「ニーズのある仕事」だけすることは良いことなのか
6/252021
カテゴリー:ネット営業
マーケティングの本を読むと、
「お客様のニーズを知る」
ことの大切さが書かれています。
確かに、いくら強みをアピールしても、お客様のニーズがなければ
仕事は成り立ちません。
とはいえ、「ニーズのある仕事」だけ追い求めることは良いことなのか。
必ずしもそうではないと言えます。
これまでの経験を元に、書いてみます。
※ニーズだけ追い求めたわけではありません※
「低価格」「簡単に」「楽して」「丸投げ」のニーズはある
先日、ネットでとある投稿を見ました。
その内容は、
「クラウド会計で自社で記帳するのは、本業が暇な中小企業だけ。特に地方では断然『低価格』かつ『丸投げ』『記帳代行』のニーズがある」
というものでした。
前半部分は完全に間違っていますが、
後半は一理あると思います。
税理士に会計・税務周りを全部やってもらう『低価格』『丸投げ』『記帳代行』のニーズはいまだ大きいでしょう。
(会計を学びたくない人にとっては)そのほうが、楽ですし。
税務に限らず世の中も「簡単に」「楽して」「丸投げ」のニーズのボリュームが大きいのは事実です。
じゃあ、「ニーズがあるからやる」かというと。私はやりません。
ニーズのある仕事というだけで請け負わない理由
まず、自分がやりたくないからです。
「仕事は我慢することに対する報酬だ!」
と言われればそれまでなんですけど、
「いやいややっていて、お客様に貢献できるわけない」
と思っているからです。まあ、こじつけというか大義名分的なところはあります。
もうひとつは、
カッコつけになりますが
私には「ニーズはあるかもしれないけど、世の中からなくなったほうが良い仕事」もあると考えているからです。
先程例に上げた「低価格で丸投げ」業務もその一つです。
依頼した会社は助かるかもしれませんが、
失うものが多すぎます。(低価格で働く人のモチベーション低下、生産性の低下など)
依頼した会社も、丸投げしてしまったことによって社内にノウハウが蓄積されず、
のちのち損失になっていくでしょう。
仮想通貨バブルのときのお話
もうひとつ例を出すと、2017年の仮想通貨バブルのときのお話です。
私は、自分自身も仮想通貨に興味があり、購入していました。
そして、「これ、税金どうするんだろう?」と興味をもち
自分なりにまとめた記事をHPにアップしたのです。
それから、問い合わせやスポット相談が殺到しました。毎日のように。
周りからは「ニーズのある仕事をいち早く取りに行った」ように見えるかもしれませんが、
そこまで戦略的に狙ったわけではありませんでした。あくまで自分が困らないように、と。
その後「仮想通貨の税務を請け負います!」という税理士事務所が続々と登場し、
「ニーズをみんな取りに行くのだなあ」と感心したものです。
しかし、その後相談に来ていただいた方から
「仮想通貨に強い、って書いてあった事務所にお願いしたのに、全く詳しくなかった」
というお話を何度か聞きました。
恐らく、ニーズを取りにいくことが第一になって、お客様に役立つ視点が抜けていたのではないでしょうか。
ニーズだけ求めることの害はこういうところにあると思っています。
私は今でも仮想通貨は自身で持っていますし、強みにもしています。
ただニーズがあるという理由だけでやっているわけではありません。
今後伸びていく分野、そしてなにより自分が興味がある分野であるという理由のほうが大きいです。
いくらニーズがあっても、自分がやりたくないこと、興味ないことであればやりません。
自分の理想の世界+ニーズ
このように、お客様のニーズを探ることは大事ですが、
それと同時に大事なのが自分が思い描く理想の世界を明らかにすることだと思っています。
理想の世界というのはちょっと大げさな言い方ですが、
自分にとって心地よい世界、実現したい世界というか。
例えば私はデジタルを使った効率化が大好きなので、クラウド会計を使っているお客様のみ対応させていただいていますし、
紙、電話、FAXを使わないようにしています。
このような理想の世界は、
黙ってても伝わらないので、どんどん発信しています。
そうすることによって、価値観の合うお客様と出会える可能性が高まります。
まとめ
「ニーズのある仕事」だけすることは良いことなのか?
⇒結論:NO。自分(自社)の理想の世界とニーズが合致する仕事を戦略的に得たほうが互いにとって良い。
と考えたお話をさせていただきました。
編集後記
著書『デジタル資産と電子取引の税務』をようやく書店で見ることができました。(冒頭の写真)
ポップがあってなんだか嬉しいです。曲がってたのでこっそり直してきました。
最近のあたらしいこと
無印良品の無塩アーモンド