最近、税理士事務所の業務効率化がテーマのセミナーへ行ってきました。

色んな意味で得るものが多かったセミナーでした。

メインはロボットを使っていかに作業をなくしていくか、ということだったのですが、

それ以上に会計事務所の実態というか、それ以前の問題が見えた気がしました。

いくら最新のシステムが導入されても、業務効率化の意味が間違った方向に行ってしまえば生産性向上には

つながらないだろう、と思った理由を書いてみます。

伝票数万枚を月初数日間でマンパワーで入力

「最新のロボットを導入して効率化した」という会計事務所の方のスピーチだったので、

きっとITを駆使して以前からも効率化している事務所なんだろうと思い聞いていました。

しかし。。どうも聞いているとなんとなく違うかなという違和感が芽生え。

事情がよくわからないのでなんとも言えないのですが、その事務所は

月初に得意先から数万もの伝票をもらい、マンパワーで

システムに打ち込む作業があり、それをロボットで効率化したということでした。

確かにこれはロボットを導入すればかなり効率化されるでしょう。

実際、数百万円もするロボットを導入したら人間が数分かかる作業を、数秒で終わらせることができたと言っていました。

ただ・・そもそもなぜ「数万枚の伝票入力」業務が発生していたのかが私にはいまいち理解できませんでした。

システムが違うから、仕様が違うから、、色々と理由があるのでしょうけれども、

クラウドで共有できないか、Excelマクロでできないか、高価なロボットを導入する前に

できることはなかったのだろうか。と考えた次第です。

業務自体をなくす方向を考える

セミナーを聞いている時に思い出していたのが大企業での経験です。

そこでは、毎日経費清算に多大な時間と人件費が使われていました。

それこそ、交通費もつぶさにヤフーの路線情報を使ってチェックしていました。

あるとき、業務効率化が議題に上がったので

以前から「これは要らない業務なのでは・・」と思っていた業務をやめたらどうだろう、と提案しました。

反対にも合いましたが、結局数ヶ月間やめてみても全く影響がなかったのでその業務自体なくなりました。

経理部員の複数人が毎日半日くらいかけていた業務が全く不要だったということです。

意外とこういうことって他の会社でも、もちろん会計事務所でもあるんじゃないかと思っています。

業務効率化というと「いかに業務を早く行うか?」→「そうだ、システムだ、ロボットだ!」と

なりがちですが、実はそれは枝しかみていない発想です。

全体から見たら、その業務はもしかしたら要らない、なくせるかもしれないのです。

ホワイトカラーの多くの仕事はロボットで代替可能

ただセミナーを聞いていて、ロボットを使いこなせる会社(会計事務所含め)はどんどん先へ行くな、

という感触はもちました。

ホワイトカラーの多くの部分は、ロボットの得意とする作業ではないでしょうか。

Excelでもらったデータを集計する、会計ソフトからデータを持ってきてプレゼン資料にまとめる、決まったテンプレートに報告書を作成する・・

私は一般企業での経理、会計事務所を通じてたくさんの種類の仕事をしてきましたが、

仕事をしている時間のほとんどがロボットにできることだったと気づき愕然としました。

こういった作業にロボットをうまく活用できれば、アイデアを出す仕事、分析する仕事など人間ができる付加価値の高い仕事に人員を回すことができます。

業務効率化はトップ次第

ひとりで仕事をしていると忘れがちですが、業務効率化は本当にトップ次第だな、と思います。

外部のコンサル会社と連携して進めていくのはもちろんですが、

トップは自らが率先して業務のボトルネックを探り、システムにも精通していかなければ

いけないと思っています。

中途半端に進めれば高いお金をコンサル会社に払って、高価なシステムやロボットを導入しても何もかわらず、

逆に業務量が増えて社員が更に疲弊する可能性もあります。

(ロボットを作った担当者がいない→業務が進まない、など)

その点スモールビジネスは自分が思い立てばすぐに業務効率化を進められるのがメリットです。

まとめ

IT・ロボットは確かに劇的に業務を効率化させることは間違いないですが、

まずは「要らない仕事をやめる」ことが先決だと思っています。

大きな組織ほど、思考停止に陥っている場合が多いので注意が必要です。

編集後記

昨日は、午前中書籍の打ち合わせ。

やはり難しい言葉を使ってしまっているようで・・易しい言葉で説明するのが難しいです。

午後は、セミナーへ。色々仕入れられました。

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