カスタマーファーストじゃない会社があってもいい
1/52021
カテゴリー:本
「カスタマーファースト」
という言葉は、Amazonをはじめとして
多くの会社が理念として掲げている言葉ですが、
なんとなく違和感があって好きな言葉ではありませんでした。
カスタマーファーストに違和感がある理由
カスタマーファーストは、普通に日本語に訳すと「顧客第一」です。
この「第一」と優先順位がついているのがあまり好きじゃないんだと思います。
じゃあ従業員は二番目?三番目は?という話にもつながり。
例えば、
飲食店ですごくお客様には丁寧に接しているのに、
奥の厨房では従業員にぞんざいな態度をとっている経営者がいたら
そのお店には二度といかないでしょう。
私自身、お金払っているからといって第一にしてもらわなくても構わなくて、
そこで働いている人が幸せそうでいることのほうが大事です。
カスタマーファーストの本来の意味は
おそらくですが、
カスタマーファーストの本来の意味は
カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の向上
に近いのかな、と考えています。
例えば中国の芝麻信用(ジーマクレジット)というサービスは
アリババ傘下の金融会社が作ったサービスですが、
行動データが信用スコアに換算されるものです。
スコアが高いと、さまざまなメリット(家を賃貸するときに敷金が不要になるなど)
があります。
使えば使うほど生活が便利になり、顧客はそのサービスから離れられなくなる。
つまり、顧客がファン化する。
これがカスタマーファーストの本来の意味かと思います。
顧客が第一という優先順位を強調する言葉ではないと思っています。
(ちなみに、Amazonのような大会社でデジタルを駆使して顧客サービスを向上させているのならまだしも、
HPで大々的に「お客様第一!」って打ち出している組織はなんとなく信用できないです・・。)
カスタマーより、従業員・パートナーを重視する会社があっても良い
私の知っている会社で、
従業員・パートナーを一番に考えている会社があります。
本社の機能は極力抑え(立派なオフィスはなし、最小限の本社スタッフ)、
ほとんどがリモートのパートナー(外部請負契約)という会社です。
余計な資産を持たないため無借金でありながら資金は潤沢にあり、
最低限の内部留保を確保しつつ
利益のほとんどを従業員、パートナーさんに還元しています。
仕事の受注量のコントロールは経営層で行なっており、
従業員・パートナーに負担がかかりすぎないような仕組みになっています。
したがって、売上・利益は急激には増えず、
1年を通じてかなり変動します。
利益はほぼ「人」に還元されるため、節税も無理にする必要もありません。
同じ理念・文化をもった個々が、やりたいことを
実現するために会社が存在しているイメージです。
世間で当たり前と思われている、成長、拡大、増収増益・・・
とは真逆の方向性ですが、働いている人がとても生き生きとしています。
結果として、お客様に良いサービスを提供できています。
最近、こちらの本を読んでいるのですが、
ミドルマネジメントが不在で、
本社機能も最小限、
すべての業務が「個」が集まるチームによって自律的に行われる
「ティール型(進化型)組織」
と言われているものに近い気がします。
個人で多様な生き方が模索されているいま、
会社だって多様です。
社員を犠牲にしてまで追うべき数字はない、
と書いている本もありました。
持続可能な経営を前提としつつ、
カスタマーより従業員・パートナーを大切にする会社があっても良いと考えています。
まとめ
カスタマーファーストじゃない会社があっても良いと
思ったことを書きました。
編集後記
昨日は、ぼちぼちと仕事始めを。
コワーキングスペースを契約しようかと
内覧したのですが、
たまたまかもしれないですがかなりの混み具合で・・前行った時は空いてたのに。
人との距離は大事ですね。
最近のあたらしいこと
コワーキングスペースの内覧