AIブームが加熱

ここ最近のAIブームに遅れまいと

いう風潮があります。

 

私自身も、自分で研究をしており、

このテーマのセミナーを受けることも

多くなってきました。

 

ただ、AIを知ることはとても大事なのですが

私はそれと同じくらい

「人間を知ること」

も必要と考えています。

人間を知れば、AIとの比較もしやすくなるからです。

※日本人はアニメ文化があるため欧米人よりもAIに対する抵抗が低いようです

 

「言葉」の謎

ChatGPTなどの生成AIがブームになっています。

インターネット上に溢れる大量のデータ(ビッグデータ)と、

第三次AIブームの要となった「ディープラーニング(深層学習)」

とその後の開発によって実現できた言語モデルです。

 

ChatGPTを使ってみると、

確かに人間と話しているような錯覚を覚える

のですが、実際やっているのは推論(続く言葉の予測、与えられた文書に矛盾がないかなど)

なんですよね。

 

一方、人間の言葉習得って

当たり前のように皆できているけど

すごく不思議なことのように思います。

 

最近、言語発達、認知発達を研究されている

今井むつみさんの本を読んでいるのですが

幼児の言語習得過程や日本語に多いオノマトペ、身体性との

関連など研究されていて、いまのAIブームと合わせて知ると興味深いです。

Amazon.co.jp: 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書) eBook : 今井むつみ, 秋田喜美: 本

 

例えば「りんご」は赤い、かじったら硬い、甘酸っぱい

などの特徴がありますが

AIができるのはそういった「記号」を組み合わせるだけです。

当然身体はないので「体験」はできません。「記号」がぐるぐる回っているだけです。

記号を大量にインプットして賢く吐き出したところで「言語を自由に操れる」と言えるのか。

 

一方、人間は身体感覚があるので

それらを体を持って言葉と結びつけることができます。

なおかつ、抽象的な言葉も理解でき、効率よく学ぶカテゴライズもできる。

 

こういった「人間の特性」を深く考えていくと

AIとの違いが浮き彫りになって、

人間がしていくべきことが見えてきます。

 

AI、人間同時に学ぼう

「ものすごく賢いんだけど、体験したこともないことを

それっぽく話す超優秀な奴」

といったイメージの生成AIですが、

私はあくまで人間の「ツール」として考えています。

人間を超えるだとか、

人間の仕事を奪うとか、

いずれも私は「ちがうようなあ」という印象です。

 

人間を知れば知るほど、

謎も増えてきます。

謎だらけの人間のやってきたことが全部AIに置き換えられる

ことって考えにくいんじゃないですかね。

 

こういう時代だからこそ、

人間がどのように生きていくかを考える哲学や

人間や文化がどのように発展してきたのかといった人文科学、

そして今日取り上げた言語学など

を学ぶ必要があると考えています。

AI時代にこそ、哲学(スピノザ「エチカ」)を身につけたい

 

まとめ

AIを知るとともに、人間も知ることが大事と

いうことを書きました。

 

まだまだ人間って謎が多いですよね。他の動物よりできることが多くあり、でもどうしようもなく愚かな部分もある。

世の中で流行になっているところから

少し身を引いて全体を見回してみると、

当たり前のことを当たり前にやる、

というごくごく普通の

やるべきことが見えてきます。

 

編集後記

昨日は、新規顧問の打ち合わせ。

事前にわたしの発信を見ていただいた

おかげで、話がスムーズに進みました。

 

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