「分かりやすさ」

が重視されている時代だと思います。

テレビやネット、Youtubeなどでは

いかに難しい話を簡単に、わかりやすく

説明されるかが大切とされている雰囲気です。

たまにテレビで

「なるほど〜」

と言っている方がいますが

私は全く理解できないことも多いです。

ただ、この「分からない」気持ちは

情報があふれる時代には大切にしたほうが良いと思っています。

論文執筆時代に言われた言葉

「分からない」に関しては、

印象に残っているエピソードがあります。

税理士になるために以前大学院へ通っていました。

そこで私は人気のない、誰もやりたがらない「非居住者と外国法人の課税」

をテーマにしました。

当然、執筆には苦労したのですが

そのとき教授の方とお話をしていて、

教授「どうですか論文の状況は?」

私「いや〜分からないことだらけで日々試行錯誤してます」

教授「『分からないことを分かってる』だけでも良いんじゃないですか」

というやり取りがありました。

そのときは流してしまいますが、

今だったらその言葉の重要性が分かります。

分かったフリが一番怖い

というのもこの年になって「分かったフリ」が一番怖いと気づいたからです。

テレビやネットではその場の「雰囲気」で

なんとなく分かった感じになってしまいます。

テレビやYoutubeで

コメンテーターが専門家の方から話を聞いて

「なるほど〜」

と言っていれば自分も分かった気になってしまいます(私はあまりなりませんが)。

ネットで有名人が発言したらそれが正しいものとして

独り歩きします。

自分の意見なんて本当はなくて、

その場の空気で作られているのだとしたら・・

やっぱり「分かったフリ」が一番怖いと思うのです。

その道のプロでも安易に「分かった」は使わない

今更ながらですが、

新型コロナについて本を沢山買って読んでいます。

ダイヤモンドプリンセスに乗り込んだ

岩田教授の本も何冊か読みました。

印象的だったのが、

その道のプロの方でも安易に「分かった」「理解した」とは言わないということです。

プロの方で分からないことが、

素人に100%分かるはずがありません。

それでも、

手洗いうがいをこまめにする、

人混みに行かない、

三密を避ける

といったことは対策として有効であることはさすがに分かります。

逆に、

みんながマスクをつけて人混みに出かけているから。

みんながマスクをつけて人が集まる研修に参加しているから。

(きっと大丈夫だから)

自分も同じ行動をする、

という雰囲気に流されて行動する「分かったフリ」はしないようにしています。

分かりやすさは短時間で分かったフリをできる(安心できる)

には良いですが、

本来自分で考えて行動するには

時間をかけて分かりにくいことを少しでも理解することが必要で、

分かっていないことを分かっている必要がある

ことと認識したほうが良いでしょう。

私も税の専門家として、

税金のことならなんでも分かっている、

という「フリ」をしないようにします。

 

編集後記

「分からないことは分かってる」ことは大事だなあ

と思ったところを書きました。

 

最近のあたらしいこと

新作の割烹着を着る

ちょっとお出かけにも着れる割烹着を作りました。

おうち時間が楽しくなりそうです。

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