会計業界の働き方改革はこれから
8/172017
カテゴリー:My働き方改革
freee認定アドバイザー50人の働き方
クラウド会計ソフトfreeeが発行している情報誌に、freee認定アドバイザー50人の働き方のアンケートが掲載されていました。
(freee認定アドバイザーとは、freeeのソフトを理解・活用して業務効率化・売上向上を図り、フリーランス・中小企業のパートナーとして登録している人たちのことです。私自身もアドバイザー登録をしています。)
いわば業務効率化・働き方改革のエキスパートとして、顧問先をリードしていく立場にある人たちですが、その働き方を見ると実態は異なっているようです。
アドバイザーの4分の1が年間2,400時間以上勤務
「あなたの年間の労働時間は?」という質問に対して全体の4分の1程度のアドバイザーが2,400時間以上勤務と答えています。
年間2,400時間と言えば、月に直すと200時間。土日除く平日を21日とすると1日当たり約10時間勤務となります。
もちろん会計業界には繁忙期(3月の確定申告など)があるので平均すれば、ということですがそれにしても、です。
AIを活用して業務効率化を推進する立場の人が、現状では長時間労働しているという状況です。
労働時間を減らすための対策は抜本的なものが必要
次に、労働時間を減らすための対策は?という質問に対して
1位:ITの活用で業務自動化・効率化
2位:従業員の採用を進める
3位:顧問先の自計化を進める
という答えが並びました。
これを見て思ったのが、どれも抜本的な対策ではないかな、といことです。
1位のITの活用で業務自動化・効率化は、freeeを推進する立場であれば当然といえば当然です。
また、ITを活用する前に、会計事務所内のワークフローそのものの見直しが必要です。
2位の従業員の採用についても同じで、ワークフローを見直さない限りはそもそも人は足りているのか、足りていないのか、といったことを考えることができません。
3位の顧問先の自計化も同様で、自計化をしているお客様としか契約をしないという方針もあるはずです。
この点私は1人で事務所運営をしているのでワークフローの見直しは簡単ですが、既に顧問先と従業員を多く抱えている事務所ほど難しくなるのではないでしょうか。
業務効率化と一口で言っても、目の前の業務だけのことを考えるのか、どういったお客様や従業員と仕事をするのか、といった根本的なことから考えるのとでは全く方法は違ってきます。
繁忙期を手放すことが業務効率化の一歩では
「どうやって繁閑差を解消している?」
という質問では
「顧問先への指導を徹底し、資料提出等を早めてもらう」
「業務内容を理解し、可能な限り前倒しでやる」
「繁忙期だけ外注事業者やクラウドワーカーを活用する」
など比較的その場しのぎ的な回答が並びます。
そんな中、
「繁忙期の業務を見直して、業務自体を削減する」
と回答したアドバイザーも10人いました。
そもそもAIを活用した働き方改革は単純作業など機械にできる仕事はどんどん機械にやらせていき、その分人間は創造的な仕事をしていこうという発想です。
繁忙期の仕事は、作業が多く将来的に機械に代替されていくものです。
どうやったら機械で作業を自動化するか。こういったことを考える仕事が今後重要となるでしょう。
「繁忙期を手放す」こと自体が会計業界の働き方改革に必要ではないかと考えます。
まとめ
freee認定アドバイザーの50人に対する働き方アンケートの結果を見て思うところを書きました。
正直、私が勤めた会計事務所も閑散期と繁忙期がきっちり分けられており、労働時間も比較的長めなところが多かったです。
税理士志望者が激減し、会計業界の人材不足が深刻なのはこういった長時間労働が慢性化されている現状もあるのではないでしょうか。(ましてやfreee認定アドバイザーの事務所でもこの状況なので・・)
クラウド会計ソフトを推進する立場としては、今後も働き方については妥協せず、日々考えていきます。
編集後記
昨日は、横浜で普段やり取りさせていただいている税理士の皆様とお食事。
様々な刺激を受け、パワー(元気玉?)をもらった気がします!