2016年に入って、「人工知能」「FinTech」という言葉が新聞に載らない日はないくらい頻繁に使われるようになりました。

本日の日経新聞にも「AIで人事部いらず? ビズリーチやヤフー、データで最適配置 人との役割分担、探る」という記事が掲載されていました。

今まで人事部が一定の権限のもと行っていた採用、評価、配属をAI(人工知能)によって代替するという記事でした。

これまでのような上司の勘や経験をベースにしたアナログな評価はできなくなり、透明性の向上にも役立つとされています。

過去のインターネットの爆発的な普及を考えれば、AI、FinTechについても近い将来生活や仕事に大きな影響を与えるということもあながちありえない事ではありません。

AI、FinTechによって私たちの生活、仕事がどのように変わるのか、思うところを書いてみました。

単純作業は機械が「してくれる」

AI、FinTechの話題になると必ず言われることが人間の仕事が機械に「奪われる」ことでしょう。

言われているとおり、例えば単純な接客、一般事務、受付業務、運搬作業・・など機械が得意とする仕事は確実に減ると思います。

しかし私は仕事が機械に「奪われる」のではなく機械が「してくれる」が正しいと思います。

人間がする必要のない仕事を機械がしてくれるのは本来ありがたいことです。

単純作業が好きなという人は除いて、人間は人間にしかできない仕事をするほうがより幸福ではないでしょうか。

人間にしかできない仕事は何か?

先ほど「人間にしかできない仕事」と書きましたが実は私もそれが何なのかはっきりとは分かっていませんが、現時点で思うところを書いてみます。

例えば、ファイナンシャル・プランナー(FP)の仕事を考えてみたいと思います。

FPの主な仕事は個人向けに家計についてのアドバイスを行うことです。

一方、ここ数年銀行や証券、保険など複数の口座情報を集約して一元的に表示させるPFM(個人財務管理)サービスが盛んとなってきました。

日本でいえば、マネーフォワード社が提供している家計簿アプリが有名かと思います。

現時点ではPFMはバラバラになっていた銀行口座、証券口座、クレジットカード口座などの資産を一元管理するという機能がメインですが、近い将来個人の属性や支出項目などを基にAIによる家計アドバイスのサービスが始まるといわれています。

そうなると今までFPが行ってきた家計診断サービスがAIによって必要なくなる可能性があります。

しかし、機械的ではじきだされた診断で利用者が納得するかどうかは別の問題です。

機械で出された診断は蓄積された利用者の「過去」のデータから導かれたものであり、「今後何をやりたいか」という未来志向的なものではないからです。

もちろんAIも進化して利用者の希望を細かく分析することにより未来志向的な診断結果を出すことも可能になるかもしれませんが、利用者の潜在的なニーズを掘り起こし、的確なアドバイスをするといったクリエイティブな仕事はやはり人間にしかできないのではないでしょうか。

税理士業界も同じだと思います。クラウド会計がこれほど広まったのはクラウド技術が発達したからではなく、「小さな事業者でも利用できる格安で、自身でも処理できる会計ソフト」といった考えてみれば当たり前のニーズを掘り起こした結果だと思います。まだまだ眠っているニーズはたくさんあるのではないでしょうか。

従って今後は「機械がしてくれる単純作業」の割合が大幅に増える一方で「人間にしかできない世の中の潜在的なニーズを掘りおこし、形にするクリエイティブな仕事」との共存が基本になると思います。

減った収入を補うベーシック・インカム

日本は少子高齢化で今後人口も急激に減っていき経済も衰退していく事は間違いないでしょう。

このような中でAIやFinTechが今まで人間が行ってきた単純作業をしてくれるという動きは望ましいものだと思います。

今後超高齢化社会を迎えるにあたり介護、福祉などの産業は拡大していくと思われます。また、人口減を迎えるにあたっては海外からの観光先や投資先としての魅力も強めなければなりません。これらの分野にてAI、FinTechを利用しようとする動きも活発です。

一方で上記以外のほとんどの業種は今後縮小していくことは間違いないでしょう。

その結果無理に働こうという人も減ってくるのではないでしょうか。国民一人当たりの収入は現に下がってきています。働き方そのものも価値観が変わらざるを得ないでしょう。

このような社会を迎えるにあたりフィンランドなどで取り入れられているベーシック・インカム制度は今後キーワードになるのではないかと思います。

ベーシック・インカム制度とは政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給する制度です。

フィンランドのように小さな国だからこそできる制度であり、日本において実行するには財源も問題になるかもしれません。しかし全く同じような制度を取り入れることができなくても経済が確実に衰退していく中で、無理に働かなくても最低限の生活ができるような制度は今後検討していかざるをえないと思っています。

まとめ

この記事では次の本を読んだ感想を書きました。

本の内容は海外事例がほとんどでとても新鮮でした。(ケニアのモバイル決済サービスの事例など)

ここ最近AIやFinTechの話題が上がるたびに「人間にしかできない仕事って何だろう?」と考えるようになりました。この問いは「どうしたらお客様に良いサービスができるのだろう?」に通ずるものがあります。

いずれにしても機械が単純作業をしてくれる時代は幸せであると私は思っています。

「人間にしかできない、世の中の潜在的なニーズを掘りおこすクリエイティブな仕事は何か」を考えさせてくれる絶好の機会だと思います。

本業である税理士にとってそれは何か、日々模索したいと思います。

編集後記

今日は、仕事の打ち合わせで東横線の祐天寺駅へ。

近くの自由が丘や学芸大学、都立大学は降りたことがあるのですが祐天寺は初めてでした。

いい具合に商店街にお店が並んでおりそれでいて静けさもあり良い街でした。

東横線沿線は落ち着きのある駅が多くどこも好きです。

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