ここ最近気をつけたいな、と思うのが

「◯◯の知識不要」

というフレーズです。

例えば

クラウド会計・・・「簿記の知識不要!」

RPA・・・「プログラミングの知識不要!」

といったことが書かれている場合がありますが、

多くの場合当てはまらないと思っています。

確かに専門家のような細かい知識までは必要ありませんが、

基本を押さえ、全体を意識した仕組みを理解することは

昔以上に大事になっていると感じています。

クラウド会計は簿記の知識が不要か

(正確性はさておき)

「決算書を作る」

ということだけを考えれば、簿記の知識はほぼ不要です。

ただ、問題として残るのは

「外部(税務署など)からの指摘リスク」

「会社(個人)の資産として残らない」

の2点です。

1点目は言わずもがなですが、

私は2点目のほうが問題だと思っています。

決算書は、ただ作って、税務署や銀行に提出するだけのものではありません。

経営者やその下で働く人達が「理解」できてこそ、

意味があります。

例えば

黒字なのに倒産することがある、

というロジックを理解していなければ

会社の存続が危なくなってしまいます。

細かいルールではなく、「全体」「仕組み」は押さえたい

「決算書なんて専門家しか読めないもの」

というイメージがあるかもしれませんが、

細かい仕訳を知らなくても、「基本」を押さえ、「全体」「仕組み」を押さえることは可能です。

簿記の細かい「仕訳」から始めてしまい、途中で嫌になって

学習をやめてしまう人が多いのかな、と思って去年書いた本では

簿記の基本仕訳が決算書にどうつながっていくのかを図で説明しました。

決算書(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)のそれぞれの

意味をざっくり理解し、その構成要素(仕訳)がどのように反映されるのかを

理解できれば良いと思って書きました。

新聞などの大手のメディアで執筆する人でさえ「内部留保」のことを「会社で眠っているお金」

と勘違いするケースもあります。

貸借対照表と損益計算書のつながりがわかっていればこのようなことは起こらないはずです。

便利なツールが増えたことにより、基本的な知識は重要となっている

クラウド会計について「簿記の知識不要」と書かれているのを見かけることもありますが、

むしろ基本的な知識のニーズは上がっていると感じています。

便利なツールでなんとなく業務を行い、決算書ができたとしても

その裏では会計の基本的なルールに従ってシステムが動いているからです。

その基本的なルールを知らないことには便利なツールは使いこなせません。

今注目されているRPAも同じで、

「変数」「繰り返し処理」

といったプログラミングの「基本的な考え方」

自体は学ばないと、自分の業務をどう効率化できるのかの検討もつきません。

皮肉なことですが

「◯◯の知識不要」時代には、

逆に基本を勉強することは必須であると考えています。

まとめ

「◯◯の知識不要」というフレーズが気になったので、

問題として考えられることを書いてみました。

専門家の役割も変わっていく中、

ますます「基本的な知識」を身につけ、「全体と仕組みを理解すること」

をサポートすることは

重要になってくると思います。

編集後記

同業者の方とお食事を。

オープンした貸スペース近く(桜木町・野毛付近)には

飲んで・食べる場所がたくさんあって困りません!

最近のあたらしいこと

セミナーの資料、気づいたら作りすぎていた(150ページ超)

全部話せるだろうか・・。

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