井ノ上陽一さんの「ひとり税理士のIT仕事術」という本を読みました。

以前読んだ下記の本はひとり税理士の心構えが主な内容でしたが、今回はIT活用術が主な内容となっています。

題名は「税理士」が入っていますが、税理士以外の方でもスモールビジネスを行う人に役立つ内容となっています。

この本の特殊性

IT×ひとり税理士の視点で書かれている本は他にありません。

この本を買ったのを夫が見て

「へー、こんな変わった本あるんだね」

と言っていました・・。

書店でこの本を探していて、なかなか見つからずやっと見つけた!と思ったら・・

前作でした。

「税務・労務ハンドブック」「税制改正の要点解説」など堅い本に囲まれているのが面白かったのですが(^_^;)

気を取り直して再度探索。見つからない・・と思っていたら違う本を立ち読みしている人の目の前に1冊発見!少し割り込んで写真を撮ったら少しうざがられましたが、見つけられてよかったです。

前作と場所がバラバラでした。なかなか分類が難しい本なのだと思います。

今日から始められるIT活用術が満載

この本の主な内容はひとり税理士に必須なITスキル、業務効率化がメインです。

そのための具体的な内容(PCの選び方、ネット活用術、IT時間管理術など)が書かれています。

具体的な内容は、「やってみよう!」と思えて今日から始められるものばかりです。

(私の場合は、Evernote、Dropboxの活用法がイマイチだったのですぐに改善しようと思いました)

会計ソフトなどは多少税理士向けですが、スモールビジネスを始めたばかりのフリーランス、一人社長にも役立つ情報が多いです。

ITに対する根本的な考え方を見直すきっかけにも

この本はIT活用術がメインですが、ITに対するそもそもの根本的な考え方を見直すきっかけになります。

第1章の冒頭に書かれていること。

「今日からIT音痴・IT苦手禁止」

が心に残りました。

ITは英語などと並んで苦手意識が強い人が多い気がします。

しかし・・この本の冒頭に書かれているように「音痴」だとか「苦手」だとか言っている場合ではない時代になっていく(というかもうその時代)と思っています。

インターネットを活用しなければ存在しないのと同じ

例えばIT活用術のうちのブログ・HP運営について。

著者の井ノ上さんも10年以上ブログを続けていて、情報発信の大切さを日々伝えています。

先日SEO対策のコンサルを受けた時の話ですが、

何か商品を買いたい、サービスを受けたいという場合には9割以上の人がインターネットで情報収集をするとのことでした。

つまりビジネスを行うにあたり自分のメディアをインターネットに持っていない人は、存在しない(最初から選択肢にも入らない)も同然の時代なのです。

しかも今の10代〜20代はインターネットで情報収集するといっても、その方法はGoogleやYahoo検索でなくSNS、ハッシュタグ機能を使った方法に移行しているとのことです。

これらの世代がこれから社会を担う存在、サービスの受け手になっていくことを考えたら、

「HPなんか持たなくても紹介だけで良い!」

「SNSはなんだかめんどくさそう」

「ハッシュタグって何?美味しいの?」

では通用しないでしょう。

会計専門職とITは相性が良いが、上手く活用されていない フリーランス・一人社長はすぐにでも実行できる強みがある

私は常々、税理士などの会計専門職とITは相性が良いと思っています。

特に表計算ソフトのExcelは、会計を使いこなすには必須のツールです。

しかし、会計とITをうまく組み合わせた活用はこれからではないかと思っています。

私は様々な会社で働いてきましたが、企業の経理部門、会計事務所の業務はITによる効率化が遅れているところが多いです。

二度手間、三度手間は当たり前。

専門職であるゆえか、効率性、生産性を無視した作業が当たり前。

この本に書かれていることは難しいマクロやプログラミングを利用したExcel活用法ではなく、ちょっとした知識があればできるもの(グラフやピボットテーブル、条件付き書式など)ばかりです。

それでもこれらの基本が活用されている会社や会計事務所は今までありませんでした(私が経験してないだけかもしれませんが)。

これら基本的なことをマスターするだけでも全く生産性が変わってくるはずです。

会計とITを融合して経営に生かす。「ちょっと試してみる」をすぐに実行できるフリーランス・一人社長の強みが存分に活かせる分野ではないでしょうか。

まとめ

この本を読んで、税理士に関わらずすべての人にとってテクノロジーとの共存は避けられないことをあらためて実感しました。

ITの視点なくして仕事は成り立たないですね。

税理士×ITの2つの視点から書かれたこの本はこれから税理士を目指す人にとっても貴重で、単に税理士の仕事図鑑的な本ではない点が興味をそそると思います。

編集後記

「ほんたった」というブックスタンドを買いました。

本を見ながらPCで作業することをスムーズにしたくて買いましたがなかなか良いです!
これを見て息子も買いたいと言い出し・・勉強にも確かに良いですね。

しかしAmazonで今見たら品切れに・・(T . T)

人気あるみたいですね。

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