ここ最近、「数」や「数学」に関する本を読んでいます。

プロフィールにも書いていますが、私は数字というよりは「数」そのものが好きで、電話番号とかクレジットカード番号とかを暗記するのが割と得意です。

高校生のときも迷わず数学を選択。無味乾燥な計算よりも図形の証明問題などが好きでした。

それでも大学の経済学部に入学し、以降は「文系」という括りにおさまり、数や数学といった学問からは遠ざかってしまっていました。(仕事は数字に関わる仕事をしていますが)

私と同じような「文系」の人に話を聞くと「数字は苦手」「数字アレルギー」と言われる方が多く、数字に対して拒否反応を持っている方が多いように思います。

こういった「拒否反応」が、人生のあらゆるところで損を強いられることになっているのではないか。

そしてその拒否反応は学校で学んだ「数」「数学」にあるのではないか。

そんなことを最近考え始め、そういったジャンルの本を読んでいます。

といっても難解な本は無理なのでもっぱら初心者向けです。

今回読んだのが「永野数学塾塾長」を務める永野裕之さんが書いた『数に強くなる本』です。

 

見たことはないのですが、NHKの「テストの花道」という番組、「朝日中高生新聞」という中高生向けの新聞でも人気の方のようです。

ビジネスに関する数字というよりは、数に興味を持ちたい、数に強くなりたい、学生のときに習った数学の社会での活かし方を学びたいという人にお勧めです。

数の神秘さを知る

「数」そのものが好きということで、私は数式も好きです。(すみません、オタクっぽい話で)

以前、私の好きな作家である小川洋子さんの『博士の愛した数式』という本が発売されましたが、「愛した数式」というフレーズに惹かれて、発売直後に購入した記憶があります。

「素数」(1とその数以外は割りきれない数)や、「友愛数」(それぞれの約数を足し合わせると互いの数に一致する2つの数)の美しさ、神秘さに触れられているシーンが印象的な小説です。

永野さんの書籍には、素数や友愛数のほか、「完全数」(ある数のすべての約数(その数自体は除く)を足し合わせると元の数に一致する数。例えば28=1+2+4+7+14)なども紹介されていて、興味心がくすぐられます。

数の羅列を見ているだけでは退屈ですが、こういった数の「神秘」を知っているだけでもちょっと楽しくなるのではないでしょうか。「ふーん」と言われればそれまでですが・・。

でも正解のない時代に、「実生活に役立つ、役立たない」だけを学びの基準に考えないほうが結果的に良い気がします。まずは興味を持つ・楽しむことからだと思うので。

少なくとも学校の授業でこういった話をする先生はいなかったなあと思います。

数の「暗記」が、数字感覚を鍛える

この本のユニークな点は、算数、社会、自然科学、芸術といった科目別に数の授業が展開されている点です。(最後に、「技術篇」ということで実践的な章となっています)

例えば「社会」篇では、覚えておいたほうが良い数として、以下の数が挙げられています。

  • GDP・・・約500兆円
  • 労働分配率・・・雇用者報酬÷名目GDP。約50%
  • 国家予算(一般会計)・・・約100兆円
  • 合計特殊出生率(1人の女性が一生のうちで生む子供の平均人数)・・・約1.4

ちなみに、この中でぱっと私が答えを出すことができたのは国家予算だけでした・・。

新聞などでは毎日たくさんの数が出てきますが、上記のような大きな括りの数字を知っているだけでも感覚として入ってきやすくなります。

こういった基本の数が頭に入っていないとただの数字の羅列になり、自分ごとと考えられません。

ある程度の「数の暗記」は数字感覚を鍛えるために必要と感じました。

数字に弱い人→割り算に対する理解の不十分さが原因

著者は、「数字に弱い人の大半は、割り算に対する理解が不十分」と書いています。

これは私自身も身に覚えがあり、「割合」「比」になった途端に「ん?」となります。

例えば損益計算書は足し算、引き算で作成できますが、経営分析は割り算が必要となります。

収益ー費用=利益は分かるけれど、自己資本利益率、株価収益率など○○率となると急に難易度があがる気がします。

著者は割り算には「2つの意味」があることや、みんなが当たり前だと思っていること(分数の割り算は逆数を掛ける理由とか)を論理的に書いていています。

詳しくは本書に譲りますが、ただ公式を覚えるだけの勉強がどれほど意味がないかということに気づくことができます。

まとめ

永野裕之さん著『数に強くなる本』を紹介しました。

正解のない時代、公式を暗記して、受験のために勉強した知識は生きるためには役に立ちません。

自分らしく生きるために数に親しみ、味方につけるといった意識改革が必要だと思います。

後半はビジネスよりですが、全体としては教養として知っておくべき内容ですので学生さんにもお勧めできます。

学校で学んできた「数」「数学」の意味をあらためて考える「大人の学び直し」にも、是非。

編集後記

11月に発売される新型MacBook Airを息子用に予約しました。遅くなりましたが、息子もMacデビューです。(現在私のお古PCを利用)

私はMacBook Proを普段利用していますがWindowsが使いたくなり、HPのノートPCを2台目として購入。

限定色で人気があるのか届くのは11月末ですが、楽しみです。

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