プロフィールにも書いていますが、私は外資系数社(中小企業含む)の経験と上場企業での経理経験があります。

一口に一般企業の経理業務といってもその範囲は企業によって、特に中小企業と上場企業とでは範囲がかなり異なります。

あくまで経験談ですが、中小企業と上場企業で行われてる経理業務の違いについて私の考えを書いてみたいと思います。

中小企業での経理業務

業務の大まかな流れは以下の通りです。

(月中)日常仕訳、経費精算チェック、銀行振込手続、給与計算、税理士・社労士打ち合わせ、その他雑務

(月末・月初)月次決算処理、財務諸表作成、親会社への実績、資金繰り、予算等の報告

(年度)各商事法務(株主総会議事録作成等)、年次決算、税務申告必要書類準備、棚卸等

上記で見た通り、中小企業での経理業務は通常の経理業務だけでなく業務範囲が広いのが特徴です。

大企業のように総務部が分かれていないところが多いので、給与計算や人事業務、クレーム対応なども日常の経理業務と同時にこなしていく必要があります。

(月中に臨時の仕事があって月末まで一つも仕訳が打てなかった時もありました・・)

ただし経理業務に限っては簿記2級程度と消費税の知識がある程度あればこなせる業務が多いと思います。

中小企業の経理はそれほど複雑な取引もありません。

また、基本的な簿記知識に加え会社の数値を知り上司や経営者からの質問に対して迅速に対応できる能力が必要となります。

従って中小企業の経理業務はスピードとマルチタスク能力が問われることが多いと思います。

上場企業の経理業務

次に上場企業の経理業務の大まかな流れをまとめます。

(月中)経費精算承認処理、仕訳チェック、プロジェクト業務、税理士対応等

(月初・月末)月次決算処理(単体・連結)、財務諸表作成(単体・連結)、財務諸表分析(単体・連結)、上層部へ月次報告

(四半期)四半期財務諸表作成(単体・連結)、決算短信作成、四半期有価証券報告書作成、数値分析、開示書類作成、監査法人対応

(年次)年次財務諸表作成(単体・連結)、決算短信作成、年次有価証券報告書作成、数値分析、開示書類作成、監査法人対応、税務申告書ひな形作成・税理士法人提出

このように上場企業の経理業務は経理に特化した(より専門化した)仕事が中心ととなります。

月中は各部署が提出してくる経費を承認し、起票した仕訳をチェックするくらいで比較的時間に余裕があることが多いです。

ただし、上層部からのお達しで様々なプロジェクト業務を行うこともしばしばありました。例えば下記のようなものがありました。

  • 太陽光発電を購入した場合の資金回収シミュレーション
  • アジアに統括会社を設立した場合の税金メリットのシミュレーション
  • 移転価格税制に関する文書作成

このように上場企業ではルーチンワークは抑えられ数値の分析やシミュレーション業務こなすことが多いです。

四半期、年次には通常の月次決算の他決算短信と有価証券報告書を提出しなければならないため時間との闘いとなります。連結子会社との決算業務の調整も重要となります。

開示する資料はダブルチェックならず何人もの人の目を通じて厳しくチェックされるためきめ細かい観察眼が必要とされます。(句読点や表の位置まで・・)

求められる知識も簿記2級レベルではすべて行うのは難しく、連結決算やキャッシュフロー、税効果会計の知識など専門的なものが要求されます。

従って上場企業の経理業務は業務の正確さと専門知識、他部署との調整能力が問われることが多いと思います。

まとめ

以上、中小企業と上場企業の経理業務の違いをまとめてみました。

これから経理職を目指す人・経理職に興味のある人にとって少しでも参考になりましたら幸いです。

一口に経理業務といっても企業によって業務は様々です。

個人的には幅広く経験できる中小企業での経験のほうが今に役に立っているような気がします。

上場企業の経理業務は上記で示した通りより深い(ニッチな)知識が必要となります。

そうはいうもののコアとなる知識(簿記や税金)があって学んでいく気力があればどこでも通用できるはずです。

編集後記

マンションだからといって油断していたところ畳の下からゴキ〇リが出てきて大騒ぎ。

最近の殺虫剤は噴射力がすごく遠くまで飛んで女性でも十分使えますね。

焦りながらもそんなことを考えていました。

これからの季節、食べ物などのごみにも気を付けたいと思います。

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