顧問税理士に対する不満の話を最近よく聞きます。

「全部やってくれるって言ってたのにやってくれなかった」

「無料だと思っていたのに料金を請求された」

「非効率なやり方を押し付けられる」

など。

特に「非効率的なやり方を押し付けられる」という意見をよく聞きます。

税理士は平均年齢が高く、効率的に進めようとする意識が他の業種と比較して低いことが原因かもしれません。

そこで、顧問税理士を戦略的に選ぶために気を付けたいことをまとめました。

やってほしいことを明確にする

世間一般では「税理士」という仕事はあまり認知されておらずそもそも何をやっているのかわからない人も多いと思います。

税理士の主な仕事は

  1. 税務申告代理・税務書類提出
  2. 税務相談
  3. 記帳代行・決算書類作成

です。

1.と2.は税理士の独占業務であり、登録税理士のみ業務を行うことができます。

3.は本来税理士の業務ではありません。

従って税理士と顧問契約を結ぶ場合には1.と2.は基本的に含まれることになります。

最低限の業務だけ行ってもらいたいという方であればこの2つだけで良いでしょう。

しかし、税理士に仕事をお願いしたい人のすべてが1.と2.だけ行ってもらおうと考えているわけではないですね。

3.の記帳から行ってほしい、給与計算もやってほしい、融資を受けるための決算書も作ってほしい・・など様々であるはずです。

まずは税理士の基本の仕事を理解されたうえで、プラス自分がやってほしい仕事を明確にしておくとアンマッチを防ぐことができるでしょう。

仕事の進め方のスタンスを確認しておく

やってもらう仕事が明確になった上でもう一点確認しておくべきポイントが「仕事の進め方」です。

特にコミュニケーションの取り方は重要です。

税理士にも様々なスタンスの方がいて、

「毎月訪問(フェイストゥフェイスを重視)」

「場合によって使い分け(普段はメールやチャット、緊急時には電話又は訪問」

「基本的に訪問はなし。メールとチャットのみ」

など連絡手段・頻度も様々です。

書類のやり取りも

「FAX・郵送」や「メール添付」、「クラウド保管」などの方法があります。

初回面接では所長税理士が対応したのに、その後はずっと税理士ではない職員が訪問する場合も多いです。

顧問契約が始まってから仕事の進め方を変えたいとはなかなか言い出しづらいでしょう。

自分にとって合わない仕事の進め方の場合ストレスが溜まり不満にもつながります。

顧問契約を締結する前に税理士の仕事の進め方のスタンスを確認してリスクを軽減させましょう。

料金の相場を知る

クラウド会計など便利なツールが世の中に出てきて税理士顧問の相場、特に記帳代行メインの料金の相場は下がっていることは事実です。

ただ、記帳代行や税務申告をもし自社で行う場合(知識や資格のある社員を雇う)を考え、客観的な視点で料金を考えていただくことは必要です。

「月々〇〇千円からの税務顧問!」と聞いてどのように利益を稼いでいるのか・・と考えた方が良いです。

若い人たちにたくさん残業させて無理な件数を押し付けているのかもしれません。

税理士顧問料が自由化される前は最低顧問報酬というものがありました。(適正額かどうかはまた別ですが・・)

参考となるのが税理士ドットコムが出している顧問料の相場表です。

顧問税理士の報酬相場 – 税理士ドットコム

税理士を検討されている方は見ておくと参考になるかもしれません。

税理士変更は気にする必要なし

自分の不満を顧問税理士に伝えても変えようとしない場合などは解約を検討しましょう。

顧問税理士を変える話になると「なんていう理由付けをすればよいでしょうか・・」と聞かれることがあります。

しかし、税理士を変えるのに必ずしも理由を説明する必要はありません。

ただ「顧問契約を解除したい」とだけ伝えれば大丈夫です。

理由を聞かれた場合、はっきりと言ってもいいですし、少しでも面倒なことを避けたい場合には波風をたてないような理由を作っていただいて構いません。

個人的には、税理士は「サービス業」であるため気に入らなかったら変えて全く問題ないと思っています。

資産状況や経営状況などすべて把握されていることを考えると少し躊躇するかもしれませんが。

ただ、不満を抱えたままお金を払い続けることだけはやめた方が良いです。

まとめ

顧問税理士を戦略的に選ぶ場合の注意点をまとめました。

ポイントは、

  • 税理士の基本業務は税務代理・税務相談であることを知る
  • 上記以外でやってもらいたいことを明確にする(記帳代行・給与計算・融資相談など)
  • 税理士の仕事の進め方(コミュニケーションの取り方・書類のやり取り方法等)を確認する
  • 顧問料の相場を知る
  • 合わない税理士と契約してしまった場合、解約は気にしなくてOK

です。

せっかくお金を払ってサービスを受けるのであるならば、納得いく形で受けたいですよね。

編集後記

午前中、四ツ谷で打ち合わせをした後知り合いの税理士とタイ・ベトナム料理。夜は横浜で税理士会の仲間と韓国料理。

同業仲間とアジアン料理三昧の日でした(^^;


クラウド会計専門の女性税理士です。

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