「相場」の弊害を考えてみた。
1/302023
カテゴリー:お金の考え方
日本だけ超デフレ
先日、『世界インフレの謎』という本を読みました。
この本は、コロナ収束が進む中、なぜ世界でインフレが
加速しているのかをとてもわかりやすく考察した本です。
日本でも最近では物価高が問題とされていますが
欧米はその比ではありません。
(IMFが2022年4月に発表したインフレ率ランキングではIMF加盟国中日本は最下位、0.984%
に対して米国は7.68%、英国は7.41%。)
日本のメディアでは「物価高騰!」と騒がれていても
海外を見ると実は全然そんなことないんですね。まだまだ超デフレと言って良い状態です。
※なんでも高く感じたシンガポール
賃金も、価格も凍結状態
なぜ日本がここまでデフレなのかというと、
この本では「賃金・価格凍結」という言葉が使われていました。
カッチカチで絶対動かん!という状態ですね。
その理由は、
企業は毎年価格を据え置き→生活者の生計費は前年と変わらず→労働者は賃上げしなくても生活ができる→人件費は変わらず。企業は価格転嫁の必要なし→企業は毎年価格を据え置き・・(続く)
というスパイラルがあるからと書かれていました。
この「卵が先か鶏が先か」問題は本当に難しいと思いますが、
企業も個人も、なんらかのフックが外部から働くなどして、
「いっせーのーせ!」で
価格も、賃金もあがって当然
と思うタイミングがこないといけないんだろうな、と感じました。
値上げ・賃上げを当たり前にしないともたない
この価格も賃金も上がらない凍結状態、
超インフレに苦しむ国と比べたらまだマシなのかもしれません。
しかし、
- どんどん国が安くなる(活力がなくなる)
- 今後もこの絶妙な均衡が取れる保証はない(価格だけ上がるスタグフレーションの可能性も)
を考えると、価格も、賃金も適正に上がっていくことが
当たり前にならないといけないと思います。
既に、食材や電気代など、生活インフラに欠かせないものの値上げが始まっています。
価格・賃金の絶妙な凍結状態、
わたしは結構日本人の「器用さ」「犠牲精神」も起因してるんじゃないかと思います。
なんとか人力で回しちゃうというか。
「原価で売ってます!」
「赤字覚悟で値上げはしません!」
が美談になってしまうのは、
世界から見ると異常なことのようです。
(この本では、ガリガリくんが値上げして社長が謝罪したニュースが取り上げられていました)
原材料の値段が上がったら価格に転嫁するのは当たり前なことで、
そうしなければ賃上げどころじゃないですよね。
働く方も同じで、物価が上がって賃金がそのままじゃ
暮らしていけないので、適正な賃上げを要求するのは当たり前
の世の中にしないとどこかでこの均衡は崩れそうです。
「相場」をやめてみてはどうか
フリーランスである私も、
適正な価格を提示することは
今後非常に大事と考えています。
自己犠牲と思って苦しいのに値下げや価格据え置きをしても、
それは自分のためにならないどころか、
周りにまで悪影響を与えてしまいます。
この際、「相場」という言葉をやめてみてはどうか。
特に、士業をしているとこの「相場」、
よく見かけるのですが
(「税理士の見つけ方サイト」的なところで見かけます)
いや、みんな仲良く同じくらいの値段で据え置き、
ってやってることが
働く人のモチベーションを下げ、
社会・業界全体の停滞につながっているならば
やめた方が良いですよね。
買う側はそのときはお得かもしれないけど、
長期的にみたら誰も幸せにならない。
この「相場」という言葉を
なくすことが、
「卵が先か鶏が先か」問題を
解決する一つの手段になると考えています。
まとめ
久しぶりに経済の本を読んでみて、
「相場」というキーワードが思い浮かんだので
思ったことを書いてみました。
相場気にしなくても、
高すぎたら誰も買わないんで、大丈夫ですよ。
(何が大丈夫なのかはわからなくなってきた)
編集後記
週末は、HPのメンテナンスなど。
ちょこちょこフォントを変えたりいじってます。
最近のあたらしいこと
HPの問い合わせフォームをすべてContact Form7に変更