『企業実務』の「日常業務を自動化する/経理現場の「Google Apps Script」活用法」連載を書いて
- 2026.09.20
- 書く仕事
日本実業出版社様が発刊している、月刊誌『企業実務』にて「日常業務を自動化する/経理現場の『Google Apps Script」活用法』の連載を9ヶ月担当させていただきました。
- 第1回(2026年2月号) GASとは何か・GASの導入方法
- 第2回(2026年3月号) 経理実務で身に付くプログラミング的思考①
- 第3回(2026年4月号) 経理実務で身に付くプログラミング的思考②
- 第4回(2026年5月号) Gmailの添付ファイルをDriveに自動保存①
- 第5回(2026年6月号) Gmailの添付ファイルをDriveに自動保存②
- 第6回(2026年7月号) 請求書をGmailで一斉送信する①
- 第7回(2026年8月号) 請求書をGmailで一斉送信する②
- 第8回(2026年9月号) 生成AIを味方につけるプログラミング①
- 第9回(2026年10月号) 生成AIを味方につけるプログラミング②
終えてみて、感じたことを書きます。

きっかけは、Google Apps Scriptの記事
この連載は、Googleが提供するサービス(Gmail、Google Spreadsheetなど)を自動化するためのプログラミング言語(Google Apps Script, 略してGAS)を使った経理効率化について書いたものです。
ご依頼のきっかけとなったのはGASに関する私の発信でした。ブログやHPで、クラウド会計freeeの開発者ツールを使ってAPI経由でGASを操作したり、メモ管理ツールであるNotionとGASを連携させるなど試したものを記事化していました。

なぜGASをよく利用しているのかというと、私は独立直後から、
- 汎用性が高い
- クラウドで完結できる
サービスを重視しているからです。反対に、
- 汎用性が低い
- 自分のパソコンやサーバーでしか動かない
ようなサービスは避けていました。
なぜかというと、デジタル化を前提とした効率化にはGASのような汎用性が高くてクラウドで完結できるサービスが欠かせないからです。(とはいえ業界的に汎用性が低いソフトも使わざるを得ないのですが、、)
そして、普段行う業務をGoogleのサービスに統一すれば、GASで業務効率化の幅がとても広がります。
プログラミングの「必要性」「考え方」から説明
この連載で意識したことは、「変数とは」「アルゴリズムとは」といったお勉強的なことにいきなり入るのではなく、「必要性」「考え方」から入ったことです。
私は一般企業での経理が長く、ルーチンワークの多い経理業務こそプログラミング活用のチャンスがあることを知っていました。そして、経理の本当の仕事は、数値を「つくる」ことではなく、「数字の流れを設計し、説明する(経営の意思決定に活かす)こと」にあると確信していました。
2026年8月まで連載していたサイオステクノロジーさんの記事にもそのことを書いています。
数値をつくることはある程度正解がありますが、その先の意思決定に正解はありません。その正解のないところを人間が「考え、決める」ところに価値があると実感しています。

【デジタル大好き税理士・戸村涼子presentsペーパーレスから始めよう】設計して、説明する。AI時代の経理の役割|レスペーパーJP | サイオステクノロジー株式会社
次に、プログラミングの基本的な「考え方」として、代表的な
- アルゴリズム(順次処理、条件分岐、繰返し処理)
- 変数
- 関数
- オブジェクト指向
を、身近な経理の実務を交えながら説明しました。
例えば、順次処理を上から下へ実行する処理ですが、仕訳入力を例に図表を使って説明しました。

プログラミングの細かいルールを知るよりも前に、この
「頭の中でやっていること」を、言語化する
ことがプログラミングには不可欠であることを強調したかったからです。
AIによって、ますます基礎知識が大事になる
そして、今や外せない「AI活用」も最後の2回で解説しました。
最近では、AIの進展によって
「AIによってプログラミングが不要になる」
ということが言われがちですが、私はそう思っていません。むしろ、基礎知識はますます重要になっていると感じています。
なぜなら、プログラムは一度作って終わりではなく、「改善」し続けていくことが前提だからです。
例えばエラーが表示されたときに、なんらかのあたりをつけて生成AIの力を借りて解決しなければなりません。このとき、プログラムの中身が全くのブラックボックスでは手の打ちどころがありません。
AIと対等に議論し、試行錯誤しながらプログラムを維持していく土台として、「プログラムはどういう仕組みで動くのか」の最低限の基礎知識が欠かせません。
今求められているのは、
「生成AIにコードを書いてもらう」人ではなく、
「基礎知識の土台があった上で、生成AIと一緒にプログラムをつくり、改善し続けることができる」
人と考えています。
まとめ
月刊雑誌『企業実務』にて、「日常業務を自動化する/経理現場の「Google Apps Script」活用法」連載を続けて感じたまとめを書きました。
つくづく思うのは、AIは人間を代替するものではなく、人間の能力を拡張していくものということです。もちろん、完全に人間を代替するAIもあると思いますが、本質は拡張性にあると思っています。
そもそも、経理でも何でも良いのですが
「業務を自動化する」のはなんの目的でやるのでしょうか?
ここから考えるべきだと思っています。冒頭に書いたように、私が思う経理の本来の仕事である「意思決定」の分野に参入してもらうため?もしそうならば、別のスキルが必要なはずです。仕訳入力など、ルールに基づく経理業務(ある程度の正解あり業務)しかしてこなかった人が、いきなり数字分析に基づく意思決定(正解なし業務)のサポートはできないからです。
あるいは、「プライベートを充実してもらうために早く帰ってもらう」ことだってありでしょう(日本の雇用スタイルでは難しいかもしれませんが。。。)。
こういったことを事前に決めないと、「空いた時間にさらに仕事(不要かもしれない)が増える」ことになりかねません。
手段が目的化しないために、自動化はなぜするのか?といった根本的な議論が必要だと思っています。
執筆の仕事は、随時受け付けています。実績確認や問い合わせはこちらからお願いします。
編集後記
夏の終わりに、長野の入笠山&湿原へ行ってきました。途中までロープウェイで行ったので、初心者でも登ることができました。湿原はこの世のものとは思えないくらい素敵な光景でした!
途中、修学旅行の小学生たちに遭遇。ぎゃあぎゃあ騒ぎながら登っていて「子どもってストレートだよなあ」と笑いながら登りました笑。
美味しい八ヶ岳のパン屋さんでお持ち帰りも。




最近のあたらしいこと
入笠山
大阿原湿原
Truffle Bakery 南八ヶ岳店
メニュー
メディア
-
前の記事
ネットビジネス、デジタル資産、国際税務、そしてAI。新しい分野を書き続ける喜び。 2026.09.15
-
次の記事
記事がありません