先日、スポットのメール相談を受けていたお客様に対して、今後のことについて話していたときのことです。

その方はまだ起業したばかりというのもありますが、自分でクラウド会計ソフトを使い記帳をしています。

今後について

「年末調整と、決算・申告はどういたしますか?」

と聞いたところ

「まずは自分で理解しておきたいので自分でやってみます。分からなくなったときのサポートや最終チェックだけお願いします。」

とおっしゃいました。

中には

「いやいや、さすがに年末調整や申告まで自分でやるのは難しいですよ。どうぞこちらに任せて事業に専念してください」

という人もいるかもしれません。

作業代をもらいたい、という人もいるかもしれません。

しかし私はこの申し出について嬉しく思い、お勧めできる申告ソフトを紹介するなど、快諾しました。

「自分で理解しておきたい」をサポートしたい

私は申告納税制度をうたっておきながら、納税の仕組みが理解できない、理解する必要がない(会社員・公務員の源泉徴収制度など)今のシステムに疑問を持っています。

特に納税の基礎ともなる会計数値は、事業を行う人自身が理解して管理を行うものだと思っているので

基本的に記帳を代行する、ということは行っていません。

申告書作成は税務顧問サービスの中に含まれていますが、お客様の要望に応じスポットでチェックのみ行うサービスもしています。

税務顧問サービスにて申告書作成を代行した場合もなるべく数値に関して説明を補足するようにしています。

お客様も「この数値はどのように計算されているのですか?」など自分で理解しておきたいという方ばかりです。

お客様が丸投げし、こちらも代行作業を行うだけ、だと毎年同じことの繰り返しでお互い進歩できません。

自分がサポートすることによりお客様にできること・理解できることを増やした方が、後々のことを考えると価値あることだと思っています。

自分で理解しておけば「ブラックボックス化」をなくせる

自分で基本を押さえておけば、業務や報酬の「ブラックボックス化」を防ぐことができます。

記帳・申告をすべて丸投げで「一式○○円」と言われても、それが高いのか安いのか想像ができません。

もしかしたら非効率な事務作業に対して余計なお金を払っているかもしれません。

他の事務所との価格のばらつきもあり、ますます分からなくなるでしょう。

一方自分で基本の仕組みを理解しておけば、大体の作業量が見えてきます。

例えば会計・税務以外の業務で私が関係しているのがホームページ作成代金。

最近は簡単なものであれば自分で作れてしまいます。

そのことを知っているのでいかにも業者が作ったホームページ丸々代行で数万、といったサービスは避けることができます。

基本の枠組みは理解しているので、自分ではできないおしゃれなデザイン、効果など必要に応じて発注することが可能です。

その分野に対して基本的な理解があるかないかは大きな違いです。

「どこまで自分でやるか」を決められる

「自分でやってみたい」「理解しておきたい」が大事と言っても、「1から10まですべて自分でこなさなければいけない」ということではありません。

プロにはプロの仕事があるので、自分にできないこと、苦手なことを任せるのも戦略です。

どちらかというと、「どこまで自分でやるか」の線引ができることが大事だと思っています。

どこまで自分でやるかを決めるためにも基本の仕組みを理解しておこうという気持ちは大事です。

誰かに任せる場合の価格も、基本の仕組みを理解していればある程度の判断もできます。

まとめ

「自分でやってみたい」「理解しておきたい」をサポートしたいと思うこと、その理由を書きました。

時間とのかみあいでどこまで自分でやるかを決めるのは困難なことかと思いますが、

とりわけ会計・税務に関しては基本を全く理解せずに事業は行えないと個人的に思っています。

昔は情報も少なく丸投げするしかない状況でしたが今は、便利なツールが沢山揃っているのでハードルは低くなってきています。

基本の仕組みを理解した上で、上手に専門家を使っていただくのがベストだと思っています。

 

編集後記

昨日は、午前中ブログ執筆・法人決算、午後は顧問依頼のお客様と面談。

普段海外に在住する非居住者の方で日本にて事業収入がある方です。

非居住者の税務の仕事が最近多く、ニーズはあるのだなと実感しました。

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