先日、ルトガー・ブレグマンさん著の『Humankind 希望の歴史』を読みました。

上下巻あって読むのに時間がかかるのですが、かなりおすすめです。

「人間の本質は『善』である」ことがテーマ

この本を簡単に説明すると、「人間の本質は、『悪』ではなく『善』である。」ということです。

「綺麗事を・・」

と思われる方も多いかもしれませんが(わたしも読む前はちょっと思ってました)、

読んでいくとどんどん腹落ちしていきます。

ものすごい数の調査を時間をかけて行っている

というのも、この本は、単に希望的観測を述べているのではなく、

「人間の本質は善である」ことを証明するものすごい数の調査を時間をかけて実際に行っているからです。

例えば、

  • 第二次大戦下で人々の行動
  • リアル「蝿の王」の話
  • 戦時中ほとんど発砲しなかった兵士たちの話
  • ミルグラムの電気ショック事件の真実

などです。

これらを読んでいくと、文明前の「人間は善である」ことが当たり前だったときから

なぜ「人間は悪である」に変わってしまったのか、理解できます。

前著と繋がる部分も

著者の前著『隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働』とつながる部分もあります。

前著では、ロンドン、西ケニアでホームレス等にフリーマネーを支給した実例が書かれていました。

「タダでお金を渡したら、パチンコなどの娯楽に使ってしまうだろう」

という予想を裏切り、お金を支給されたホームレスは必要最低限の生活費のほかは、自己啓発のための勉強や社会貢献のための活動資金にしたようです。

このように、相手を「善人」として扱い、信じ、選択の自由を与えれば善い行動を行うということが既に実証されているのですね。

一方世の中は、「人は悪事を行う」ことを前提に作られているルールでいっぱいです。

違った過去があったかもしれない・違った未来があるかもしれない

「人間の本質が善であることに気がついていたならば、もっと世の中は変わっていたかもしれない」

と読み進みていくうちに感じました。

特に読んでて心が苦しかったのは、

「戦時中発砲しなかった兵士がたくさんいたこと」

「クリスマスに、敵同士が聖歌を歌いあったこと」

などの戦争中のエピソードです。

人間は、対象が遠ければ遠いほど残酷になれるようです。

だから、空爆などが一番行われるのですね。

一方、本部で指示する人間ではなく現場の人間は相手が近いので、

「善人」としての本質が出てしまうのだと。そう簡単に人は人を傷つけられないんですね。

これって身近なところでも一緒ですね。

ネットで遠い存在の人ほど好き勝手に誹謗中傷できるけど、

身近な人にはそんなことできない人が多いです。

旅行した国のことはなんとなく悪く言えない人も多いでしょう。

そう考えると、断絶や争いをなくすためには

相手に近づく・知ることがやはり一番なのかな、と思います。

「人間の本質は善である」ことを前提とすれば、未来は明るくなるはずです。

 

コロナが広がって先行きが不透明な毎日ですが、

文字通り読んだあとに希望を持てる本でした。

 

まとめ

ルトガー・ブレグマンさんの『Humankind 希望の歴史上・下』の紹介をしました。

「人間とは?」という大きなテーマについて考えさせられる良い本だと思います。

翻訳も、とてもセンスが良くルトガーさんのたまに発せられる冗談も面白いです。

 

編集後記

金曜日は、オンラインセミナーに参加。プレゼンのデザインに関して、とても参考になりました。

土曜日は、税理士開業予定の女性の方の個別コンサルティング。

「勇気をもらった」とおっしゃってくれて嬉しいです。

日曜日は、執筆を進めました。

 

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