「役に立つ」から「意味がある」へ。すべての人に世界観が必要な時代に
4/112020
カテゴリー:ライフハック
以前からデザイン(アート・芸術)と仕事の関係に興味があります。
以前読んだクリエイティブ・ディレクターの水野学さんの『センスは知識から始まる』は、知らなければセンスもなにもない、精度にこだわることが大事、といったことに共感しました。
マッキンゼーなどでコンサルタントとして活躍された山口周さんが書いた『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』では、経営に必要なのはアート(ビジョン・哲学)であることを学びました。
今回たまたま、このお二人が対談されている本をKindleで発見!
速攻購入しました。
非常に深みのある対談をされていて、脳への刺激にもつながりました。
デザインが仕事にどう関係するのか興味がある方にお勧めです。
「役に立つ」から「意味がある」へ
この本では、頻繁に「役に立つ」から「意味がある」への転換について書かれています。
日本は戦後、欧米にならって「役に立つ」市場でトップになりました。
車、家電などは「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などともてはやされました。
しかし、時代が変わり「役に立つ」ものが飽和状態になってくると、
ものが売れなくなります。
例として、テレビのリモコンが挙げられていました。
みなさんも経験があると思います、家電量販店に行ってリモコンを買うときに
同じようなボタンが何十個もついたリモコンがズラーッと並んでいるのを目の前にして
「ど、どれにすれば・・」と悩んだことが。
「役に立つ」市場はもうとっくに終わっているのに、
「役に立てば売れるはず」
と売る側の意識が変わっていないことが
日本のものが売れなくなっている原因とお二人は話しています。
(ここで、私の家の家電もなるべく「シンプル」を基準に選び外国製(冷蔵庫は中国製のハイアール、洗濯機はハイアール傘下のAQUA)であることを思い出しました)
世界観がある会社は強い
一方で、「これ役に立つの?」というモノが売れるようになりました。
共通するのが、「世界観」です。
この本では世界観のある会社として、
Apple、バルミューダ(トースター)、Leica(カメラ)などが挙げられています。
Appleは、発売当初「こんな機能が低いものは売れない」と日本メーカーから思われていましたが、
スティーブ・ジョブズの強烈な世界観によってあっという間に抜かれてしまいます。
バルミューダも「えっトースターになぜ数万円??」(家電量販店では千円ちょっとで買える時代に)と思いますがHPを見るとその世界観に圧倒されます。
「買わせよう」という意志は全く感じられず、
これでもかと「トーストがこれだけ美味しく焼ける」「会社ができるまでのストーリー」が丁寧に表されています。
サイト自体もシンプルで、美しいです。(パン好きなので、欲しくなってしまった)
Leicaはドイツ製のカメラですね。誕生は20世紀の初めだそうです。
フルサイズでレンズ合わせて200万円くらいだそうです・・それでも購入する人が後を絶たない。
機能は確かに良いのでしょうけれども、機能だけで何十倍も違うわけではないようです。
他にも燃費の悪い高級車など、
どう考えても「役に立つ」から買われているわけではないものが
現在よく売れているようです。
これらを作っている会社は何らかのストーリー(世界観)を打ち出すことが
上手であるとお二人は話しています。
つまり、持っていること自体がステータスとなるようなものですね。
そう考えると、日本には便利なものは多いけど、持っていること自体がステータスとなるモノって
ほとんどないように思えます(ちなみにバルミューダは日本の会社ですが)。
役に立つものが既に飽和状態なので、
今後は「意味のある」(世界観のある)会社が強くなるということです。
そのツールとして、トップから「デザイン」(=世界観)を意識することが大切になってくる。
ああ、だから経営とデザインって切り離せないんだなって感じました。
個人単位でも、「役に立つ」から「意味がある」へ
このような流れは、個人単位でも起こるだろうな、と思っています。
例えば○○の資格を持っている、MBAを持っている、
といった「役に立つ」人材よりも
周りがなんと言おうと自分が良いと思えるものを勇気を持って「良い」と言うことができ、
それをデザインなどで視覚化し、説明し、仕事に活かすことのできる人材のほうがが希少価値は上がっていくのかなと。
もっと具体的に言うと
- 自分はこういった人に役立ちたい
- 自分はこういったことで社会に貢献したい
- 自分はこういった世界を望んでいる
などの「世界観」をきちんと持っていることが大事になるでしょう。
世界観を作るためには、自分の想いを発信し続けていくことが必要だと考えています。
まとめ
水野学さん、山口周さんの対談本である『世界観をつくる「感性」×「知性」のしごと術』を読んだ所感を書きました。
このお二人の対談自体がアートです。とても贅沢な感じがしました。
教養があるお二人の話にちょっと追いつけない部分もありましたが良い刺激となります。
編集後記
昨日は、とある方よりオンラインでコンサルティングを受けました。
不安に思っていたことが解消につながりそうで良かったです。
最近のあたらしいこと
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