開されるということですが、このサイトを見る納税者の方ってそもそもいるのでしょうか・・?
「実はこの人税理士じゃないんじゃ・・」
とニセ税理士を疑うときくらいじゃないのでしょうか(^^;
恐らく公開されたとしても、同業者間で
「〇〇さんはこんなに受けているのか、ふむふむ」
と内輪で評価し合って終わってしまう気がします。
お客様にとって大事なのは「どれだけ勉強してきたか」ではなく「何をしてくれるか」
かといって自分のHPに
「年間36時間の研修義務を果たしました!」
と書くのも・・違うと思います(-_-;)
税理士検索ページで一番研修時間が長い先生を選ぼう!という人もいないでしょう。
税理士が日頃から勉強するのはある意味当たり前のことであって、それがなければ専門家として成り立たなくなってしまいます。
参考くらいにはするかもしれませんが、
お客様にとって重要なことは、どれだけ勉強してきたかということではなく
「この人は自分に何をしてくれるか?」
のはずです。
逆に「私はこれだけ勉強してきました。だから価値があります。」
というのもおかしな話ですし。
「義務だから受ける」ではなく「利用する」くらいに
税法は毎年変わるし、税法以外の知識も税理士業務に必要となります。
それらをアップデートすることを考えたら、36時間は超えるのが普通だと思います(ペースが遅い私が書くのもなんですが)。
どうせだったら「義務だから」と受けるよりは自分に必要な知識を吸収していたらいつの間にか超えていた、くらいがちょうど良いと思います。
もし税理士会が開催する研修に面白いものがなければ、自分で面白いセミナーを考えてみるとか。仲間と開催してみるとかも面白いですね。
子供の宿題ではないので、「やらされている感」はなくしていきたいですね。
まとめ
税理士の36時間研修義務について思うところを書いてみました。
周りに「あー、36時間の研修受けなきゃ」
と言っている同業者が多かったので「受けなきゃ」ってのもおかしいなあと思っていました。
とはいえ、税理士の質の一定の基準にはなりますし、守らなければ税理士法違反になってしまいます。
今年度8.3%しか到達していない自分、身を引き締めます!
編集後記
今日は4カ月間放置していた髪を切りに午後美容院へ。
息子に(無駄と分かりながら)「短いのと長いのどっちが似合うかな~」
と聞いたら
「あまり短いのはよくない」
ときっぱり言われました。。理由は不明です。。