先日、税理士が行う「法人メイン税理士のための相続セミナー」に申し込みをしました。

現役税理士が相続業務をメインに行っていない現役税理士のために、民法の基礎から実際に相続の依頼を受けた場合の流れまで幅広く講義していただける内容となっています。

【セミナー開催情報】法人メインの税理士のための相続セミナー2017@東京 | Shimogamo Zeirishi Life

このセミナーは同業者の横のつながりから話が出て、実現したものでした。

今日は、この件をきっかけに既存のマーケットに捉われない新たな顧客とそのニーズを探ることの大切さについて書きます。

税理士はすべての税法に精通しているわけではない点に注目

税理士と言えばすべての税法に精通している、と思う方も多いでしょう。

しかし実際は税理士によって専門分野・得意分野はかなり異なります。

その原因の1つが税理士試験制度です。

税理士試験は選択科目制度を採っており、必須科目である会計科目以外の税法科目は自分で選択できることになっています。

税法のうち所得税か法人税はいずれか必須となっていますが相続税は必須ではありません。

また、相続税の基礎ともなる民法も税理士試験の内容には含まれていません。

従って相続の内容を全く勉強せずに税理士になることも可能なのです。

私の場合は正にそのタイプで個人・法人の税務をメインに独立しました。

それでも超高齢化社会を今後迎えるにあたり、相続の相談を受けたときに専門家としてある程度の対処ができることは必須です。

そのような潜在的なニーズを掘り起こしたセミナーであると言えます。

既存のマーケットにこだわっていたら出なかった発想

税理士の顧客と言えば、従来で言えば個人事業主、中小企業の社長がメインです。

同業者といえば、上記の顧客を取り合うライバル

ただでさえ個人事業主・中小企業の数が減り、逆に税理士は増え続けていることを考えればそのような発想になるのが一般的ではないかと思います。

既存の税理士としてのマーケットのみにこだわっていたら「同業者にセミナーをする」という発想は出てこなかったでしょう。

時代が変われば顧客のターゲットも、ニーズも変わる

数十年前は税理士として独立するだけで顧客は増えていったという話を聞きます。

しかし今やAIの発達により数年後に消えるとまで言われている税理士。

ただそれは「既存のやり方を続けていれば」という条件付きであると言えます。

実際に、上記のセミナーのように今までにはない発想で新たな顧客を生み出している方はたくさんいます。

また、顧客のニーズも変わってきています。

会計専門家の特権であった会計・税務知識がネットや書籍などにより一般に広く行き渡ったことにより、「代行」ではなく「教えること」の価値が上がってきていると感じます。

時代の変遷と共に我々専門家も顧客のターゲット・ニーズを探らなければいけません。

そんなきっかけとなった今回のセミナー。

実際に開催をしていただく3人の税理士の皆様に感謝です。

編集後記

昨日は、知り合いに誘われて横浜・日本大通りにある会場で中国への進出支援を行っているコンサルタントの方の講演を聞いてきました。

何かと日本では悲観論的に語られる中国経済、日中両国の報道の視点の違いに驚きがありました。

情報は信頼できるソースから自分でとっていく大切さを学びました。

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