税理士として開業後4年間、

一貫してクラウド会計マネーフォワードクラウド(以下MF)、freeeをお使いの方の支援を行ってきました。

クラウド会計は会計初心者向けであるとは言われていますが、

上手く使いこなすためにはある程度「基本的な会計知識」とソフトの「仕組み」(例えば発生主義の考え方が

どう実装されているか、など)を知る必要があります。

本日は、クラウド会計をお使いの方でよくある間違い事例を紹介したいと思います。

現在クラウド会計をお使いの方の参考になれば幸いです。

現金残高がマイナス

個人事業主の方に多い間違いです。

現金で支払った場合に、すべて「現金」で処理をされているのですが、

開始の残高が0であるためどんどんマイナスが積み上がってしまっている状況です。

「現金」という科目を利用する場合、事業用の現金残高を出納帳などで

把握していることが前提となるのですが、そのことを知らなかった、という方が多いです。

事業用の現金残高を把握していない場合には、

個人のプライベート資金で立て替えたとして「事業主貸」「事業主借」を使って処理をします。

参考記事:

フリーランスの方は、「現金」科目は使わずに「事業主貸・借」科目を使ったほうが楽

「対象外」「無視」による預金残高のズレ

預金を同期されている方に多いのが、

プライベート利用分をすべて「対象外」(MFの場合)、「無視」(freeeの場合)としており、預金残高がずれている状態です。

これは、恐らく「同期」をする目的の一つとして、「残高を合わせる」ことを

知らないことが原因かと思います。

同期をしたデータはすべて登録し、残高を合わせることが前提です。

プライベートの収支は「事業主貸」「事業主借」で処理しましょう。

対象外、無視は基本的には登録をすると二重登録になってしまう場合(口座振替など)にのみ使います。

なおfreeeには「タイムライン」という預金の同期残高と登録残高のズレを時系列で確認できる機能がありますのでずれてしまった場合にはお勧めです。

参考記事(HP):

freeeの便利機能『タイムライン』ー口座の登録残高と、実際の残高がズレたときに確認しよう!

クレジットカードの未払金積み上げ

クレジットカードを同期されている方に多いのが、

同期データを未払金として計上し、そのまま支払われることなく積み上がっている状況です。

この原因の多くは、「事業用口座からでなく、プライベート口座から引落」になっており、

いつまでも引き落としの仕訳がされないためです。

プライベートと事業が混在されているフリーランスの方に多いですね。

この場合、プライベート口座から引き落とされている事業用カードの金額を、

未払金 / 事業主借

という仕訳で手動入力しなければなりません。

ぱっと貸借対照表を見たときに未払金がものすごい金額になっていないか、確認してみましょう。

売上の二重計上

売上の二重計上も非常に多い間違いです。

会計の大原則である「発生主義」(発生したときに、費用、売上を認識する)

があまり浸透していないことが原因と考えられます。

MF、freeeには発生主義の機能がそれぞれあります。

MFの場合には「予定・実現」、freeeの場合には「決済・未決済」という言葉が使われています。

通常、

  1. 請求書にて売上計上(MFの場合予定、freeeの場合には未決済)
  2. 入金時に売掛金を消込(MFの場合「実現」、freeeの場合は「未決済取引の消込」)

という流れなのですが、

  1. 請求書にて売上計上
  2. 入金時にまた売上計上

ということで売上が二重計上になってしまっている方が多いです。

そのまま申告を進めてしまったらものすごい税金になってしまいます。

入金されたときには、売上に計上するのではなく

既に計上された売掛金を消し込む(MFの場合実現させる、freeeの場合には未決済取引の消込を行う)

ようにしましょう。

参考記事(HP):

MFクラウドユーザー向け 予定実現機能を使って売掛・買掛の入出金処理を効率化しましょう

freeeユーザー向け 未決済・決済完了をマスターして発生主義の理解・消込効率化を目指しましょう

締め作業の失念

年度が変わったのに、締め作業を行っていないケースもちらほらありました。

そのため、前期繰越の金額が申告済みの数値と合わなくなってしまっている状況でした。

特にクレジットカードなどの同期データは、

少し遅れてくるものもあるので締めを行うのが遅い場合、

既に終わった年度のデータが同期され、つい登録して数値が変わってしまうことが

起きます。

前期繰越の金額を修正するのは非常に大変な仕事ですので、

年度が終わったらすぐに締め作業を行うようにしましょう。

参考記事(HP):

クラウド会計ソフトをお使いの方へ 次年度繰越・帳簿制限はお済ですか?

摘要が空白

期中は何も登録をせず、年末(年度末)にまとめて登録されている方に多いのが、

ひとまず入力!ということで摘要(取引の備考のようなもの)が空白のケースです。

「摘要」の役割は、その取引内容を補足することです。

最低限、取引先名と取引内容の記載が必要になります(税務調査の際も仕訳帳の摘要欄はチェックされます)。

交際費の場合にはこれに加えて得意先名、人数が必要となります。

例えば○☓懐石で戸村商事の戸村取締役を接待した場合には

「○☓懐石 接待飲食代 戸村商事戸村取締役他3名」

などといった形で記載します。

(取引先名はMFの場合には補助科目、freeeの場合には別項目で取引先名を予め登録できます)

特に金額の大きな取引で摘要が空白の場合、税務調査の際に面倒なことに

なりかねないので摘要は丁寧に入力したほうが無難です。

まとめ

クラウド会計で多い間違いをまとめてみました。

使いこなすととても便利なクラウド会計ですが、

ある程度コツはつかむ必要があります。

今後もクラウド会計をお使いの方の支援をしていきます。

編集後記

昨日は4月申告の法人のお客様の作業を。

最近のあたらしいこと

『FULLPOWER』

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