タイトルからして「男飯!」といった印象の本ですが、中身は人気ジャーナリストである佐々木俊尚さんが提案する家庭料理の本です。

佐々木俊尚さんといえば、「仕事をするのにオフィスはいらない」で「ノマド」という言葉を浸透させた方として有名ですね。

ネットメディア関連の本を数多く書かれていて、どれも面白く前から佐々木さんの本はよく読んでいます。
その一方で佐々木さんは大変料理好きでFacebookやTwitterなどで自分の料理を披露されています。

それが、「見てみて!」という料理ではなく、「身近な食材」で、「誰もが作れる」、「一般的な家庭料理」であるにもかかわらず、とても素敵で美味しそうなのです。

新聞記者時代での不健康な食生活、バブル時代の豪華な食事を高級レストランで堪能する生活・・を経て著者が分かった結論は家の料理が一番の贅沢だということでした。

美味しい食事のポイントもなんともシンプルです。

  • 食材は旬のものにする
  • 同じ味が重ならないようにする
  • 見た目を大事にする
  • 道具は凝る必要なし。100円ショップの鍋でOK

珍しい食材を使わなくても、普段スーパーで売っている旬の食材に少し手間をかけるだけできちんと美味しくなると著者は言っています。

例えば、ホウレンソウのおひたし。

まず、ホウレンソウをみず洗いしましょう。「振り洗い」といって、ボウルに新しい水道水を入れたら、ホウレンソウを生け花みたいに活けておきます。最低十分くらいでしょうか。時間がたつと、ぐったりしていた葉っぱがぱりっと広がり、緑が瑞々しくなっていくのがわかります。「ああ、生きてるんだなあ」と、見ていて感動するほどです。

普段何も考えずにポンッとお湯でゆでていたホウレンソウがこういったちょっとした手間を加えることにより劇的に美味しくなる。

贅沢な食材を使った贅沢な料理よりも、普段の食材をひと手間かけて丁寧に料理する方が豊かな食生活だなあ、と私は感じます。

こんな調子で誰もが簡単にできる、ちょっとした家庭料理のコツが書かれています。

末尾にはお勧めレシピがたっぷりと。

料理研究家や人気タレントが提案する見た目も可愛らしいレシピはないので女性が好む内容ではないかもしれませんが、「本当に豊かな食事とは何か」「不確実な時代だからこそ、基本の食事だけでも確実に」という著者の考えがひしひしと伝わってきてレシピも参考になりますし、読み物として大変面白いです。

編集後記

昔から月曜日は頭痛率が高く、今日はいつもよりもひどい頭痛でした。

土日から月曜にかけてやはりモードが変わるのが原因なのでしょうか・・。

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