私は税理士開業する前、様々な企業の経理職として働いてきました。

その規模は従業員15名程度のところから650名程度のところまで様々でした。

(従業員1000人超の超大企業は残念ながら経験はありません)

これらの経験で学んだことは、

幅広くビジネススキルをつけるには大企業よりも中小企業が良い。

ということです。

特に独立志向がある人は小さな企業で経験を積んだ方が良いでしょう。

私の経験

私が主に経験した企業は以下の通りです。

  • 従業員15名程度の半導体製造装置の製造販売・アフタサービスを行っている米国の企業

約3年勤務。経理の部署はなく、管理部門をほぼ1人で担当。経理だけでなく給与計算などの総務業務、在庫管理、請求書発行、米国への報告など幅広く担当。

  • 従業員200名程度のISO検査、検証、試験、認証サービスを行っているスイスの企業

約2年勤務。経理部は4人(コントローラー含む)。4人の担当は分かれており、私は外国の関連会社の債権債務管理を担当。

  • 従業員650名程度の日本の上場調味料メーカー

約3年勤務。経理部は10人超(部長・派遣社員含む)。すべての担当はきっちりと分けられており、私は決算・税務・開示部門を主に担当。

この中で私が一番経験を積めたと思うのが従業員15名程度の半導体製造装置の製造販売を行っている企業です。

中小企業はお金の流れをつかむのに最適

従業員15名程度の小さな会社の場合、会社のお金の流れをつかむことができます。

会社がどう回っているのかを理解できるのとできないのとでは経験値が大きく異なります。

例えば、お金の流れを把握していると

「この時期は資金繰りが厳しくなる」

と事前に分かるようになります。

大企業のように、経理担当と財務担当が分かれてしまっているとお金の流れを把握することができません。

資金繰りが厳しい会社で、売掛金の入金予定日を1日間違えてしまっただけで給料が払えず、社長から借入金をする事態となったことも・・

当時は真っ青でしたが、今となればそういった経験は貴重でした。

中小企業では幅広い業務のスキルも身につく

とあるIT企業に勤めたときの勤務開始日が記憶に残っています。

出社すると、ノートパソコン1台とIDとパスワード、プリンタなどの設定項目が書かれたメモ書きのみ。

「自分で全部設定して勝手に仕事始めてね」

ということだと理解し、黙々作業。

(いじめではないです)

大企業だったらこういうことはないですよね。

まず出社したら総務の人が挨拶に一緒に回ってくれて、システム部の人がパソコンの設定をしてくれて、上司が仕事の指示をしてくれます。

中小企業はそんなリソースはないため、自分で考え、行動することが求められます。

しかも自分で見渡すことのできる規模であるため、効率化も考えやすいです。

大企業に慣れてしまうと、「誰かがやってくれる」ことが当たり前になってしまうので、

自分で何とかするという意識がなくなってしまう気がします。

更には「自分の担当」にばかり目がいってしまうので部署を超えると途端に何をやっているのかが分からなくなり、全体像を把握するのが困難になります。

独立志向の人は特に中小企業がお勧め

今私は独立して仕事をしていますが、中小企業での経験が大いに役に立っています。

前述したIT企業での(切ない?)経験で最低限のITの知識は持っていますし、請求書や細々とした作業についても自分がやるのが当たり前という意識があるので抵抗はありません。

特に独立志向の人は幅広い業務のスキルを身につけるために、一度は中小企業での経験をお勧めします。

まとめ

自身の経験を基に、「幅広くビジネススキルをつけるには大企業よりも中小企業がお勧め」と思う理由を書きました。

もちろん、独立などする予定もなく、大企業が向いている人もいるでしょう。

そこでずっと勤めていくという考えがあるならばそれもありです。

ただ大企業といえど今はどうなるか分からない時代です。

自分の担当業務内にとどまらず、幅広く業務を経験しておくことは後々自分の財産になっていくはずです。

編集後記

昨日は来週行う新設法人向けセミナーの資料準備。

パワポもだいぶ慣れてきました。

午後は雨がやんだかと思い外へでたらどしゃぶり状態に・・。

小さな傘しかなかったので、ヨレヨレになってしまいました(-_-;)

 

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