税理士として独立するのに税理士事務所勤務は必須か?
9/22016
カテゴリー:税理士・税理士試験
税理士として独立するのに税理士事務所勤務は必須でしょうか。
一般的には必須であると言われています。
何故なら税理士業務は一般企業の事務に比べると特殊な業務がたくさんあるからです。
一人前になるのに5年、10年かかるということを昔聞いたことがあります。
一方私自身はというと、大学卒業後の約1年半と、独立する前の約1年半しか税理士事務所の経験はありません。
しかも大学卒業後に勤めた税理士事務所では補助業務だけでしたので、あまり数には入れられません。
その他はすべて一般企業の経理をしていました。
そんな私ですが今のところ特に問題なく独立開業して税理士業務を行っています。
今日は税理士として独立するのに税理士事務所勤務が本当に必須か考えてみたいと思います。
実は税理士事務所アレルギーだった
大学卒業後に勤めた税理士事務所は所長先生も穏やかな方で、研修にも行かせていただき大変居心地の良い事務所でした。
しかし入所後1年程度で結婚・出産のために退職。(今となればとても申し訳なかったです)
そして出産後働くことを決めたときに、出産前に税理士事務所勤務を経験していたのでまた税理士事務所での就職を希望し、何社か面接に行きました。
そこで、大学卒業後に勤めた税理士事務所は本当に良いところだったんだな、と気づきました。
理由は、どこへ行っても「?」と思う面接が多かったこと。
まず従業員20名程度の60代くらいの所長先生がいる事務所へ面接しに行った時の事。
面接で聞かれたことは、
「家族構成は?」
「父親の職業は?」
「旦那の職業は?」
「家族に税理士はいる?」
・・こんな感じで延々と質問が続きました。
面接に来ている私ではなく、私の周りの人の状況を知りたいようでした。
結局、こんな調子でほとんど自分の事を聞かれず終了。(今考えればなんだか意味不明ですね)
不思議なことに合格したのですが行く気もなく辞退しました。
次に、従業員10人程度の女性だけの税理士事務所へ面接しに行きました。
そこでは簡単な試験があり、最後に質問が書いてありました。
「あなたは、ゼネラリストになりたいですか、スペシャリストになりたいですか」
という質問でした。
質問の意図がよく分からなかったので、とりあえず私は税理士というスペシャリストを目指していたためスペシャリストと書きました。
そこで女性の所長税理士さんと試験後に面接したところ、
「税理士はゼネラリストじゃなきゃいけないんですよね~色んな法律に接するので。スペシャリストでは困るんですよね~」
となぜか嫌味っぽく言われ。(私の思い込みかもしれません)
まあ、質問自体に意味はなく、その後の面接の応対を見たかったのかもしれません。
そこも何故か合格したのですが何となく行く気になれず辞退。
その後も何社か税理士事務所を受けたのですが「?」と感じることが多く結局一般企業の経理に就職しました。
全ての事務所がこうとは思いませんが、一般企業に比べると「?」の確率が非常に高くその後税理士事務所アレルギーは続きました。
税理士業務に関われる一般企業もある
少し話がそれてしまいましたが、私は結果として一般企業の経理をその後10年くらい続けることになりました。
税理士登録も、前職の税理士法人ではなく一般企業での経験を基に申請しました。
一般企業でも、特に中小企業であれば税務に関わることができる可能性は高いです。
中小企業では、総務と経理が分かれていないところが多いので給与計算・仕訳・決算・税務申告書作成(税理士に提出する前まで)を経験できるところが多いです。
一般企業→税理士法人に転職した際に、確かに企業内での仕事と外部の税理士法人での仕事の差は感じましたが、両者を経験することにより、知識が深くなったと感じています。
むしろ一般企業の方が経営陣や営業・販売、経営企画など他の部署の仕事も見ることができるので視野は広がるのではないでしょうか。
独立してからしかできない業務もある
あと言えるのが、税理士事務所に「勤務」しているだけでは経験できない、独立後の業務があるという点です。
主に「営業」や「価格設定」でしょうか。
特に私の前職は大手の税理士法人だったので、顧客に訪問するにもまず一人で行くことはなく、必ず上司と一緒でした。
ただ与えられた顧客の仕事をこなし、価格にも無頓着でした。(本当はそれではいけなかったのかも)
なので独立後、勤務時代の経験は実務的なこと以外はあまり生かせませんでした。
勤務時代の経験と、独立後の経験は比較にならないほど差は大きいのだと思います。
まとめ
以上、税理士として独立するのに税理士事務所勤務は必須かどうか考えてみました。
前半は税理士事務所アレルギーの話で少しそれてしまいましたが。
私は独立するのに税理士事務所での「勤務」はあるに越したことはないけれど、絶対必須という訳ではないと考えています。
理由は第一に、一般企業でも会計・税務を経験できるところはあるからです。
むしろ一般企業での経験のほうが視野が広がるのではないかと思います。
(ただ税理士登録を一般企業での経験を基にしようとすると、税理士事務所で申請する以外にも余分な資料(組織図など)が必要になるので注意が必要です。)
第二に、独立後に初めて学べることが非常に多いからです。営業や価格設定は独立後にぶち当たる壁です。
良い税理士事務所で勤務できればそれに越したことはないですが、私のように税理士事務所アレルギーになってしまった人は、一般企業も候補に挙げていただくのも良いと思います。
編集後記
首のコリには温めた蒸しタオルが良いとのことで当ててみたところ、効果が出ています。
ただ、アンメルツヨコヨコを塗った後に蒸しタオルを当てるとヒリヒリして痛いです^^;;
どっちかにしたほうがいいですね。