業務にExcelを使わない日はないというほど、Excelは自分の仕事に必須なツールです。

しかし、会計・税務に携わる人の中には

「会計・税務ソフトがあればExcelは要らないのでは」

「Excelを利用する意味が分からない」

という人もいるようです。

私としては、会計・税務ソフトだけで仕事を回すほうが難しいのですが・・

Excelがなぜ必須なのかという理由と、

「会計・税務ソフトが使えれば良い」という発想について思うところ

を書いてみます。

 

Excelがなぜ必須なのか

お客様独自の要望に答えられる

お客様からは、多種多様な要望を毎日のようにもらいます。

税法を検討するだけであれば、マインドマップなどのソフトを利用して

論理的に整理し、パワポなどでまとめる場合が多いです。

参考記事:

無料でマインドマッピングを始めるなら。Xmind8がお勧め

しかし、寄せられる相談の多くは「数値」に関するものです。

例えば、

「法人化した場合、どれだけ税金等の負担が変わるのか。最適な給与はどれくらいか。」

といった質問の場合、精緻な計算が必要になります。

所得税・法人税だけでなく、住民税、社会保険等も考慮しなければなりません。

(下記は一例。法人化し、所得分散したあとの負担を説明するために作成)

その他にも、

  • その会社独自の就業規則に基づく給与計算
  • トレードを多数している方の仮想通貨取引の税金計算
  • 会計ソフトに取り込むためのデータの加工

など、お客様独自の要望に答えるためにExcelは欠かせません。

未来のシミュレーションに利用できる

Excelの良いところは、会計・税務ソフトが基本的に「過去」「今」にフォーカスしている

のに対して、

未来のシミュレーションに利用できるという点です。

利益予測、納税予測にもExcelを活用しています。

参考記事:

納税金額は、会計ソフトの数値を基にExcelでシミュレーションするのがお勧め

仕組みを理解するためのExcel利用も行っていますし、自分で計算したい人のためにお勧めしています。

参考記事:

税務申告ソフトは完成・提出用に。数値の検算はExcelでざっくり行う

利益に対してどの程度の税金がかかるかはお客様自身も知っていることが多いです。

重要なのは「我々の場合はどうなる?」といった独自シミュレーションと、

複雑なシステムの「見える化」ではないでしょうか。

基本的に「終わってしまった」ことを完璧に処理することを得意とする

会計・税務ソフトはこのようなことはできません。

このような理由から私は税理士として仕事をするのにExcelは必須だと考えています。

(これに加えて、図解力を磨くために私はPowerPointも利用します)

 

「会計・税務ソフトが使えれば良い」という発想は代行を中心とした考え

「会計・税務ソフトが使えれば良い」

という発想は、「代行」を業務のメインとしている場合の発想だと考えます。

確かに、資料をどっさり預かって、仕訳を一つずつ打って・・

といった仕事がメインなのであれば、「Excelはなぜ必要なの?」という発想になるでしょう。

ただ周知のとおりそのような単純作業の多くはAI・RPAに代替されようとしています。

これから会計・税務の仕事をしていく人であれば、

会計・税務ソフトのスキルももちろん必要ですが、より磨いていくべきなのは

未来志向であり、お客様独自の要望に答えられる汎用性の高いExcelであると考えます。

 

まとめ

お客様にとって何が自分に求められているのか、

深く考えていくと会計・税務ソフトだけではすぐに限界がでてきてしまいます。

これから会計税務の職につく人は会計・税務ソフトももちろんスキルを磨いていく必要は

ありますが、

より汎用性の高いExcelスキルを中心に磨くことをお勧めします。

 

編集後記

昨日は、新規のお客様の契約書の作成など。

送ってから一瞬、

「今日から令和!?」

と焦ってしまいました(^_^;)

 

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