[お勧め本]さよならは小さい声で 松浦弥太郎 著
10/242016
カテゴリー:本
普段ビジネス書、自己啓発書を読むことが多いですが週末はゆっくりエッセイなどを読むことが多いです。
今週末読んだのが松浦弥太郎さん著の「さよならは小さい声で」というエッセイです。
(何度か読んでいるので表紙がちょっと破れてしまいました・・。)
松浦さんが出会った身近なすてきな人との思い出について書かれています。
その中であ~素敵だなあ、納得できるなあ・・と思ったものを紹介します。
コミュニケーションは手紙で
松浦さんが旅先のアメリカのバークレーで出会った初老の女性のお話です。
その女性は毎朝喫茶店で手紙を書いていたそうです。
家には電話がないので、毎朝友達に手紙が書くのが日課なのだとか。
松浦さんはこの初老の女性と話をするようになり、住所を聞いたうえで帰国後に手紙を書きます。
数日後、初老の女性から便箋に小さな字でたっぷり綴られている手紙が届きます。
それから二週間ほど経ってから、ポストにエリザベスからの手紙が届いていた。
僕のことを覚えていることと、僕の着ていた青いシャツがとても好きだったということや、最近の街の様子などが、青いインクの小さな字で三枚の便せんにたっぷりと綴られていた。
そして便せんの折り目には、彼女が毎朝食べているパンケーキの粒がくっついていた。なんて微笑ましいのだろう。
このやり取りを読んで素敵だな~と思いました。
今やコミュニケーションのツールはメール、チャットが主流です。
伝えたいことがあれば、瞬時に伝えることができて便利な反面、何か大切なものをすっとばしてしまっているような気がします。
現実的に考えれば、時代から遠ざかるようなことを今できるわけではないけれども。
でも毎日大切な人に手紙を書いて、毎日大切な人から手紙が届く日常ってなんだか素晴らしすぎるなあと思いました。
そんな大事な手紙を書きたくなるような人が人生において何人できるのでしょうか。
情報源は信頼できる5人からで十分
松浦さんの知り合いのIT企業のプランナーとして働いている女性の話です。
仕事柄、多くの情報に触れているかと思いきや彼女はなるべく「情報を遮断」しているとのこと。
携帯電話でインターネットに接続することもせず、自宅でパソコンを開くのも滅多にない。
それではどうやって情報を選別しているのかというと特定の信頼できる人物からの上質な情報だけを選別しているとのことでした。
情報源を選別すること。それも特定の人物や個人にすること。なぜかというと、今や企業や団体、特定のメディアは、正しい情報や事実を様々な理由によって、発信できないことが多い。
ならば、上質な情報を持っていて、真実を述べる立場にあり、なにより人間として信用できる、誰か個人からの情報を得るしかない。
彼女は、自分で探し出した、五人という最小の情報源から知らされる事柄をマークし、それより先は必要に応じて、自分でさらに深い情報を、「歩く見る聞く」という行為で掘り起こすことを基本としている。
信頼できる情報源に触れるためには、自分で動いて努力して見つけ出さなければいけない、そしてそれは5人の信頼できる人がいれば十分という考え方に納得しました。
無料のインターネットやSNSで触れられる情報はごく一部であり、一次データでない可能性もあることをつい忘れてしまいがちです。
情報は量より質、そして受動的ではなく自分の手足を動かして得なければいけないという基本を再度確認させられました。
子供が望むことをすべてする
この本には育児としつけに関するエッセイも収録されています。
子供を授かった松浦さんが知人女性からアドバイスを受けた言葉が「子供が望むことをすべてしてあげることが大切」でした。
それでは過保護になる、甘やかすことになるのでは?と誰もが思いますよね。
女性が言うには、乳幼児の頃は、なによりも子どもの心を満たしてあげることに親は勤めるべきだという。
それでは過保護にならないだろうか?もしくはわがままな子どもにならないだろうかと訝ったりもしたが、過保護というのは子どもが望んでいないことまで過剰に親がしてしまうことである。
心が満たされて育った子どもは決してわがままにはならないから心配ないと女性は言った。
これを読んでなるほど、子供が望むことをする=子供の心を満たすということなんだなと思いました。
確かに、小さな子どもの要求することは些細なことが多く満たしてあげることは十分可能ではないのかな、と思いました。
「絵本読んで」「お話聞いて」「〇〇って何?(質問)」「一緒に遊んで」・・など。
過保護というのは親が先回りして色々やってしまうことであって、子どもの心を満たすこととは全く別のものですね。
上手く意思疎通のできない子供の対応は本当に大変ですが、一緒にいる時間は割り切ってすべての望みを満たすことに注力してあげることが長い目で見れば得策かもしれません。
まとめ
週末に読んだ松浦弥太郎さんのエッセイ「さよならは小さい声で」で気に入った話について思うところを書いてみました。
こういったエッセイを読むと意気込んでいる自分がいい具合に鎮火されて(^^;、忘れがちな大事なことを思い出させてくれます。
松浦弥太郎さんのエッセイは他にもたくさん出版されており、生活に密接した話題が多くとても読みやすいです。カフェなどでのんびりと読書、いかがでしょうか。
編集後記
寒くなってきたので、電気カーペットを点けてみたところ。
足が温まるだけでなんて幸せなんだろう・・と思いました。
本格的な寒さになる前に冬支度、始めていきます。
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