自計化は意識が高い?
12/82017
カテゴリー:クラウド会計・経理
「先生のお客様、意識高いんですね」
少し前、某会計ソフトメーカーの営業の方とお話をしていたときのことです。
営業の方「先生のお客様の記帳代行(会計ソフトへの仕訳入力を代行すること)を行っている件数はどの程度でしょうか?」
私「私は記帳代行は行っていません。記帳はすべてお客様自身が行っています」
営業の方「・・・・」
営業の方「それじゃあ、先生のお仕事は・・(普段何やってんすかと聞きたそう)」
私「月次チェックしたり、困ったときに相談に乗ったり、会計・税務のアドバイスをしたり、あと決算・申告はこちらが全面的に支援しています」
営業の方「先生のお客様は優秀ですね~意識高いんですね!記帳ってみなさんやりたがらないですよね」
私「そうなんですよ~本当に優秀なひとばかりで(なぜか自慢げ)」
・・とここまできたときに違和感がありました。
自計化することってそんなに意識高いのでしょうか。
自分で自分の数字の管理をすることは、経営の基本だと思っていました。
記帳代行を勧める会計ソフトメーカー
ここ最近、会計ソフト会社から営業を受けると
「(我々の)会計ソフトを導入してもらって、記帳代行を請け負い、お客様を増やしていきましょう!」
と勧められることが多いです。
ホームページにも書いていますが、私は記帳代行は基本的に行いません。
ひとりで見られる範囲でしか請け負わないので、領収書を集めて、整理して、記帳して・・などやっていたらいくら時間があっても足りません。
数字を自分で管理することは経営の基本だと思っているので、そのような人のお役に立てるよう、
必要なときに、必要な情報を届けるようなサービスを心がけています。
記帳が苦手でも自分で数字を管理したいという人は大勢いる
某会計ソフトの方は自計化している方を「意識高い系」と言っていましたが、
記帳が苦手・面倒→だから外部に投げる
という方だけでなく、
記帳が苦手・面倒→でも経営に必要だから教えてもらって自分でやりたい
という考え方の人も大勢います。
私はそういった人たちに今ご依頼していただいている状況ですし、そういった人たちと今後もお仕事がしたいと思っています。(どちらかというと、起業間もない方が多いです。)
私自身だって、記帳は面倒・苦手です。
それでも自分の数字をリアルタイムに知ることなく経営などできないと思っているので、毎日コツコツつけています。
独立・経営は熱意も大事ですが、数字を管理してこそ持続できるものです。
それを理解している人も大勢います。
自分で記帳すると頭に入ってくる
現在クラウド会計導入支援を行っているお客様は、顧問税理士がいるにもかかわらず自分で数字を管理したい、ということでご依頼してきてくれました。
その方がおっしゃっていた言葉が印象的でした。
「今まで、会計事務所に1ヶ月後に渡されていた決算書があっても全く経営に役に立たなかった。自分で数字を管理するようになってからは、儲かっているのか、お金は足りるのか、そういったことが自然とシミュレーションできるようになりました」
とおっしゃっていました。
記帳は確かに面倒ですが、その一つ一つが積み上がって会社を客観的に見ることのできる決算書というものになることを考えると、疎かにできません。
外部に投げて記帳してもらったものを見ても、なんとなく違和感があるのではないでしょうか。
その方は今では会計事務所からもらった決算書を見て間違いがあるとすぐ分かるようです。
簿記などの会計知識というよりは、現場と数値を結びつける会計感覚が身についたのでしょう。
自分の会社の数字を自分で記帳してみたからこそ頭に入ってきた、ともおっしゃっていました。
このような能力は経営者に必須ではないでしょうか。
決して自計化は意識高い系の人だけが関係するものではないと思っています。
まとめ
自計化している人のことを「意識高い」と某会計ソフト会社の方がおっしゃっていたのに違和感があったので思うところを書いてみました。
もちろん記帳はお客様にしてもらっている、とはいっても都度チェックは必要なので間違いは指摘・修正します。それでも「記帳を含めた数値管理はお客様が行う」というスタンスは変わりません。
自分の会社(事業)の数字は自分で管理する。必要に応じて専門家のアドバイスを受ける。
私がもし税理士に依頼する立場でもきっとそうすると思います。
編集後記
本日は午前中仮想通貨の税務相談を受け、午後は月次チェック、問い合わせ対応、執筆など。
仮想通貨は色々な方に話を聞けば聞くほど新たなケースが出てきて悩みます。。
ただ、今年に関しては計算方法も公開されていますし、コンサバな方法で申告したほうが安全です。
今年度は混乱が予想されますが、来年以降法人の処理を含め整備がされていくことを望んでいます。