医療費控除の添付書類提出方法の見直し(平成29年分の確定申告より)
1/112017
カテゴリー:税金
※平成31年2月19日修正・加筆しました。
平成29年度の確定申告より、医療費控除の添付書類が見直しされました。
従来の医療費の明細書+領収書の添付ではなく、医療費の領収書に基づいて必要事項を記載した医療費控除の明細書による提出に変わります。
(ただし、領収書は5年間保存する必要があります)
この適用は、平成29年分以降の確定申告書を平成30年1月1日以降に提出する場合に適用されます。
(提出義務のある)医療費控除の明細書とは?
平成29年度の確定申告から医療費控除を受けるために必要な医療費控除の明細書が平成29年9月25日に国税庁のHPに公開されました。
元々医療費の集計に使われていた表ですが、
従来と変わった点は以下のとおりです。
- セルフメディケーション税制との重複適用が不可能と明記
- 医療保険者から送られてくる「医療費のお知らせ(医療費通知)」に関する事項が追加
セルフメディケーション税制は、一定の健康増進に取り組んだ方が受けられる所得控除ですが、医療費控除とは重複できません。
今回そのことが医療費控除の明細書に明記されました。
結論は、
平成30年1月1日以降は、医療費控除の明細書に医療費を集計し、確定申告書に添付しなければならない。領収書の添付は不要。
これだけ覚えておきましょう。
(任意)医療費通知の利用が可能に
また、医療費控除の適用でもう一つ改正があります。
医療保険者から年末に送られてくる「医療費のお知らせ(医療費通知)」は、今まで医療費控除を受けるための添付書類としては認められていませんでした。
しかし、平成29年度の確定申告より医療保険者が発行する「医療費通知」を確定申告書に添付する場合には、
医療費のお知らせ(医療費通知)に記載された金額をそのまま医療費控除の明細書へ転記(1 医療費通知に関する事項へ)できるようになり、この分については医療費の領収書の保存も不要となります。
ただし、「医療費通知」には以下の項目が必要となります。
- 被保険者等の氏名
- 療養を受けた年月
- 療養を受けた者
- 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
- 被保険者等が支払った医療費の額
- 保険者等の氏名
医療費のお知らせに書かれた金額以外に医療費がある場合には、「2 医療費(上記1以外)の明細」欄に記入していくことになります。
以下、国税庁より公表されているQ&Aです。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/iryohikozyoQA.pdf
こちらは医療費通知を確定申告書に添付すれば、
- 医療費通知の金額を医療費控除の明細書へ転記
- 医療費通知に載っている金額の領収の保管を省略
「できる」制度です。
作成義務のある医療費控除の明細書とは違い、任意ですので区分しましょう。
まとめ
平成30年1月1日以降から適用される、医療費控除の添付書類の提出方法の見直しについてまとめました。
- (義務)確定申告書の添付書類として、医療費の明細書+領収書から、医療費控除の明細書に変わります。
- (任意)要件を満たした医療費通知を添付すればその分の医療費控除の明細書への転記は不要で、領収書の保存も不要。
ただ、2.の医療費通知は送られてくるのが遅く(横浜市の場合3月の上旬)、申告を早く済ませたいという人にとってはかえって負担でしょう。
確定申告の要件が満たされているか確認も必要です。
医療費通知に記載されているものと実際の領収書との間にズレがあるかもしれないので領収書との照合作業は必要になると考えられます。
個人的には、ややこしくなるので2.の「医療費通知」は使わない方向で良いのかと。
(むしろ余計な照合作業が発生して手間がかかる可能性があります)
領収書をすべて残し、医療費控除の明細書に転記して提出したほうがクリアです。
今度マイナンバーカードが健康保険証にも使えるようになるので、医療費控除の利便性アップに
期待しています。
なおe-Taxを利用している方であれば以下のHPから医療費集計フォームをダウンロードし、
医療費を入力してそのままe-Tax送信できます。
是非ご利用ください。
https://www.keisan.nta.go.jp/h30/syotoku/ta_iryouhi_form_download.jsp?taxYear=18#bbctrl
編集後記
近々、皇居ランをすることになりました。
ジムに通い始めて8カ月。ランニングマシンでトレーニングしてきたとはいえ本格的に外で走るのは初めてです。
運動というと拒否反応を起こしていた1年前が嘘のようです。
人は変われるんだなあ、としみじみ思いました。