まだまだお盆休みという方も多いのではないでしょうか。

私はというと、なんやかんやで仕事してしまっていますが、普段読まないような本を読んだりと休みモードに無理やり切り替えております(難しいですが)。

というわけで、普段美術館へ行くことが好きなので「美術館で愛を語る」という本を読んでみました。(ちょっと買うとき恥ずかしかった)

著者はアメリカやイギリス、イタリアなどで美術の研究をされて日本の大学でも講師をされている方です。

内容は美術館で愛を語ろうという趣旨ではなく主に「日本の美術館はもっと自由な発想をもっていいのでは?」ということでした。

少し欧米的な思想が多いかなと感じましたが共感できる部分がたくさんありました。

子供には「美しい絵」を見せなければならないという呪縛

よく美術館で中学生や大学生の団体を見かけます。

お行儀よく、整列して私語は慎み、真面目にノートに感想を記している様子が印象的です。

この本の著者は過去に、美術を教えている先生から

「美しいものを見て感動することが芸術鑑賞の価値なんじゃないか」

「現代美術は理解できないものが多く、こんなものをありがたがって子供に見せなくてはならないのか」

「きれいなものをたくさん見ることによって心を豊かにすることが大事なのでは」

という意見を聞いたそうです。

私は小さいころ美術の授業で美術館へ行く、ということをあまり経験していないのでこういう先生がいるんだなーと驚いてしまいました。

(こういう先生は例えばドラクロワのグロテスク(私見)な絵や、ピカソの幼稚園児が書いたかのような(私見)絵をどのように説明するのでしょうか・・)

美術館は異なった価値観を学ぶことができる

人の価値観は様々で、もちろん絵画への感想もそれぞれ異なっていて当たり前です。

例えば、睡蓮をたくさん書くことで有名なモネは、その美しいタッチから日本人の間でもとても人気があり展覧会があるといつも大勢の人でにぎわっています。

しかし私は確かに「美しい」絵だなとは感じますが何か特別な感情はないためそれほどモネのファンではありません。

自分の価値観を大切にしている人は、万人受けする絵画をみんなと一緒に好きになる必要はないと知っていると思います。

ドラクロワのグロテスクな絵が迫力があって好き、ピカソの幼稚園児並みの絵が私にも書けそうだから好き、といった人がいたっていいと思うのです。

私はよく美術館で同行者と絵の前で話をします。

「この色の部分はすごく力入ってるね」「これはちょっと手抜きじゃない。あ、試作なんだね」「これなんでこういう構成になっているかよく理解できないね」などなど、素人的発言ばかり・・^^;;

真面目にガイダンスを聞いたり、作品案内を読んでいる人たちにはちょっと迷惑かもしれませんが。

(私にとっては「この時期から印象派が活躍して・・」などという情報はあまり興味がなく・・)

そのような情報は別に鑑賞しているときでなくても、事前あるいは事後に見ればいいのかなと思っています。

美術館を身近な存在に

日本には数多くの美術館があるのにもかかわらず、認知されているものは多くありません。

行ってみれば分かりますが、来館者の多くが常連さんであり、年齢層も非常に高いです。

その中に中学生、高校生などの学生さんがちらほら混じっているような状態です。

平日に行くことが多いのでどうしても20代、30代、40代の働き盛りは少なくなってしまうのは分かりますが土日もやはりこの年代は少ないように感じます。

この本の著者が書かれていましたが、日本の美術館では私語ばかりしていると怒られるのだとか(私は幸い今までないのですが・・)。

変にインテリぶった方がいるのでしょうか。

美術鑑賞に決まったルールはないはずなので、もっと自由に見ていいと私は思います。

学割などもありますが学生さんは思い切って無料にしてしまった方がより身近になるのではないでしょうか。

放課後カラオケに行く代わりに美術館でデート!なんて素敵ですよね。

もうちょっと開館時間も伸ばせばサラリーマンカップルなども気軽に利用できると思います。

編集後記

本日中目黒に用事があったため例によって付近に美術館がないか探してみたところ自由が丘から徒歩で行ける「宮本三郎記念美術館」というところを見つけたので行ってきました。

調べたところ世田谷区奥沢を中心に活躍された洋画家とのことでした。

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しかし、、休館日、、、毎週月曜日は休館という、、HP見てから行ったのですが見逃してしまいました。。ああやってしまった。

まあこんな日もあるさということで自由ヶ丘お洒落な街並みを堪能してきました。また行きます・・!多分。

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