非正規社員での経験を有効に使おう
9/282016
カテゴリー:My働き方改革
近年、正社員と非正規社員の賃金格差の問題が取り上げられていますね。
アベノミクスが掲げている同一労働同一賃金も日本の正社員重視型の雇用制度にメスを入れるための政策です。
先日、同一労働同一賃金についての意見を書きました。
非正規社員は正社員に比べて賃金が低い、保障が少ない、雇用が守られていないなどデメリットばかり取り上げられる事が多いのですが経験者として違う捉え方もできます。
というのも私は税理士として独立する前、特に子供が小さいときは非正規社員として働いていたので、事情を良く知っているのです。
今日は非正規社員での経験を有効に使う方法を書いてみたいと思います。
非正規社員は既に同一労働同一賃金がほぼ確立されている
前述したとおり、同一労働同一賃金の政策が動き始めようとしていますね。
しかし非正規社員に限ってみれば、既に同一労働同一賃金はほぼ確立されています。
例えば、派遣社員。
派遣先に派遣社員として就業する場合には、業務内容などが記載された就業条件明示書というものにサインします。
この就業条件明示書には、業務内容として〇〇号〇〇業務、時間単価〇〇円という形で明示されています。
この業務内容の号数と、派遣先企業の規模、+αの専門性、地域などによって大体の時間単価の相場は決まっています。
例えば、第10号の財務処理の業務(いわゆる経理業務)だったら、1,400円~2,500円程度でしょうか。
かなり幅があるようですが、例えば単純な入力・仕訳しかできない人と決算・税務までできる人だったら時間単価はもちろん大幅に異なるのが通常です。
ここでポイントなのが、「非正規社員はスキルを磨けば磨くほど時間単価が上がりやすい」ということです。
正社員の場合、月給を上げるためには年一、二回程度の査定で評価されることが必要でしょうし、上がったとしても年数千円~程度でしょう。
もちろん賃金の総額を比較したら非正規社員は正社員よりも低いですが、自分の努力が賃金に反映されやすい特徴があります。
非正規社員だからこそ戦略的に仕事を選ぶことが可能
もう一つのメリットは、非正規社員は転職をしやすいということです。
(日本の正社員市場では、転職回数は非常に嫌がられますが・・)
「非正規社員は正社員と違ってすぐに契約を解除できる」など、企業にとっては都合が良いと思われていることに対して後ろ向きな意見もありますが、逆に考えて非正規社員側もその特性を利用してしまえば良いと思います。
自分が成長できないと思ったら、すぐに動くことができるのも非正規社員のメリットだと思います。
そのため、できる限り「既に経験した業務」「誰にでもできる単純業務」は経済的な問題がなければ選ぶべきではないと思っています。
ただ、恒常的なスキルアップと派遣先企業で「信頼」を得ることは正社員と同様必要な事です。
正社員の場合は「社内行事に参加するか」「社内コミュニケーションを大事にするか」「欠勤をあまりしないか」など仕事以外にも色々と気にしなければいけませんが、非正規社員は純粋に「仕事」でアピールすることが大事だと思っています。
あくまで「仕事」でアピールすることにより、派遣先企業・派遣元企業での信頼を日々得ることはその後のキャリアアップ(新たな仕事依頼など)にもつながります。
余計な飲み会もなく、定時にあがることができれば資格勉強など自分のための時間をたっぷりとることが可能です。
私の場合は保育園のお迎えの時間が決まっていたため、効率的に業務を行うスキル(エクセルなどOffice系)を身につけることができました。
専門性を生かす働き方、特に独立を選択すれば、正規・非正規は関係なし
最後はここに行きつきます(笑)。
独立してしまえば、それまでの正社員・非正規社員の経歴など誰も気にしません。
日本の場合、「正社員」としてのレールを外れるともうそこで仕事人生終了、みたいな雰囲気が感じられますが一歩「雇われる側」を抜けたら全く関係ありません。
「自分は大学卒業後、すぐに正社員を辞めてしまってその後は非正規社員を転々としている・・」
「結婚・出産後仕事を離れてから仕事に復帰する勇気がない・・正社員は時間的に無理」
このような方こそ正社員にこだわらない「専門性」のある仕事を目指してみてはいかがでしょうか。
日本は、教育水準も高く思い立てばいつでも勉強できる環境は整っていると思います。
私の場合は、子育てをしながら非正規社員として経理の仕事をし、同時に専門学校のWeb口座によって税理士の勉強をすることが可能でした。
なんだか書いてみるとすごそうに思われるかもしれませんが、試行錯誤の連続でした。子育てと仕事でバランスがとれなくなったり、正社員になったものの激務で体を壊したり、やはり勤め人は向いていないのかと思ったり・・
自分の置かれている環境でできる選択を無理せず実行していけば良いと私は思っています。
ただ、個人的には非正規社員のような働き方(専門性を生かした働き方)が今後主流になっていくと思っています。
時代の流れも良い方向に進んできています。
前述した同一賃金同一労働への動きもそうですし、時間や場所にとらわれずに専門性を武器に働く方法(リモートワーク・在宅ワーク・クラウドソーシング)も次々に出てきています。
まとめ
日本では後ろ向きなイメージがある非正規社員ですが、メリットも書いてみました。
正社員・非正規社員のような区分があるのは日本くらいで、外国(特に欧米)では日本でいう非正規社員のような働き方(専門性を生かした働き方)がむしろ普通です。
メディアの影響なのかどうしても正社員と非正規社員との格差ばかり取り上げられますが、一歩日本を離れれば非正規社員のような働き方が普通であるということも知った方が今後のキャリアの視野が広がると思います。
編集後記
週末に少し衛生面で問題のありそうな中華飯店で食事をしてからお腹の調子が悪いのが続いています。
何日も続くのは初めてです・・年を重ね油に弱くなっているのかもしれません(^^;