先日とある税理士の会合で、ベテラン先生から聞いたお話。

HPを持っていない方なのでどうやって顧問料を決めているのですか?と聞いたところ

「相手の足元見て決める」

とのことでした。

つまり、相手がどれだけ払えるのか懐次第であると。

相手の懐が見えたところで、それなりの顧問料の内訳を提示し、納得させるとのことです。

率直に言ってこれは今の時代通用する訳ない、と思いました。

と同時に、このような方を反面教師として価格設定することの大事さを考えてみました。

都度価格が変わることの弊害

その都度価格を変えるというのは普通のサービスでは考えられないでしょう。

例えば、八百屋さんをやっていて、通常だったら100円で売っているリンゴを、

  • あまりお金を持っていない人には50円で
  • お金を持っている人には200円で

売る事はできないですよね。

サービスというのは付加価値を与える行為だと思っています。

その都度価格を変えれば、そのサービスの付加価値の説明が不可能になってしまいます。

付加価値の情報を公開することの大事さ

税理士業界では、価格を明確にしていない事務所がたくさんあります。

確かに、税務顧問というのは実際に作業として行う税務申告書作成以外にも、

  • いつでも相談できるという保険的な意味合いでの料金
  • いつ来るか分からない税務調査対応などの精神的負担

など目に見えない部分のサービスがあるため価格設定は難しい部分があります。

それでも何らかの料金表は作るべきだと考えています。

この税理士に顧問料を支払えばどのようなメリット(=付加価値)があるのか?という情報は少ないよりは多い方が良いでしょう。

私自身、依頼されたことのない業務を依頼された場合もまず自分のHPに載せている料金を基準に説明し、見積もります。

情報公開していないサービスに対してお金を払いたいという人はいないはずです。

価格設定はビジョン

価格設定のない(都度価格を変える)サービスは、ビジョンのないサービスだと思います。

例えば私の場合はフリーランス、副業を行っている会社員、小規模ベンチャーをメインターゲットとしていますので顧問料は必要最低限に抑えています。

従業員を雇わず1人でサービス提供をする、という方針もあるので時間ばかりかかる記帳代行は希望がない限り基本的に行っていません。

価格設定を行わない、ということはターゲットもサービス内容も明確にしないことになります。

昔はそれで成り立っていたのかもしれませんが、ビジョンのないサービスは今後長続きしないと思っています。

まとめ

ベテラン先生の言葉に疑問を感じ、自分の価格(付加価値)を明確にする=ビジョンを持つことの大事さについて書きました。

人生の先輩に様々な経験を聞けること自体は良い事です。

しかし親のアドバイスが今の時代に通用しないのと同じで、一昔前の成功例は役に立たない事が多いです。

このような情報は参考程度にして、自分で試行錯誤しながら付加価値のあるサービスを考えていきます。

編集後記

昨日は税理士会の部会の後、1人で夜桜を見に行きました。

風が強く、桜が舞っていてとても綺麗でした。

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