私は最近会計・税務の専門家でない人が書いた会計本を好んで読んでいます。

先日読んだのがこちら。

今までも何冊か専門家でない人の本を読んできましたが、こちらの本はその中でも分かりやすく、そして奥が深い内容だと思いました。

(ストーリーの途中で公認会計士の案内人が補足説明してくれています)

読んでみた感想・良かった点を書いてみます。

ストーリーが実話なので説得力がある

大体こういった本の内容は分かりやすくするためにフィクションが多いのですが、この本は実話なのでとても説得力があります。

この本を書いた古屋悟司さんという方は「ゲキハナ」というお花のネットショップを運営されている方です。

売上至上主義で赤字体質、数字に疎かった経営者が様々な試練を乗り越えていく過程が生々しく描かれています。

値上げした直後、お客さんが離れていって売上が落ち、資金繰りに困窮して・・という場面はリアルすぎて怖くなりました。

実話だからこそ伝わってくる臨場感がこの本にはありました。

全くのフィクションだったらこんなに引き込まれる内容ではなかったかもしれません。

専門用語が少ない

当たり前の話ですが、この本は専門家が書いていないので専門用語が少ないです。

我々専門家にとっても専門用語だらけの本は疲れますし、面白くありません。

会計を知らない方であればなおさらでしょう。

例えば、管理会計用語で売上から変動費(売上に変動して発生する費用)を差し引いた金額を「限界利益」と言いますが、

この本ではそれを「儲けパワー」と書いていました。

とても分かりやすいですよね。

この本のキーとなるのがこの儲けパワーです。

売上だけ重視していても、儲けパワーは上がっていかない。

それを会計を知らない人にも実話を交えて丁寧に説明しています。

素朴な疑問に答えてくれる

商売における素朴な疑問にもこの本は答えてくれます。

著者である古屋さんは「値下げをすれば売れる」と思っていました。

一見すると正しそうに感じます。

それをこの本に出てくる凄腕税理士(実在する?)が一喝します。

高くても、払いたいお客様はいる、と。

詳しくは本の内容に譲りますが、普段事業を行っている自分自身にも響いてくる内容でした。

そもそも利益とは何か?そもそも商売に必要な視点は何か?・・といった素朴な疑問に関してこの本は深い示唆を与えてくれます。

専門家としての気づき

この本を読むことにより専門家としての気づきもありました。

以前、勤務していたときに会社内で管理会計の研修を受ける経験がありました。

そのときに、

「税理士は管理会計なんて必要ないよね」

と言っている人がいました。

確かに、税理士は会計・税務のプロであって経営のプロではありません。

経営に関する知識は試験内容にもありません。

しかしだからといって資金繰りに苦労している経営者を見て

「売上をもう少し増やせれば・・」

なんて場当たり的なアドバイスしかできないのもどうかと思います。

管理会計と聞くと大規模な法人にしか関係なさそうに感じますが、中小企業にこそ必要な発想だと思っています。

専門家としての気づきもこの本は与えてくれました。

まとめ

専門家でない人が書いた管理会計の基本が学べる、「『数字』が読めると本当に儲かるんですか?」を紹介しました。

こういった実際の起業家が書いた実話本、もっと出てほしいなと思います。

会計の専門家が書いた本は、分かっていることを前提としているし実際に自分が経験したことに基づいた内容ではないためどうしてもリアルさに欠けます。

これから事業を起こす人、実際に事業を行っている人に限らず我々専門家にも深い示唆を与えてくれる秀逸な本です。是非ご一読ください。

編集後記

よく仕事で利用していた近所のカフェが閉店していました。

インターネットも繋げたし重宝していたのでショックです・・。

横浜は混んでいるカフェが多いのでまたカフェ探しに奔走します。

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