セミナー・講演は「教えられる」のではなく「考えるきっかけ」に

セミナー・講演は「教えられる」のではなく「考えるきっかけ」に
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私は年間数回地方で講演をしていますが、大体いつもきょとんとされることが多いです。

聞いている方に意表をつかれたかのような顔をされます。

そのくらいでちょうどよい、と思っています。

他の人と同じこと言っても仕方ないので

不真面目な話ですが、講演をするにあたって、同業種の方の、同じテーマの講演や研修を見ることはありません。

あまり参考にならないのもあるし、何よりそれに引きづられてしまう可能性があるからです。


先日は京都でDXの講演でしたが、

「まずはペーパーレスから!」

「AI時代における税理士の役割とは!?」

という話が通常だと多いと思います。


でも私は全然そう思わないんですよね。

ペーパーレスしたからってDXにつながるとは限らないし、

AI時代における税理士の役割なんて大きすぎるテーマで私にはわからないし。

*もっと本質的なことを議論したい


私は私の視点で話しています。

「DX=単なるデジタル化じゃない、経営そのもの」

「領収書をAIでデータ化してさらに残業が増える」

「DXのネックは会計ソフトと税務ソフト」

「税務署に行ってはいけない」

とか、私が正直に考えることを。

そうすると、やはり皆さん何とも言えない顔つきになります。

ちょっと気になるけど仕方ないです。特にITやDX、AIの話なんて正解などないのだから、ちょっと意表をつくことを言って、考えてもらうからこそ意味があると思っています。

即興がその後の流れを作る

最近、講演はざっくりした時間配分しかしなくなりました。セミナーを始めた頃はリハーサルもして、カンペも準備していましたが、それもやめました。

というのも、用意した原稿があると、どうしても「正解ありき」になってしまって、考える余地を与えられないからです。


先日の京都の講演では、始まる前に東寺というお寺に行って大日如来の仏像を見てきました。

私は元々密教が好きなので、圧倒されました。

それで、大日如来の意味(私を超えた、宇宙のような大きな存在)を考えた時に

「これは、DXに似てるな」(仕事の全体像を捉えた上で、作業に落とし込む姿が)

と感じ、即その日の講演の冒頭に取り入れました。

「DXは大日如来に似てる!」と。



結果、かなり滑った気がしますが(冒頭からきょとんとされた。→当たり前)、

私としては満足です。

こういう、用意した原稿ではなく、その場(京都、東寺の近く)の、その空気(宇宙とつながった感覚)によってその日のテーマ(DX)に即興で取り入れるのは楽しいし、その後の流れも自然となり、自分も周りも考えるきっかけにつながると思っています。

教えられるから、考えるへ

思えば、私も勤務時代研修や講演に行って受ける立場でしたが、

やっぱり「教えられる」お勉強的なものはあまり印象に残りませんでした。

(調べればわかるようなことが多く)


だから、今も単なる知識のインプットだけの研修は行かないようにしています。自分で勉強した方が早いからです。


私が積極的に参加しているのは、「考える機会」になるワークショップ的なものです。

(残念ながらそういうものは私が属する税理士会の研修にはありません。そもそも「研修」という名前からして「教えられる」が前提なのだと思います)

読書コミュニティ「flier book labo」では、これまでチームビルディングやファシリテーション、ブランディングを学びました。

これらは「教えられる」だけではなく、自分で考えるきっかけとなったもの。今や、「正解」なんていくらでも手に入れられる世の中です。私は、人生全般に必要なスキルである「考える」ことを他者と一緒にできる機会が今一番大切だと思っています。実際、これらの講座は私をとても豊かにしてくれました。

現在は休止してしまっていますが、私が以前やっていたコミュニティも皆で「考える」ことを軸に据えました。

コミュニティという形でなくても、ワークショップ形式のイベントをメルマガ読者同士でできないか、今模索中です。

教える・教えられる場から、皆で考える場へ。

今後もそのスタンスで話す仕事を続けていきます。

編集後記

先週の火曜日は、長年お世話になった顧問先の経理担当者の方にご挨拶を。

プレゼント交換みたいになって嬉しかったです。ちょっと寂しいけど、またの再会を期待して。

水曜日から、講演のため京都へ。

星野リゾート系のホテルに初めて泊まったのですが、

24時間OPENの広いラウンジと完全無人、キャッシュレス決済可能の飲食コーナーがとてもよかったです。こう言う割り切ったサービス、大好きです。

近くの書店へ。最近読んで面白かった小説「Butter」の洋書版が!思わずチラ見。

翌日の講演の前は、世界遺産の東寺にある五重塔を見に。圧巻でした。

講演が終わった後は京都在住の方のおすすめで漬物が美味しいレストランへ。

味が染み込んで本当に美味しかったです。40も後半になると、体に優しい食べ物がいいですね。

もう一泊して、帰る前に地元のカフェ、東本願寺にも行きました。寒かったけど、仏像をたくさん見れて大満足です。

最近のあたらしいこと

OMO3 京都東寺 by 星野リゾート

イオンモール京都 大垣書店

コロラドコーヒーショップ東寺店

ホテルグランヴィア京都

漬け野菜isoism

THE Lower East Nine cafe -LE9-

本山興正寺

東本願寺