顧問料の対価性について
5/182016
カテゴリー:税理士・税理士試験
顧問料の中身は事務所によってそれぞれ
税理士業界にとって「月額顧問料」という言葉は当たり前のように使われています。
一口に顧問料といっても、
- 毎月の訪問の有無
- 給与計算・年末調整等の付随業務の有無
- 決算料の支払時期・金額
- 記帳代行業務の有無
- 税理士資格者の対応の有無
- 日々の主なやりとりの仕方(電話orメール?)
などの取り決めが事務所によってだいぶ異なります。
従って選ぶ側としては何を税理士に頼みたいのか、を事前にはっきりさせどこにプライオリティを持っていくのかを考えておく必要があります。
顧問料に対する不満の原因
「税理士に対する顧問料が高すぎる」という不満をよく聞きますがその原因は上記の通り顧問料の中身が事務所によってバラバラだからではないでしょうか。
また、「顧問料」という名前で括られてしまっている関係でその「対価の中身」が明瞭でないことも原因だと思います。
極端な例でいけば1ヶ月の間何もしていなくても「顧問料」というのは自動的に入ってくる仕組みとなっています。
このような「毎月定額で支払うもの」という例で身近なものを考えると家賃、インターネット接続料金、携帯電話の通信料金、レンタルサーバー代・・などが考えられますがこれらはすべて「対価の中身」が明らかです。
税理士顧問料のように対価の中身が明らかでないものは特殊ではないでしょうか。(「安心料」という考え方もあるかと思いますが・・)
私たちは「モノ・サービスの提供」に対してお金を支払う
例えば以前の職場では外資系企業のお客様をメインに扱っていましたが契約書上に
・申告書作成費用 〇〇円
・決算資料作成費用 〇〇円
・税務相談 〇〇円/時間あたり
という形で明記されていました。(月額顧問料という考え方はありませんでした)
申告書・決算書作成費用以外の業務については基本的にタイムチャージで、その中身もよく分からないものがあればすぐに指摘がきます。しかし、その中身が妥当であれば向こうは納得して支払ってくれます。
また身近な例を出すと、物品販売を考えればわかりやすく、私たちはモノをもらえないのに対価は絶対払わないはずです。
このような「私たちはモノ・サービスの提供に対してお金を支払う」という原則から考えると顧問料という考え方は特殊なのではないか、と感じます。
お客様の要望に合わせたサービスや料金
「提供したサービスに対する対価をいただく」、顧問料という言葉で惑わされがちですが常に考えていかなければならないことだと思います。
また、クライアントのニーズも様々なので画一的なサービス提供にも限界があります。
決算・申告だけお願いしたいというお客様もいれば、毎月訪問してもらって数値説明をきっちりしてもらいたいというお客様もいます。
ある程度同じニーズを抱えたお客様を絞りこむという方法もありますが、お客様のニーズに合わせたオーダーメイド的なサービスや料金を提示する方法もあるのではないかと思っています。
「こんなはずじゃなかった」と双方が思う前にサービス内容・料金については事前にすり合わせをよく行いたいですね。
まとめ
税理士の顧問料について疑問に思っていたことを書いてみました。
良いサービスをして、その対価としてお客様からお金をいただく。当たり前なことですが忘れずにいきたいです。
編集後記
事務所のホームページが完成しました。上記のような考え方を踏まえ、月額顧問料と年額顧問料の目安が計算できるシミュレーションページを設けています。日本人以外の方も対応しているため英語のページも設けました。
戸村涼子税理士事務所オフィシャルHP:tomurazeirishi.com
是非ご訪問ください^^