税理士に地域ごとの税理士会が存在する意味を考えてみた
6/212017
カテゴリー:税理士・税理士試験
昨日、私が所属する税理士会の支部の定期総会に出席してきました。
平成28年度の事業活動報告や決算承認、役員改選、平成29年度の予算決定などがメインでした。
税理士会の役割
税理士は、資格をとっても業務を行うことができません。
自分の事務所が存在する地域の税理士会(更に各支部に分けられる)に登録して初めて業務を行えるようになります。
登録にはまとまったお金が必要となり、その後も毎月安くない会費が発生します。
昨日自分が所属する税理士会の支部の総会に行って、税理士会の普段の活動をあらためて知ることができました。
その内容は主に、税務署・法人会・商工会議所・青色申告会などの関連機関との連携と、会員税理士の福利厚生や自己研鑽のための活動です。
毎年2月~3月に行われる確定申告無料相談は税務署と税理士会が連携して行っている活動の1つですね。
地域ごとに税理士会を分ける必要性
税理士は国家から税金計算という非常に強い権限を与えられているため、登録しなければ業務ができないということは理解できます。
ただ地域によって所属する税理士会を分ける必要はあるのかな、と昨日総会をやっているときにぼんやり考えてました。
税務署と税理士会の管轄がほぼ一致していることを考えると、税務行政がやりやすい、というのも一つ理由にあるかもしれません。
また、税理士事務所は今でも地域密着型が多いことを考えると地域ごとに支部が分かれていた方が内輪で調整(譲り合ったり、助け合ったり)しやすいということもあるかもしれません。
ITの進歩によって地域・国境を越えてサービスができるようになった
税理士は地域密着型が多いと書きましたが、私自身は地域密着型をアピールしていません。
クラウド会計専門をアピールしているためか、問い合わせは割と地域を超えてきます。
私は横浜在住ですが、現に青森在住のお客様の税務顧問を行ったり、タイ在住の方に対して税務情報提供を行ったこともあります。
お客様が地方にいようが海外にいようが、今はいつでもメールやSkypeで連絡を取り合うことができます。
場合によっては自分が海外にいても、日本のオンデマンド研修を受けて日本の税制をキャッチアップし、日本在住のお客様にサービス提供することだってできるはずです。(この場合税理士法にひっかかり税理士登録はできないとは思いますが)
どのような戦略をとるかにもよりますが、今後地域・国境を越えたサービス提供をする税理士も増えてくるのではないでしょうか。
横のつながりも地域を超える
私が所属する支部の税理士会員の方たちは、とても仲が良く雰囲気も良いです。
こういった横のつながりを大事にする、という意味合いも税理士会の存在意義としてあるでしょう。
ただ私の場合横のつながりについても地域限定には考えていません。
現に私が今仲良くさせていただいている同業者の方たちは同じ地域の人ではなく、ほとんどがセミナーやブログ、Facebookなどでつながった人たちです。
横のつながりを、地域限定で考える必要はないと思ってます。
地方で活躍する起業家を応援したい
私がサービス展開を地域限定に考えていない理由の一つとして、地方で活躍する起業家を応援したいというのもあります。
地方では、会社自体が少ないですし、当然税理士の数も少ないです。
ということは、税理士会の会費収入も少なく税理士会の役割である地域の団体と連携して行うサービスも不十分なのでは、と推察できます。
地方創生、と言われて久しいですがこういった税務サービスも地方で起業する人たちにとっては大切なことではないでしょうか。
実際今税務顧問を請け負っている青森の法人のお客様は、「MFクラウドを使っている税理士さんが青森にはほとんどいませんでした」ということで全国に範囲を広げて税理士を探したということでした。
地方でもITを活用すれば都会と同じような仕事ができる環境が整ってきています。
そんな人たちを応援するためにも当事務所は地域を超えたサービスを続けていこうと思っています。
まとめ
税理士会の支部の総会に出席し、あらためて税理士に地域ごとの支部が存在する意味を考えてみました。
地域ごとの支部なんてとっぱらって全国統一にしてしまえばいい、とまでは言いませんが、時代とともに税理士会の意味も変わっていくのではないかと感じました。
編集後記
昨日は午後から横浜中華街にあるホテルで定期総会。
総会準備を手伝い、総会の後は仕事があるためすぐに退散しました。