私は、主に税理士という資格を持って仕事をしています。

資格がなければできない仕事、

ということで専門家(プロフェッショナル)と呼ばれます。

専門家は、少なからず他の仕事と異なる部分があると思っています。

自分が専門家として意識していることを書きます。

※後に続く人たちに恥ずかしくない背中を見せる

 

プロセスは評価されないことを意識する

プロフェッショナルというと、

「高い専門知識」が重視されがちですが、

それはあって当然で、その上に大事な条件があると考えています。

 

それは、「プロセスは評価されない」ことを強く意識することです。

これは、特に日本の学校、会社を経験してきた人間にとっては

結構ハードルが高いことと考えています。

 

というのも、なんだかんだ学校や会社ではプロセスを評価してもらえるからです。

学校ではテストの点数よりもどの程度授業に積極的に参加したかが

重視されるし(授業の面白さに関係なく)、

「成果主義」をうたっている会社ですら

成果ではなく上司からのよくわからない評価で決まる

文化が少なからずあるのではないでしょうか。

 

独立して専門家として生きていくと、

こういう考え方と真逆の考えになります。

どんなに頑張って徹夜して仕事を完遂したところで

誰も褒めてくれませんし、

それが成果に結び付かなければ

依頼された方も評価してくれません。当然と言えば当然なのですが。

 

自分のパフォーマンスを最大化するために、

考え抜いた上で「頑張る」のは問題ないのですが、

漫然とした「頑張る」は全く評価されないと言って良いでしょう。

 

勤務していた頃は、徹夜自慢をされている方がいましたが

ピンときませんでした。

いやいや、依頼人に役立ってなかったら意味ないのでは、と。

独立してプロフェッショナルとしてお客様から仕事を依頼されて、

その考えを強くしました。

 

プロセスが評価されない、

頑張っても誰も褒めてくれない

世界は厳しいものですが、

「依頼してくれた方からの評価」

というある意味シンプルな軸を

持っていればいいのは魅力的です。

 

独立した立場を貫く

「お客様は神様」という考えが日本では根強いですが、

特に専門家にとってはこの考えは当てはまらないと思っています。

 

というのも、国から資格を与えられている専門家には法令遵守はもちろん、

厳しい倫理規定が設けられているからです。

 

税理士にとっても例外ではなく、

税理士法という法律で

独立した公正な立場を貫くことが要請されています。

 

「税理士の信用又は品位を害するおそれがある者」は、登録が拒否されるとも。

「品位を害する」は結構範囲が広いですが、

あまりにグレーな節税などの提案をすることも該当するかもしれません。

法律で定められていなくても、高い倫理観、品位を持って仕事をすることが

求められるのがプロフェッショナルです。

 

 

そう考えると、必ずしも依頼された方と自身の倫理観が一致するとも限らず、

場合によっては仕事を受けない、拒否するメンタルを持っていなければなりません。

 

依頼人と専門家は情報を常に高いレベルで情報を共有していなければならず、

隠し事があるなど信頼関係が崩れると仕事をスムーズに進めることができません。

 

信頼関係を前提として、

専門家は独立した立場を貫くことができます。

 

売上を目標にしない

私は売上を1番の目標にしていません。

私の考えが正しいわけではありませんが、

専門家が売上を目標にするのはちょっと違和感があります。

 

というのも、自分(自社)の利益を第一に追求することは、

上記の独立した立場を貫くことと相性が悪いように思えるからです。

 

もちろん、食べていくための売上は必要ですが

売上第一に動くと、

とにかく依頼されたことはなんでもする、

という選択肢になりかねません。

そうすると、守るべき倫理、品位を損なう可能性も出てきます。

 

こういう考えがあるので、

私は税理士業として倫理観や品位を守れる

方とだけ仕事をしています。

それは、数も含めて。

高い倫理観や品位を持って仕事ができる数は、おのずと限られると考えています。

あまりに忙しすぎてあくせくしてるのって、品がないじゃないですか。

 

このガチガチの専門家としての仕事だけで埋まってしまうと

私の場合辛いので、

税理士業とは別に法人をたてています。

 

法人では、税理士業で培ったスキルを活かしつつも、

税理士業以外の仕事をしています。

執筆、コンサルティング、講演・セミナーなどです。
(とはいえ法人でも売上第一にはしていませんが)

 

専門家として高い倫理性が求められる税理士業と、

あらたなことに挑戦できる法人での仕事との組み合わせは、

ちょうど良いバランスの仕事配分になっています。

 

まとめ

今日はちょっとお堅いテーマでしたが、

専門家(プロフェッショナル)として意識していること

を書いてみました。

たまに思い出して、身を引き締めています。

専門家として今後独立する方の参考になれば嬉しいです。

 

編集後記

息子と、近所の唯一のお寿司やさんへ。

夫婦と息子さんがこじんまり経営されているお店でした。

ゆっくりとした時間を過ごせて、満足。

最近のあたらしいこと

北かまくら いろは寿司

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