AI時代には、「どういったことが自動化できるか」を考える力が問われる ロボットを作って感じたこと
3/262018
カテゴリー:AI
ここ最近、AIやRPA(Robotic Process Automation、主にホワイトカラーの業務を自動化するテクノロジー)に関する本を読んだりセミナーに参加しています。
私自身、独立前は主に企業にてホワイトカラーの仕事をしていましたし、今行っている税理士業とも切っても切れない話題だと思っているからです。
AIに関してはまだ未知数ですが、RPAに関しては今すぐにでも業務改善に使えると思っています。
「一定のルールに従って繰り返し行う定型業務」はRPAの得意とするところです。
実際にRPAのソフトを使ってみましたが、プログラミングスキルは多少必要です。
ただ、実際に使う人達すべてがプログラミングを理解しなければいけないわけではなく、
「これは自動化できるのではないか」と思考できることが大事だと思っています。
手作業以上システム未満の仕事で現場は溢れている
下記の記事が1年以上読まれ続けています。
WebのデータをExcelに自動で取り込む「Webクエリ」機能を解説した記事です。
Webからデータを収集してきて業務に活用している会社は多いのではないでしょうか。
こういった定型業務(Webで情報を検索する→別ソフトで入力・集計)こそ人は行わず、
IT・RPAに任せるべきだと思っています。
先日読んだ「RPAの威力」という本にも、以下の作業が実例として書かれていました。
(大きな会社の例ばかりだったので中小企業にはピンとこないかもしれませんが)
- 勤怠チェックロボット
- 有価証券の時価登録業務を行うロボット
- 商品情報収集ロボット
- 売掛金消込ロボット
人間の行う作業が紙からIT(主に基幹ソフト、Excelなどのオフィス系)にかわっても、
相変わらず残るのが「高価なシステムを導入するまでもないけれど、人間がやるには大変な作業」です。
アジャイル型のRPAは手作業以上システム未満の仕事に導入するのに最適
システム用語で、ソフトウェアの開発においてより素早い開発を重視する方法を「アジャイル型開発」と呼ぶそうです。
「RPAの威力」の本に載っていたRPAを導入した会社は、ヒアリングから導入完了までの期間が4週間以内の案件が多かったそうです。
数ヶ月単位で導入する基幹システムとは大きな違いです。
システムは一旦完成し、運用してしまうと後から手直しするのが大変です。
一方、RPAはひとまず作ってみて、運用し、上手くいかない場合には修正して・・
と「走りながら作る」ことが可能です。
ガチガチに固める必要のない、後から仕様が変更しやすい手作業以上システム未満の仕事には最適です。
「何を自動化できるか」を考える
現場で毎日疲弊している人から見れば、
「Excelで十分効率化してるし、これ以上効率化するのなんて無理・・」
「他社ソフトはExcelとは切り離されてるのだから、手入力は必須」
という方も多いでしょう。
ただ、実際にこういった同業者の投稿を見ていると効率化できる仕事はいくらでもあるように思えてきます。↓
税務申告代行業は、AI・ロボットによりなくなるかどうか試してみた。WinAutomationによる法人税申告書作成自動化。 | EX-IT
RPAでe-Tax電子申告番号を取得してみた【WinAutoMation】 – 100メガ
上記の2つで使われているWinAutomationというソフトは、ソフト間の連携を簡単にすることが可能です。
1ヶ月間はトライアル(無料)で利用することが可能です。
私もWinAutomationを使って特定の国の租税条約検索・保存ロボットを作ってみました。
実際、勤務していたときに「最新の租税条約を外務省のHPで確認し、保存する」作業が多くあったので思いつきました。
手作業に直すと、
インターネットエクスプローラーを立ち上げる→外務省のHPに行く→租税条約の検索ページに行く→検索キーワードに国名を入力する→分類で「租税」にチェックを入れる→地域・国名で「二国間で締結」を選択する→検索ボタンを押す→租税条約のリンクをクリックする→表示されたPDFを指定のフォルダに保存する→ファイル名を国名に変更する
です。動作にしてみるとあっという間で大したことない(最初の国名入力は自分で行っています)
のですが、プログラムにしてみると結構長くなります。
こういった「ちょっとした作業」にRPAは最適です。
「こんなこと、自動化してどうなるの?手でやってもそれほど変わらない」
と思う人も多いかもしれませんが先程も書いたようにRPAは後から修正が簡単にできます。
「こういった使い方できるかも!」に広がる可能性があるので、
とりあえず作ってみてアイデア出しすることは良いことだと
思っています。
それに、ページ開いて、検索して、保存して・・という作業、やりたくないですよね(私はやりたくないです)。時間が変わらないとしても、ロボットにやってもらえればその分エネルギーは温存できます。
ちなみに上記のようなものであれば半日くらいで作成可能です。(プログラミングスキルが初心者の自分の場合)
現場の作業を細分化し、
「これは自動化できる」という思考を持つことが、大事になってくるでしょう。
まとめ
人間が苦痛に感じる力づくの定型業務を疲れ知らずのロボットは淡々とこなしてくれます。
難しいプログラミングを1から学ぶ必要はないと思いますが、
「何をロボットに任せるか」
といった思考は必要だと思います。
業務の上流から下流までどのような作業が発生し、どこがボトルネックになっているか
を理解することからがホワイトカラーの業務改善のスタートになるのではないでしょうか。
個人的には、RPAの活用は様々な調整が必要となる大企業よりは、中小企業の方が導入しやすい
と思っています。
編集後記
週末は、ロボットいじり&今日からの小旅行の準備を。
Today’s New
WinAutomationで租税条約検索ロボットを作ってみた