税理士の平均年収は717万円

税理士の仕事に興味を持っている人、今まさに目指している人が気になるのが税理士の年収ですよね。

ネットで検索してみると、「年収ラボ」というサイトがあったので見てみました。

http://nensyu-labo.com/sikaku_zeirisi.htm

こちらのサイトによれば、平成27年度の税理士の平均年収は「717万」ということでした。

率直の感想としては・・「えっ平均で717万!?そんなに高いの!?」という感じです(^^;

開業税理士と勤務税理士がごっちゃになっているので分かりづらいですが。

会社員のお給料平均414万円(国税庁調べ)を考えれば相当いいのではないでしょうか。

しかし私の感覚値からは相当のギャップがあります。

以下今までの私の給料や周りの人から聞いたりしたリアルなデータをまとめてみます。

小規模会計事務所のアルバイト時代は時給1000円、初任給は20万円

私が大学4年生からアルバイトした小規模会計事務所は時給1000円、社員になってからは月給20万円で手取り17万円程度でした。(残業代は別)

年収にするとボーナス含めて300万円前後です。

ベテランさんでも、一番もらっている人で600万円程度だったと思います。

当時は家賃63000円のアパートに住んでいたのですが、結構生活は苦しかったのを覚えています。

しかし!周りの会計事務所に勤めている知り合いから聞いたらこの待遇はとても良いとのこと。

甘えちゃいけない、と。

中には

「残業代はでない」「月給16万円」「毎日夜中の11時、12時くらいまで働かされる」

という人もいました。

色んな話を総合すると、町にある従業員10名内程度の小規模会計事務所の年収は300万円~。ベテランでも600万程度まで。ということが分かりました。

今でもこの水準はそれほど変わっていないと感じます。

それでも就職には「簿記2級」程度の知識が必要です。

やはり「弟子入りする」的な雰囲気がまだまだ濃いのがこの業界の特徴です。

大手の税理士法人では?

それでは、高収入のイメージがある大手税理士法人ではどうでしょうか。

税理士資格を取ってから、従業員100名超の大手の税理士法人に勤めました。

税理士資格あり、税務経験2年程度で年収500万円(残業代込)くらいでした。

マネージャークラスだと800万円、パートナークラスだと1000万円超というところだったと思います。

こういった大手の税理士法人は基本的に資格ありの人を採るので500万円程度がスタートだと考えられます。

仕事内容としては、税務顧問の他に特殊業務が多くなります。

組織再編、国際税務、相続案件など・・。

ノルマがあるところもあり、税務知識+営業力、英語力、交渉力、政治力などプラスαで求められます。

残業も慢性的に多いです。

もちろん管理職は残業代は出ません。

これらの精神的プレッシャーを考えると年収1000万円超がいいかどうかはまた人によるでしょう。

また、普通の会社もそうですが役職も限られていますし上にいくには相当な努力が必要となります。

金融機関など利益率の高い業種では比較的1000万円超の人は多いと思います。精神的負担、肉体的負担を考えれば大手税理士法人だからといって特に恵まれているとは言いにくいでしょう。

一般企業の経理では?

私は一般企業の経理の経験が7~8年程あります。

外資系企業の嘱託社員のときは一通りの経理(仕訳、決算、親会社報告)をやって年収450万円程度でした。

ただ残業はほとんどなかったため精神的・肉体的には会計事務所と比べて非常に楽でした。

ちなみにシニアアカウンタントクラスだと500~800万円程度、CFOだと1000万円超という感覚でした。

ただしこちらも残業をほとんどしないで、という前提です。

特に女性の管理職が多かったのを覚えています。

外資系の場合「時間内にやることはやってさっさと帰る」という風潮ががあるため働きやすさはあります。

ただ「買収があった」「部署がなくなった」ということが日常的に起こり突然失業する場合もあるので「リスクに応じた上乗せ分」が給料に含まれているとも考えられます。

日本企業の経理は私は正社員として勤めた経験はありません。

ただ大手の上場企業の場合には比較的高い給料をもらっている人が多いと感じます。

総合してみると

あくまで自分自身の経験と、周りからのヒアリングの情報ですが総合してみると、

小規模会計事務所:年収300万円~600万円程度

大手税理士法人:年収500万円~1000万円超

一般企業(外資)の経理:年収450万円~1000万円超

といったところでしょうか。いやいや、そんなにもらってないとか、もっともらっていますよ!という方もいるとは思いますが。

ところで、この中にない「開業税理士」はどうなるでしょうか。

それこそ年収数万円の人もいれば、数千万円の人もいるでしょう。

独立してからは本当に差が出てきてしまう業界だと思います。

税理士になるための時間やコストを考えると、「平均年収」というひとまとめの数値だけを見て「資格取れば安泰」と判断すのは危険かもしれません。

まとめ

税理士の平均年収が「717万円」と見て感覚値とギャップがあったので記事にしてみました。

やはり結論としては税理士業界はすごく年収に差が出やすい業界ではないかなということです。

税理士試験に受かるまでのコストや時間も相当なものです。

それでも多くの経営者の方と接することができ、感謝されるやりがいのある仕事には間違いありません。

私自身、勤務時代から平均以下ですが(^^;会社の看板を使わないで自分の腕次第で稼ぐことができる税理士という職業、ある意味すごいなと思っています。

編集後記

週末は用事があって渋谷に行きました。

ハロウィンということを忘れていたので、待ち合わせた人に

「渋谷久しぶりに来たけれどやっぱり変わったひと多いね。」

と話しました。

(ウルトラマンのスーツみたいなものを着ている外国人が近くにいたので)

「だってハロウィンだからでしょ!」と言われようやく気付きました・・。


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